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第一章 出会い編
第35話 見つけた
しおりを挟む※ルード視点です。
短いっす!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
side:ルード
怯えて縮こませているシェイラに安心するように声をかけると、俺は男の映る反対側の窓を小さくコンコンと叩いて窓を少し開ける。
馬車の横を並行して歩いていた護衛が静かに身を寄せる。
護衛に扮した影だ。
『陛下、ここに』
『反対側を歩く長身の髪を撫でつけた男……確認しろ』
す…と身を引きさりげなく目視すると再び元の場所まで戻ってくる。
『ー……
確認しました。あの男は?』
『例の男だ。シェイラが確認した。
このまま王城まで行くのであれば俺達が入城を果たすまで邪魔しろ。
…そうでなければ、見張れ。逐一奴の行動を報告しろ』
『捕らえなくてよろしいんで?』
『ああ、泳がせておけ。その代わり奴が『大夜会』までにシェイラかレイランドルフ卿に接触・殺害を試みようとした場合、徹底して邪魔しろ。気取られるなよ』
わかったら行け、という俺の言葉に小さく首肯すると、自然に歩行の速度を落とし、人混みに紛れ込んでいく。
影が視界から消え、再び反対側を流し見ると、
丁度奴が暗い路地へと入っていったのが見えた。あの路地の先は貧民街ー…所謂スラムへと繋がっている。まともな格好をしている人間でその場所に平然と足を向ける奴は総じてまともな人間じゃない。
もう奴の姿はないことを告げてもシェイラはそのまま。
相変わらず震えたままの彼女に自身のコートをふわりとかけると、窓の外を見る体で暗く笑う。
(やっと姿を見せてくれたな、ケインとやら。
予想以上にフットワークの軽いらしいお前がこの後どう踊るか……楽しみだな?)
改めて彼女を怯えさせた罪は重いぞ、と
彼が消えていった路地に向けて俺は心の中でうっそりと呟いた。
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