イケメン天使妄想伝！〜天使の妄想世界で俺の青春やり直し〜

始まりはもはや突然。それは舞散る桜に舞天使。

出会いは突然にとかよく言うけど突然過ぎても困るよなって話。

「この本によれば、ふつうの会社員 麻生礼一郎は何事もない人生を全うし、愛を知る事もなく孤独に死を迎えるのみであった。
そこに現れた私の手により、彼の人生は今後どう変わるのか…。
それは神では無い私では、知り得ることなど到底不可能となった。
だが、舞台だけは用意させてもらった。
青年は果たしてどのような道を選択し、その人生を変えていくか。
楽しませてもらうとしよう。
さて、まずは在り来たりな目覚めのシーンからと行こうか。
祝え。麻生礼一郎！その新たな物語の幕開けである！」

楽しんでますね。天使さん。

「まぁね。この先の物語はきっと我が理想だよ。
ところで君はだれなのかな？」

それは秘密です。

「まぁ良い。さぁ、私の物語の主人公。目覚めの時だ。
面倒なので、ナレーションも彼に任せるとしよう。」

以後、麻生君ことポンコツ君の心の声と共に物語をお楽しみ頂ければ幸いである。



「いっつ～…あったまいてぇ…おもいっきり叩きやがってこのクソ天使…」
ぷにゅ。
ん?なんか柔らかい感触が…
ま、まさか…お約束の…!!
「ぶにゃあ…」
!?
「ぶにゃあ。ぶにゃあ。」
猫かよ…(泣)
「ご主人様。ご主人様。起きて下さいませ。朝ですよ。」
な、なな…
き、き、き、
キタ━━━(゜∀゜)━━━!!
「ん…おはよ…」
いや、こんな非現実な事などあるものか。
俺はまだ夢を見ているに違いない。
そうだ。きっとそうだ。
「ご主人様?」
謎のﾒｲﾄﾞがぺちっと頬を軽くたたく。
「早く顔洗ってらして下さい。一緒に朝食を取って早く学校に参りましょう?」
飛びっきりの笑顔が俺に放たれた。
か、可愛いじゃないか…
トキメクではないか!!
いや、しかし今も頬に残るかすかな感触…。
ゆ、夢じゃないのか…?
「先に下に降りて待ってますね?」
満面の笑顔を俺に放ち、ぱたぱたと走りながらメイド少女が部屋を出ていく…。
「本当に、夢じゃないのか…?」
「夢の方が良かったかね?ポンコツ君」
で、出たぁあ!!
「変質者ぁぁぁあ!!」
「誰が変質者だね。恩人に向かって失礼な。
どうかね。このシチュは。良くあるパターンだが。」
最高♪
グッと、声にならない喜びを親指一本に込めて表現する
「フフフ。そうかそうか。まぁなんだ。精々頑張って生き延びたまえ。私は愉快痛快な君の新たなる人生に期待している。
さて。私は今からアニメ「家政婦狐さん」を見るから帰るよ。」
さらばだ。
と言いながらアホ天使は去っていった
「有り難う。アホ天使…満喫させて頂きまっす!!」
「……ぶにゃあ。」
いや、しかし何故この非現実的な世界に変わっても我が飼い猫は普通に居るのだ…
「それはなぁご主人。俺様は元々只の猫じゃないからだよ。」
何?
「ぶみゃあ(猫の名前)が喋った!」
「ちなみに、前の世界そのままの記憶を持つのは俺とご主人だけだ。まぁよろしく。」
「あ、あぁ…よろしく…」
こうして俺の新しい人生が始まった。
とりあえずあのメイドちゃんが可愛いかったので起床する事にする。