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第二章 帝国編
第1話 百花繚乱は波乱を運ぶ
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※いよいよ新章突入です!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
side:ルード
『『『『『お帰りなさいませ 皇帝陛下!!!!!』』』』』
響き渡った声に、
皇帝であるルード自身が1番驚きに瞠目して固まった。
門を通過し、馬車から降りて皇宮の入り口に一歩入った瞬間目に入ったその光景をなんと表現したらいいだろう。
胸元が大胆に開いた色とりどりの華美でな豪奢なドレス
美しく結い上げられた艶のある髪。
およそ100を数えるほどの着飾った女性達が
入り口の両脇にずらりと列をなして並んで膝を折り頭を下げていた。
『ー……これは一体、なんのつもりだ』
威圧感たっぷりに眇められたルードの視線に、意外ながら怯える者はいない。
皆一様に頭を下げている為だ。
しかし、反応する者がいないわけではなく。
『こ、皇帝陛下、お帰りなさいませ!こ、これは、その……』
入り口脇に立っていた一人の男性。
ギルバート・クロム・キルギス
この国の宰相補佐を務める男だ。
怯えてはいないが何やら戸惑った様子で口を開いた男に、ルードが狙いを定める。
『だらだらと喋るな。
簡潔に分かりやすく、俺の問いに答えろ、ギルバート』
『は……っ。恐れながらこれは、せ、正皇妃様の意向でございまして……!』
『………母上の?』
『は、はい。左様でございます』
はぁぁぁー……と深いため息を盛大に吐くと、額に手をやり床を見つめる。
正皇妃ー…先帝の正統なる妃。
現皇帝が未婚の為かこの帝国にあって未だその権力は人気とともに高く、
またルードの実の母の呼称である。
ルードは自身の母が苦手だ。
自身と同じ髪と目の色の持ち主である彼女は、さりとてもどちらかといえば明るく豪快な性格でまるでルードと似ていない。
それだけであればいいのだが、困るのは彼女の性質そのもの。
治にあっては乱を好み、乱にあっては治を好むを地でいくが如く、
彼女は常に厄介事を引き起こす。
“帝国に巣食う厄災”とでも呼ばれかねないほどに彼女は厄介事に愛され、また愛してもいる為、ルードはいつも巻き込まれては被害を被っているのだ。
その最たるものが後継者争いだったから余計に。
そんな彼女の意向で集められた膨大な数の国の令嬢達、舞踏会並みに着飾った装い。
正直ー…嫌な予感しかしない。
『母上はまた一体何を考えてい』
『帰ったか、我が息子よ!!』
額に青筋を立てて唸る俺の耳に、宣誓を高らかに叫ぶような大声が届く。
下降する機嫌もそのままに顔をあげればそこには、
ドレス姿の件の女性ー、ルードの実母にして帝国先帝の正皇妃のレムリア・イグニス・カロリア・カリスティリアが腕を組んで待ち構えていた。
端正な顔立ち、均整のとれた体つき。
凡そ22にもなる子がいるようには見えない年齢不詳の美女が笑みを浮かべ、
上品な装いを裏切るように仁王立ちをしている様子を目にし、
ルードは自身に舞い込んだ新たな厄介事の気配に再びのため息を吐くのだった。
どうやら自身の帰還には、波乱が起こるらしい。
ルードは連れてきたシェイラの愛らしい顔を思い浮かべ、
同時に目の前の厄災源を睨みつけるのだった。
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次回、シェイラ視点です!
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side:ルード
『『『『『お帰りなさいませ 皇帝陛下!!!!!』』』』』
響き渡った声に、
皇帝であるルード自身が1番驚きに瞠目して固まった。
門を通過し、馬車から降りて皇宮の入り口に一歩入った瞬間目に入ったその光景をなんと表現したらいいだろう。
胸元が大胆に開いた色とりどりの華美でな豪奢なドレス
美しく結い上げられた艶のある髪。
およそ100を数えるほどの着飾った女性達が
入り口の両脇にずらりと列をなして並んで膝を折り頭を下げていた。
『ー……これは一体、なんのつもりだ』
威圧感たっぷりに眇められたルードの視線に、意外ながら怯える者はいない。
皆一様に頭を下げている為だ。
しかし、反応する者がいないわけではなく。
『こ、皇帝陛下、お帰りなさいませ!こ、これは、その……』
入り口脇に立っていた一人の男性。
ギルバート・クロム・キルギス
この国の宰相補佐を務める男だ。
怯えてはいないが何やら戸惑った様子で口を開いた男に、ルードが狙いを定める。
『だらだらと喋るな。
簡潔に分かりやすく、俺の問いに答えろ、ギルバート』
『は……っ。恐れながらこれは、せ、正皇妃様の意向でございまして……!』
『………母上の?』
『は、はい。左様でございます』
はぁぁぁー……と深いため息を盛大に吐くと、額に手をやり床を見つめる。
正皇妃ー…先帝の正統なる妃。
現皇帝が未婚の為かこの帝国にあって未だその権力は人気とともに高く、
またルードの実の母の呼称である。
ルードは自身の母が苦手だ。
自身と同じ髪と目の色の持ち主である彼女は、さりとてもどちらかといえば明るく豪快な性格でまるでルードと似ていない。
それだけであればいいのだが、困るのは彼女の性質そのもの。
治にあっては乱を好み、乱にあっては治を好むを地でいくが如く、
彼女は常に厄介事を引き起こす。
“帝国に巣食う厄災”とでも呼ばれかねないほどに彼女は厄介事に愛され、また愛してもいる為、ルードはいつも巻き込まれては被害を被っているのだ。
その最たるものが後継者争いだったから余計に。
そんな彼女の意向で集められた膨大な数の国の令嬢達、舞踏会並みに着飾った装い。
正直ー…嫌な予感しかしない。
『母上はまた一体何を考えてい』
『帰ったか、我が息子よ!!』
額に青筋を立てて唸る俺の耳に、宣誓を高らかに叫ぶような大声が届く。
下降する機嫌もそのままに顔をあげればそこには、
ドレス姿の件の女性ー、ルードの実母にして帝国先帝の正皇妃のレムリア・イグニス・カロリア・カリスティリアが腕を組んで待ち構えていた。
端正な顔立ち、均整のとれた体つき。
凡そ22にもなる子がいるようには見えない年齢不詳の美女が笑みを浮かべ、
上品な装いを裏切るように仁王立ちをしている様子を目にし、
ルードは自身に舞い込んだ新たな厄介事の気配に再びのため息を吐くのだった。
どうやら自身の帰還には、波乱が起こるらしい。
ルードは連れてきたシェイラの愛らしい顔を思い浮かべ、
同時に目の前の厄災源を睨みつけるのだった。
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次回、シェイラ視点です!
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