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第6章 コンクール

第10話 スイートルーム1 ユウキ(受け)視点

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「いや…今さら驚いたりしないけどさ
ホント、世の中どうなってんだろうな、って思うよな」

シゲルが実家の執事に手配のすべてを依頼したらしく、ホテルは5つ星で、かつスイートルーム

俺が宿泊していたホテルは、コンクール参加者に安く提供されていたし、ホールにもそこそこ近くて快適ではあったけど
シゲルのホテルは、ホールにさらに近い、というかホールの建物の隣

結局、俺が宿泊しているホテルに寄って、スーツケースに荷物をまとめてチェックアウト
シゲルが宿泊するスイートルームに一緒に滞在することになった

何しろ、グランドピアノまで部屋の中にある

スイートルーム専属だそうなバトラーが、俺のスーツケースを置き
フルーツバスケットやらシャンパンやらの説明をシゲルにしている横で
早速鍵盤の蓋をあけて、音出ししてみる

ヨーロッパ特有の、どこか乾いた音が響き、さすが5つ星ホテル
スイートルームに置かれたグランドピアノも、そこそこよく調整されているようだ

「ここで練習してもいいんだよ?」

バトラーを見送って、テーブルに置かれたミネラルウォーターをグラスに開けながら
シゲルが言う

「いい音だけど、音楽院はグランドピアノが2台あるし
環境はそっちの方がいいから、音楽院で練習するよ
アサヒくんをここに呼びたくないしね」

「この部屋、ピアノを入れているから防音なんだって…
だから深夜でも明け方でも、いつでもユウキが弾きたい時に弾けるよ」

ふわりと、背中から俺を包む込むように抱きしめながら、シゲルが囁く

「…そんな時間に弾かないよ」

ポーンと音の響きを確かめるように、ピアノを鳴らしながら
シゲルの提案に笑う

「今日は?もう夜だけど…」

俺の首元に吸い付きながら耳元で囁かれると、ここ数日忘れていた感覚が一気に戻ってくる

「今日はもう…あっ…あ…」
「溜まってた?ユウキの…もう硬くなってきてる」

腰に巻かれていた手は、俺の前方に回りスラックス越しに俺の形を確かめるように揉み始め
ジーっというファスナーを下ろす音を聞きながら、シャツの上から乳首を弄られ腰が揺れる

「一人でしてなかったの?すごく硬くなってるよ…」
「してなっ…ああっ……」

久々の感覚に、すぐにイッてしまいそうに脳の芯が熱くなる

「シャワー一緒に浴びようか…
さっきトウマに連絡したら、30分くらいで家に着くって言ってたから」

「ん…っ」

「日本にいるトウマに、ユウキが久しぶりのセックスで乱れてるところ
見せつけてあげようよ…

この部屋…防音なんだよ、ユウキ」
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