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第一章  出会い編

閑話  side:ルード〜未知との遭遇②〜

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『…おいガド』

『あ、ああ』

『今、聞こえたよな?水の音』

『!ああ!!』


『『………。
  ……………。
  方角は??』』


せーので指差す。


『『あっちだ』』

『『!!!』』


俺とガド、二人の指した方向はピタリと一致した。

これで聞き間違いだなどと、冗談じゃない!とばかりに二人同時に走り出す。
最早実体の見えない獣達の唸り声など気配と一緒にガン無視しながらひた走る二人は鬱蒼とした森が僅かに明るくなってきていることや水の気配が濃くなっていくに連れて目に、身体に、心持ちに力をとりもどしていく。

そうして樹々の合間からキラリと太陽を反射して光る湖面を視界に捉えた時、俺もガドも。訳もなく安堵感に脱力しそうになった。未だ森から抜け出せた訳でもないのに。


俺はガドと顔を見合わせて一度薄く笑い、湖に足を進めようとすると、ガドが肩を叩く。
何だ、と目で問うと、上を指差す。どうやら道中何度か試しては例の如く謎の不思議現象によって失敗に終わった木の上からの偵察を再び試みるようだ。流石に目前の光景までおかしくなることはないだろうということだろう。

俺が小さく頷くや、その大柄な体躯に似合わない軽業師のような身軽さで、音もなくスルスル時を登っていくガド。
(……お前は猿か)
そうツッコミを心中で入れつつも、気がつくとガドが上に上がり切るのを見届けるより早く、樹々の合間から開けた土地へー
小さな湖のあるそこへ、深く考えることも警戒心も働かせないままに、足音荒く一歩を踏み出してしまった。


そこに自分達以外の先住民ならぬ先行到達者(?)がいる可能性も考えず。


であるからの
必然。


「え?」

「は?」


「「………………。」」


何やらボロを着て分厚い本を片手で抱えたボサボサ頭のと正面から遭遇羽目になった。

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