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第一章 出会い編
おまけ閑話 あの人達は今②
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※引き続きモブ悪役達の後日談。
不快な気分になりたくない方、興味のない方は回避をお願いします!!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
破落戸の場合
ーレイランドルフ領内 路地裏ー
破落戸「ヒック!…ったくよぉ~、旦那が戻ってこねぇと飯の食いあげだ…。
娼館のお気に入りのキリアちゃんもどっか行っちまったし。
………帰って寝るかぁ」
「ゾルさん」
破落戸「のわッ!誰だ……って、キリアちゃん!?
おうおうどこ行ってたんだよぉ~!娼館辞めちまったのかぁ?
寂しかったんだぜ~?」
キリア「ふふ、ごめんなさい?ちょっと用事で暫く遠くへ行ってたのよ。
ゾルさんは今日はお一人?」
破落戸「おうよ。雇い主は今王都へ行ってるんでなぁ、暇で暇で。
キリアちゃんこそこんなところで何してんだぁ~?」
キリア「別に、偶々通りかかったのよ。
それより…ねぇ、二人きりで飲まない?」
破落戸「っへ?」
キリア「折角戻ってきたんだもの、
仕事に戻る前にもう少し骨休めでもと思ってたんだけど
一人はやっぱり寂しくて。
ゾルさんは特別なお客様だし…
なんなら私の家で二人きりで、ね?」
破落戸「!!(ラッキー!)…へへっ、いいのかぁ~?
娼館を通さなくって……まぁ良いよな!
何せ俺ぁ“特別”なんだろぉ~?」
キリア「……ええ、それはもう」
……………………………………………………………………………
破落戸「…ヒィッック!!
なぁ~キリアちゃん家はまだかぁ?もぉ大分歩いたぞ~」
キリア「………」
破落戸「?キリアちゃ」
キリア「ー…そうね、この辺りでいいわ」
破落戸「なん……っがはッッ!!」
キリア「はぁぁ…やっとここまできたわ。
本当に、長かったわ」
破落戸「ッッて、めぇキリアどういうつもりだっ!?
人のこといきなり刺しやがってタダじゃおかっ…(身体が動かねぇ)!?」
キリア「本当に煩くて臭くて乱暴で最低な男。
でも刃に塗った薬は即効性だから、口も訊けなくなるし
じきに大人しくなるわね。
……ねぇ、私がこの時をどれほど待ちわびていたか。
貴方にわかるかしら?」
破落戸「…っな、ん……」
キリア「わかる筈ないわよね…。
この9年間ずっとずっと待っていたのよ?
…貴方とその雇い主が犯してきた罪を、
それによって苦しめられた人達の無念を晴らす、その時を!
家令のジョンさんも侍女のケイティもローラも
庭師のハンスも料理長のトマスもみんなみんなみんな!!
貴方に、貴方達に奴隷に落とされて散り散りになってしまった!!
…私も含めて数人は逃れたけれども……、あまつさえ。
私の!!敬愛する伯爵家の方々を!!
幼かったお嬢様までをも長年苦しめてきたことの報いは
受けてもらうわ!」
破落戸「ぐあぁ……!!ゆ、許し……」
キリア「許す?許せるはずがないでしょう、この屑野郎。
貴方達を許せる時など、貴方がこの後死んだところでやってきませんよ。
でも安心して頂戴?
拷問なんて酷い事私はしないわ、すぐに殺してあげる。
だってー…これ以上そんな手間をかける価値なんて
貴方にないもの。
だから誰にも看取られる事なく、寂しく死んで頂戴?
…まぁそのまま放っておけば朝には死んでると思うのだけど」
破落戸「あぁあ………や、やめ、……っキ、リ、アぁ」
キリア「それから最期に一つだけ。
私の名前はキリアじゃないわ、ごめんなさい?」
破落戸「ーーー…っ!!!」
ー………ではさようなら屑野郎
貴方が冥府の底まで堕ちて苦しみ続けることを
心から願っているわー…
手にしたナイフから血を滴らせた長い髪の娼婦は艶然と笑い、
その言葉は夜の闇に溶けて消えたー…
……………………………………………………………………………
ー城 衛兵達の話ー
衛兵A「……なぁ聞いたか?地下の話」
衛兵B「あ、ああ。例の二人が入れられているっていう……」
衛兵A「そう。あの二人を牢に入れて以来、
夜な夜な女の悲鳴と笑い声が地下の方から交互に聞こえるんだと」
衛兵B「うわぁ…絶対ヤバいことになってる!!
……でも笑い声って?悲鳴だけじゃなくって?」
衛兵A「それなんだが…、
なんでも夜間見回りの奴の話では悲鳴が聞こえた後
必ず凄く不気味な笑い声が上がるんだと。
それがまた凄く気持ち悪いらしい。
地下では罪人を使って夜な夜な恐ろしい拷問と実験がぁ~……」
衛兵B「うわわわやめてくれよ~!
俺そういうの駄目なんだよ~~!!」
衛兵A「見回り……まわってこないといいな…?」
衛兵B「俺……班長にお願いして来ようかな……」
衛兵C「………俺は聞いてみたいな」
衛兵A・B「「………趣味悪いなお前………」」
彼らが真実を目にする日は果たして………。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
※以上、『おまけ閑話』という名のモブ悪役のざまぁでした!
不快な気分になりたくない方、興味のない方は回避をお願いします!!
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破落戸の場合
ーレイランドルフ領内 路地裏ー
破落戸「ヒック!…ったくよぉ~、旦那が戻ってこねぇと飯の食いあげだ…。
娼館のお気に入りのキリアちゃんもどっか行っちまったし。
………帰って寝るかぁ」
「ゾルさん」
破落戸「のわッ!誰だ……って、キリアちゃん!?
おうおうどこ行ってたんだよぉ~!娼館辞めちまったのかぁ?
寂しかったんだぜ~?」
キリア「ふふ、ごめんなさい?ちょっと用事で暫く遠くへ行ってたのよ。
ゾルさんは今日はお一人?」
破落戸「おうよ。雇い主は今王都へ行ってるんでなぁ、暇で暇で。
キリアちゃんこそこんなところで何してんだぁ~?」
キリア「別に、偶々通りかかったのよ。
それより…ねぇ、二人きりで飲まない?」
破落戸「っへ?」
キリア「折角戻ってきたんだもの、
仕事に戻る前にもう少し骨休めでもと思ってたんだけど
一人はやっぱり寂しくて。
ゾルさんは特別なお客様だし…
なんなら私の家で二人きりで、ね?」
破落戸「!!(ラッキー!)…へへっ、いいのかぁ~?
娼館を通さなくって……まぁ良いよな!
何せ俺ぁ“特別”なんだろぉ~?」
キリア「……ええ、それはもう」
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破落戸「…ヒィッック!!
なぁ~キリアちゃん家はまだかぁ?もぉ大分歩いたぞ~」
キリア「………」
破落戸「?キリアちゃ」
キリア「ー…そうね、この辺りでいいわ」
破落戸「なん……っがはッッ!!」
キリア「はぁぁ…やっとここまできたわ。
本当に、長かったわ」
破落戸「ッッて、めぇキリアどういうつもりだっ!?
人のこといきなり刺しやがってタダじゃおかっ…(身体が動かねぇ)!?」
キリア「本当に煩くて臭くて乱暴で最低な男。
でも刃に塗った薬は即効性だから、口も訊けなくなるし
じきに大人しくなるわね。
……ねぇ、私がこの時をどれほど待ちわびていたか。
貴方にわかるかしら?」
破落戸「…っな、ん……」
キリア「わかる筈ないわよね…。
この9年間ずっとずっと待っていたのよ?
…貴方とその雇い主が犯してきた罪を、
それによって苦しめられた人達の無念を晴らす、その時を!
家令のジョンさんも侍女のケイティもローラも
庭師のハンスも料理長のトマスもみんなみんなみんな!!
貴方に、貴方達に奴隷に落とされて散り散りになってしまった!!
…私も含めて数人は逃れたけれども……、あまつさえ。
私の!!敬愛する伯爵家の方々を!!
幼かったお嬢様までをも長年苦しめてきたことの報いは
受けてもらうわ!」
破落戸「ぐあぁ……!!ゆ、許し……」
キリア「許す?許せるはずがないでしょう、この屑野郎。
貴方達を許せる時など、貴方がこの後死んだところでやってきませんよ。
でも安心して頂戴?
拷問なんて酷い事私はしないわ、すぐに殺してあげる。
だってー…これ以上そんな手間をかける価値なんて
貴方にないもの。
だから誰にも看取られる事なく、寂しく死んで頂戴?
…まぁそのまま放っておけば朝には死んでると思うのだけど」
破落戸「あぁあ………や、やめ、……っキ、リ、アぁ」
キリア「それから最期に一つだけ。
私の名前はキリアじゃないわ、ごめんなさい?」
破落戸「ーーー…っ!!!」
ー………ではさようなら屑野郎
貴方が冥府の底まで堕ちて苦しみ続けることを
心から願っているわー…
手にしたナイフから血を滴らせた長い髪の娼婦は艶然と笑い、
その言葉は夜の闇に溶けて消えたー…
……………………………………………………………………………
ー城 衛兵達の話ー
衛兵A「……なぁ聞いたか?地下の話」
衛兵B「あ、ああ。例の二人が入れられているっていう……」
衛兵A「そう。あの二人を牢に入れて以来、
夜な夜な女の悲鳴と笑い声が地下の方から交互に聞こえるんだと」
衛兵B「うわぁ…絶対ヤバいことになってる!!
……でも笑い声って?悲鳴だけじゃなくって?」
衛兵A「それなんだが…、
なんでも夜間見回りの奴の話では悲鳴が聞こえた後
必ず凄く不気味な笑い声が上がるんだと。
それがまた凄く気持ち悪いらしい。
地下では罪人を使って夜な夜な恐ろしい拷問と実験がぁ~……」
衛兵B「うわわわやめてくれよ~!
俺そういうの駄目なんだよ~~!!」
衛兵A「見回り……まわってこないといいな…?」
衛兵B「俺……班長にお願いして来ようかな……」
衛兵C「………俺は聞いてみたいな」
衛兵A・B「「………趣味悪いなお前………」」
彼らが真実を目にする日は果たして………。
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※以上、『おまけ閑話』という名のモブ悪役のざまぁでした!
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