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エピローグ:元罪人は閣下と結ばれる
しおりを挟む「まあぁ素敵!
姫さま素敵じゃないさね!!」
「あ、ありがとうララ様」
クルクル回りながら衣装を絶賛するララ様の勢いに押されつつ
礼を言う私が今いるのは、教会。
そうー。
ジルクバル様…ジル様との結婚式だ。
………
…………
あれから。
思いを受け入れる決意をした私に熱い抱擁と激しいキスを見舞ってくれたジル様に寝室へと抱えていかれそうになるも目を吊り上げたララ様にしばき倒されたジル様は、渋々家令のルフ様に連れられ事の後処理に。
ルフ様がジル様とともに連れ立って出て行かれ、帰宅の際にはジル様が騎士団員を、ルフ様はジノリ侯爵家当主を連れて来られ。
蒼白な侯爵が屋敷の前で土下座して娘の罪を詫びるも、
流石に以前から公爵家より幾度となくされていた忠告をも無視した上での彼女の暴挙は許されることではなかったらしく、拘束されたまま喚き続ける彼女はそのまま騎士団員らによって連行されていった。
城の牢まで連行されたのち、
後日裁判を経て罪を確定、断罪されるそうな。
私がジル様の求婚を受け入れた為裁判は式の一月後まで延期されたそうだけど、
そのおかげで婚約期間が縮みに縮み、あの日からたった1ヵ月で本日の式と相なったのにはかなり驚いてしまった。
そんな私とは全く異なり、ジル様はかなりご満悦。
どうやら式が早まったことはかなり喜ばしいことだったようで、
屋敷の方々も興奮気味に祝福して下さった。
……………
………
慌ただしく準備の期間は過ぎて、本日がその当日。
レースがたっぷりあしらわれた純白のドレスを身に纏い、
髪は綺麗に結い上げられその上からふんわりと透けたベール。
化粧までを済ませて後は式を待つばかりとなった時、
ノック音がなる。
許可を促すと入室してきたのは案の定、ジル様。
「ディー、そろそろ準備は…」
言いかけ目が合った瞬間呆然と言葉が途切れたジル様。
その様子にどこかおかしかったかなともじもじしていると、
「……綺麗だ……」
掠れた低音で呟かれ、一気に顔に熱が上がった。
すすす…と寄ってきたジル様は一度抱きしめようと私に手を回しかけ、
しかし折角整えた衣装や髪が崩れてしまうと小さく舌打ちし。
そっと私の耳に顔を寄せて、
「…天使かと思った。
式をあげれることは喜ばしいが…正直今の君の姿を他の男の目に触れさせたくないな」
そう囁かれ赤面度合いが上がってしまう。
「ジル様こそ、と、とても素敵、です……」
何やらとても恥ずかしくなり俯くとクイッと顎を指で上げられ、
「ー…もうこのまま屋敷へ戻って、食べてしまおうか…」
「っんんぅっ……!」
つまみ食いくらいなら、許されるだろうか
そんな呟きが聞こえた瞬間、唇を貪られてしまった。
結局式開始直前まで唇を蹂躙され、
焦れて飛び込んできたララ様にジル様は雷を落とされた。
取れてしまった口紅を塗り直したり身体の火照りを冷ましたり。
少しばかり崩れたり皺になった衣装を直したりととてもバタバタしながら慌てて会場へと向かったので、緊張感はどこかへと飛んでいってしまいました。
ただーー。
「……夜は、覚悟しておいてくれ。
もう我慢の限界だ」
と入場直前ジル様に呟かれたことにより、
別種の緊張に見舞われてしまったのはー、2人だけの秘密。
翌日は一日中ベッドの住人と化してしまったとだけ……。
絶望した先にあった、最愛の方との出会い。
既に罪人ではないけれど
私は今もこれから先も、どうしようもない程に
「……愛している、ディー」
「私も…お慕いしております、ジル様」
(この獣人閣下に囚われ続けるのでしょう)
願わくばこの愛が永遠となりますように
そう神へと祈りながら、私は彼に心からの笑みを贈ったーー
《終》
=========================================
これにて本編完結です!
お読み下さった読者の皆様、ここまでお付き合い下さりありがとうございます!
尚、式後の夜(R指定)とソリュー嬢のざまあ話を読みたい!という方のみ、
引き続きの更新をお待ち下さい♪
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