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第6章 コンクール
第3話 第1次予選 3 トウマ(攻め)視点
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※エロなし
愕然として、慌ててスマホを取った
────なんで、アサヒが…
遠い異国でのコンクール
ライブ演奏をインターネットで聴いて、クラシックのことはよく分からないものの
年末から日本を出発するまで膨大な時間をかけて練習してきた曲が
しっかりと演奏されているのを確認し、ホッとした束の間
画面を通して目に入ってきたのはユウキの元カレ、アサヒの後ろ姿だった
ユウキに電話をしても、演奏後の今出られないだろう
震える指先で、シゲルに電話を掛けるが留守電になる
イタリアとの時差は7時間
現地で午前中の演奏だったから、ちょうど大学の実習が終わり、学生の姿もまばらな学内でスマホで視聴した
ヨシユキに電話したところで、きっと状況は分からない
そもそもバイトしてるかもしれない
シゲルしかない────
アサヒのコンサートにも一緒に行っていたし、今回の国際コンクールの日程もシゲルは把握していた
同行するかと思いきや、断られたと苦笑いしていた姿に正直安堵していた
1月中旬のこの時期、大学の実習でパンパンに予定が詰められていた俺は、とても同行できる状況になかったから
それでも彼の演奏時間はインターネットで確認していたし、今も大学のカフェで時間を作って演奏を見守っていた
まさか演奏後にインタビューがあるとは思っていなかったけど、運よく夜の時間も空いていてインタビューまで見れたと思ったら、このザマだ
何度もシゲルに電話を掛けるが通じない
(…シゲル!お前のことだから、アサヒのこと、気づいてるだろ!!)
埒があかないと、チャットに投げかけた
「ライブ画面にアサヒがいる」
フランスに留学しているはずのアサヒが、なぜイタリアのコンクール会場にいるのか
明らかに、ユウキのためだろう
一体どういうことなのか
わざわざユウキのためにイタリア入りしたということか
同じヨーロッパだ
日本から行くよりは、気軽に行ける距離ではあるだろう
────でも
アサヒが気を利かせてイタリア入りした?
それとも…
ユウキが同行して欲しいと頼んだのだろうか────
既読にならないチャットに苛立ちがつのる
中学生の頃からアサヒに片思いし、高校2年から付き合い、そして別れるまで
同級生として何気なく見ていただけでも
ユウキのアサヒへの想いの強さは理解しているつもりだ
別れて2年経っても、帰国の際のコンサートには足繁く通い
迷いなく『俺の尊敬するピアニスト』と言い放つ
もし、アサヒがユウキとよりを戻したいと思っていたら?
…いや、やめよう
アサヒとも、シゲルとも
ユウキはセックスが理由で別れたんじゃないか
今さら、万が一アサヒがよりを戻したいと言っても
ユウキのカラダを満足させられなければ、付き合いが続くことは考えにくい
心だけじゃ、ダメだと分かっていたからこそ────
握ったままのスマホがようやく待っていた着信を告げる
「…シゲル…インタビューまで見てるよな?」
愕然として、慌ててスマホを取った
────なんで、アサヒが…
遠い異国でのコンクール
ライブ演奏をインターネットで聴いて、クラシックのことはよく分からないものの
年末から日本を出発するまで膨大な時間をかけて練習してきた曲が
しっかりと演奏されているのを確認し、ホッとした束の間
画面を通して目に入ってきたのはユウキの元カレ、アサヒの後ろ姿だった
ユウキに電話をしても、演奏後の今出られないだろう
震える指先で、シゲルに電話を掛けるが留守電になる
イタリアとの時差は7時間
現地で午前中の演奏だったから、ちょうど大学の実習が終わり、学生の姿もまばらな学内でスマホで視聴した
ヨシユキに電話したところで、きっと状況は分からない
そもそもバイトしてるかもしれない
シゲルしかない────
アサヒのコンサートにも一緒に行っていたし、今回の国際コンクールの日程もシゲルは把握していた
同行するかと思いきや、断られたと苦笑いしていた姿に正直安堵していた
1月中旬のこの時期、大学の実習でパンパンに予定が詰められていた俺は、とても同行できる状況になかったから
それでも彼の演奏時間はインターネットで確認していたし、今も大学のカフェで時間を作って演奏を見守っていた
まさか演奏後にインタビューがあるとは思っていなかったけど、運よく夜の時間も空いていてインタビューまで見れたと思ったら、このザマだ
何度もシゲルに電話を掛けるが通じない
(…シゲル!お前のことだから、アサヒのこと、気づいてるだろ!!)
埒があかないと、チャットに投げかけた
「ライブ画面にアサヒがいる」
フランスに留学しているはずのアサヒが、なぜイタリアのコンクール会場にいるのか
明らかに、ユウキのためだろう
一体どういうことなのか
わざわざユウキのためにイタリア入りしたということか
同じヨーロッパだ
日本から行くよりは、気軽に行ける距離ではあるだろう
────でも
アサヒが気を利かせてイタリア入りした?
それとも…
ユウキが同行して欲しいと頼んだのだろうか────
既読にならないチャットに苛立ちがつのる
中学生の頃からアサヒに片思いし、高校2年から付き合い、そして別れるまで
同級生として何気なく見ていただけでも
ユウキのアサヒへの想いの強さは理解しているつもりだ
別れて2年経っても、帰国の際のコンサートには足繁く通い
迷いなく『俺の尊敬するピアニスト』と言い放つ
もし、アサヒがユウキとよりを戻したいと思っていたら?
…いや、やめよう
アサヒとも、シゲルとも
ユウキはセックスが理由で別れたんじゃないか
今さら、万が一アサヒがよりを戻したいと言っても
ユウキのカラダを満足させられなければ、付き合いが続くことは考えにくい
心だけじゃ、ダメだと分かっていたからこそ────
握ったままのスマホがようやく待っていた着信を告げる
「…シゲル…インタビューまで見てるよな?」
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