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第3章 関係の変化
第15話 コンサート後2 ユウキ(受け)視点
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※エロなし
シゲルが言ったとおり、予約していた部屋の方が夜景が綺麗だった
眼下に広がる明かりが煌びやかで、まるでこの一面の大都市の主になった気分
「ワインがあるね」
すべてシゲルに任せていたけど、やっぱりいい部屋を予約していたようだ
ワインもボトルで置かれてある
「ウェルカムドリンクだね
シャンパンだよ
カクテルをルームサービスで頼んでもいいけど、どうする?」
「へ~シャンパンなんだ」
俺もシゲルも20歳になったばかり
そんなにアルコールに詳しいわけじゃない
でも、シゲルは社交界みたいな場にも顔出すようなお坊ちゃまだから
きっと俺より詳しいんだろうな
「飲んでみようか?
開けられるかなぁ…」
シゲルが横にあるオープナーを見ながら、スマホ検索を始める
こんな贅沢な部屋予約して…
女の子がこんなことされたら、絶叫しながら大喜びするんじゃないかな
オープナーを持つ細い指先に目が行く
アサヒくんとは全然違う指先
アサヒくんのあの手に憧れた
5歳も歳が離れているから、出会った時は俺が中学3年でアサヒくんが大学1年
背も高くて、手がとにかく大きくて、指も長くて
あんな深い音がパンと出せるなんてかっこいいって
俺もあんな風にピアノが弾けたら、って思ってた
アサヒくんが出るコンクールは出来る限り応援に行って
終わった後は、一緒にご飯食べにいったりして
二人でコンクールの結果にドキドキしたり…
いつも優しくて、一人っ子の俺のお兄ちゃんみたいな存在が
いつの間にか恋になってた
高校2年の時に、思い切って告白して
ずっとユウキのこと、可愛いと思ってたよって言われた時には
天にも舞い上がる気持ちだった
アサヒくんのあの指先は、もっと綺麗な音色を出せていたはず
ピアニストになりたいんだって、いつも挑戦的なプログラムを組んで
国際コンクールで入賞した時も、ようやくピアニストとしての一歩が踏めるかもって
あの指先で俺の頬に触れキスをした
あの指先が俺の肌をなぞり
そう、確かにあの指先は俺の体を開いた
すべてを彼に捧げ
彼の望むことはすべてしたつもり
────でも、僕が仕立てたカラダなんて言われる筋合いある?
オトコだからって、何言ってもいいんだろうか?
女の子みたいに傷つかない?
そんなことあるワケない
別れた原因は、たしかに俺にある
その理由は、大好きなアサヒくんに言えるはずがなかった
遠距離になるから、を理由にきれいに別れたつもりだ
別れても、憧れの存在でいてほしかった
ただ、きれいな思い出にしておきたかった
「ユウキ、シャンパンだよ」
夜景の映る窓ごしに、シゲルの笑顔が見え
目の前には、細い指先でシャンパングラスを持つシゲルの手
「2年経っても、やっぱりユウキに思われてるアサヒくんが羨ましいな…」
俺にシャンパングラスを持たせ、カランと自分のシャンパングラスと軽く当てる
目の前にある泡立った幾分銀色の飲み物を注ぎ込む
「おいし…」
シャンパンってこんな感じなんだ…
「よかった」
俺の目元に触れ、濡れた部分をそっと拭き取る指先
2年前も同じだった
激しいセックスで、失恋の苦しさを忘れさせてくれたトウマとヨシユキ
俺を優しく抱きしめ、好きになったみたい、と告白して心を癒してくれたシゲル
「そうやって甘やかしたらダメだよ…」
背後で軽いため息が聞こえ、シャンパングラスが取られる
「俺が甘やかしたいだけだからね」
あの別荘の日から、シゲルと数ヶ月付き合った
傷ついた心は癒されたけど、俺の性欲が満たされることはなかった
シゲルに優しく抱かれても満足できず、ツキイチ会は継続され
シゲルの前でトウマやヨシユキに犯されて悦んだ
「だめだよ、俺はシゲルもたくさん傷つけた」
シゲルが言ったとおり、予約していた部屋の方が夜景が綺麗だった
眼下に広がる明かりが煌びやかで、まるでこの一面の大都市の主になった気分
「ワインがあるね」
すべてシゲルに任せていたけど、やっぱりいい部屋を予約していたようだ
ワインもボトルで置かれてある
「ウェルカムドリンクだね
シャンパンだよ
カクテルをルームサービスで頼んでもいいけど、どうする?」
「へ~シャンパンなんだ」
俺もシゲルも20歳になったばかり
そんなにアルコールに詳しいわけじゃない
でも、シゲルは社交界みたいな場にも顔出すようなお坊ちゃまだから
きっと俺より詳しいんだろうな
「飲んでみようか?
開けられるかなぁ…」
シゲルが横にあるオープナーを見ながら、スマホ検索を始める
こんな贅沢な部屋予約して…
女の子がこんなことされたら、絶叫しながら大喜びするんじゃないかな
オープナーを持つ細い指先に目が行く
アサヒくんとは全然違う指先
アサヒくんのあの手に憧れた
5歳も歳が離れているから、出会った時は俺が中学3年でアサヒくんが大学1年
背も高くて、手がとにかく大きくて、指も長くて
あんな深い音がパンと出せるなんてかっこいいって
俺もあんな風にピアノが弾けたら、って思ってた
アサヒくんが出るコンクールは出来る限り応援に行って
終わった後は、一緒にご飯食べにいったりして
二人でコンクールの結果にドキドキしたり…
いつも優しくて、一人っ子の俺のお兄ちゃんみたいな存在が
いつの間にか恋になってた
高校2年の時に、思い切って告白して
ずっとユウキのこと、可愛いと思ってたよって言われた時には
天にも舞い上がる気持ちだった
アサヒくんのあの指先は、もっと綺麗な音色を出せていたはず
ピアニストになりたいんだって、いつも挑戦的なプログラムを組んで
国際コンクールで入賞した時も、ようやくピアニストとしての一歩が踏めるかもって
あの指先で俺の頬に触れキスをした
あの指先が俺の肌をなぞり
そう、確かにあの指先は俺の体を開いた
すべてを彼に捧げ
彼の望むことはすべてしたつもり
────でも、僕が仕立てたカラダなんて言われる筋合いある?
オトコだからって、何言ってもいいんだろうか?
女の子みたいに傷つかない?
そんなことあるワケない
別れた原因は、たしかに俺にある
その理由は、大好きなアサヒくんに言えるはずがなかった
遠距離になるから、を理由にきれいに別れたつもりだ
別れても、憧れの存在でいてほしかった
ただ、きれいな思い出にしておきたかった
「ユウキ、シャンパンだよ」
夜景の映る窓ごしに、シゲルの笑顔が見え
目の前には、細い指先でシャンパングラスを持つシゲルの手
「2年経っても、やっぱりユウキに思われてるアサヒくんが羨ましいな…」
俺にシャンパングラスを持たせ、カランと自分のシャンパングラスと軽く当てる
目の前にある泡立った幾分銀色の飲み物を注ぎ込む
「おいし…」
シャンパンってこんな感じなんだ…
「よかった」
俺の目元に触れ、濡れた部分をそっと拭き取る指先
2年前も同じだった
激しいセックスで、失恋の苦しさを忘れさせてくれたトウマとヨシユキ
俺を優しく抱きしめ、好きになったみたい、と告白して心を癒してくれたシゲル
「そうやって甘やかしたらダメだよ…」
背後で軽いため息が聞こえ、シャンパングラスが取られる
「俺が甘やかしたいだけだからね」
あの別荘の日から、シゲルと数ヶ月付き合った
傷ついた心は癒されたけど、俺の性欲が満たされることはなかった
シゲルに優しく抱かれても満足できず、ツキイチ会は継続され
シゲルの前でトウマやヨシユキに犯されて悦んだ
「だめだよ、俺はシゲルもたくさん傷つけた」
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