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12 狼と狂犬
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夜。
「おい、御主人」
「んー?」
背中に擦り寄って匂いを嗅ぐルプス。そんな彼に体を預けるヴァルカ。…背中に大きなルプスのそれが当たっていることに気付いて、少しだけ困っているようだった。
「…どうしてくれんだ、これ」
ぐりぐりと押し付けられる、大きく、固く、熱を持ったそれは、布越しからでもはっきりと分かる。…発情している。
「発情するにゃ早いっての」
「誰のせいだ誰の」
…仕方ない、どっちが上なのかはっきりさせてやろう。
ヴァルカはルプスの首輪を甘噛みする。
すると、ルプスの身体が力を失ったようにがくん、と座り込む。
「て、めっ」
「御主人がなんたるかを教えとかないとな。お前の体にしっかりと。もっちろん、耐えたらご褒美あげるけどな」
「はっ、負ける、かよ」
ぎらり、と光る瞳は、互いの本能を確認するものだった。
―――――
「ぐーっ、ふーっ、んぐーっ」
手を後ろ手に拘束され、口に棒轡を嵌められ、目は帯で隠され、足に枷をつけられ、あられもせぬ裸身を晒されたルプス。
「すげー…腹筋ばきばきだし、胸筋もあるし、つーか、全身無駄な筋肉ないし、チンポデカいし…最高」
左胸にキスを落とされ、強い鼓動と共に跳ねるルプスの身体。しなやかな肉体にキスを落とすヴァルカ。
「俺だって分かるんだぜ?お前が半獣人だって」
「んぐっ!?」
「匂いとお前の行動で分かるんだよ。お前、俺に欲情しただろ」
「んぐぅ…」
否定せず、ただ轡を噛むルプス。とろりと透明な雫を垂らすペニスの先から、納めるべき鞘を求めて仕方のない心情が推し量れる。
「いいんだぜ?正直になっても」
拘束を解こうと、もがくルプス。くねらせる肉体に、ヴァルカも発情していた。
「あー…ほんとはぶち込まれたいって。万年発情期になってとことん子作りしてお前らのザーメンいっぱい飲み込んで、むしろ俺が奴隷になりたい気分だ」
ルプスの胸に顔を埋め、匂いを嗅いでは頬擦り。ヴァルカの悪趣味な行為は、かえってルプスの欲情を昂ぶらせるばかりだった。
「ふーっ、ふーっ」
「…抱いてくれるよな?ルプス」
「ふぐっ!?」
ヴァルカの身体がルプスの胴体に絡まる。尻尾までもがルプスの股間を覆うように、もふりと絡まる。
「俺と、子作りしようぜ?ルプス」
しかし、ルプスは耐えていた。
この誘惑に負ければ、ルプスはヴァルカの番となり、永遠に抜け出せなくなる。
…だが、ルプスは悩んでいた。
あの時の快楽。今の快楽。これが一生手に入る。ヴァルカという主人を下剋上という名目で快楽の下僕にできる。
それだけじゃない。あの三人を自分の好きなようにできる。
五人で、好きなように生きる。…素晴らしい。
「ルプスぅ…我慢できねぇよぉ…」
「ぐっ…」
「なぁ…しようぜ?」
ルプスの理性の糸が、切れた。
絡まるヴァルカの身体。その中の禁忌に、ルプスは野性の楔を打ち込んだ。
「あっ、あぁぁぁぁぁぁんっ!!」
ヴァルカの少女のような嬌声が部屋に満ちる。
同時に、ルプスの拘束が全て解かれた。
「…繋がってんな、俺ら」
「うん、そう、だなっ、あんっ」
ルプスはヴァルカを押し倒し、一気に奥へと侵入する。
「だめぇっ、そこぉっ…め、雌になるぅっ」
「なれ。なっちまえ。俺の雌になれ」
床の上で抱き合い、そして一気に最奥まで進んだルプス。
「あぉぉぉんっ!」
「はっ…すげぇ、純粋な犬狼族のガキってこんなにいいんだな」
「へへ…さいこーだろ?」
「あぁ、最高の御主人だ」
そのまま最奥の扉は抉じ開けられ、最早戻れなくなった。
「あぁぁぁんっ」
「はっ、ほんものの雌犬だなこりゃ。…まぁ、雄だろうが雌だろうが、俺はてめーと番になった、充分だろ?」
「やぁんっ、だめぇっ、そこぉっ、こどもできちゃぅぅっ」
「いいぜ、ガキ作ろうぜ、御主人」
「あぁんっ!!」
先程の形勢は逆転され、最早主人の尊厳を失ったヴァルカ。
…いや、寧ろ本望だったかもしれない。
だって、最高の雄たちと交尾する日々が送れるのだ。
「あぁぁ、くぅぅんっ」
「…どうしたい?」
「…いっぱい、欲しい」
「なら、たっぷりやるよ、御主人」
胎の奥で互いの快楽が爆発した。
溢れる。溢れる。いっぱい溢れる。
獣としての悦びに体が無意識に跳ねるヴァルカ。
戯れに悦ぶ主人を見て悦ぶルプス。
「…最高だぜ、俺らの御主人は。…な?お前ら」
ルプスは扉の向こうにそう投げかける。
…扉からは、犬狼族の淫靡な香気に当てられた三人の雄が現れた。
「あぁ…みんなぁ」
「御主人…待てはできねぇぞ」
「申し訳ありません。…もう、限界です」
「みんなで、御主人をいっぱい、お世話したいですっ」
ヴァルカは、甘い微笑みを浮かべた。
「じゃぁ、みんな、俺と一緒になろーなっ」
無邪気な微笑みは、四人の狼を目覚めさせるに十分だった。
「おい、御主人」
「んー?」
背中に擦り寄って匂いを嗅ぐルプス。そんな彼に体を預けるヴァルカ。…背中に大きなルプスのそれが当たっていることに気付いて、少しだけ困っているようだった。
「…どうしてくれんだ、これ」
ぐりぐりと押し付けられる、大きく、固く、熱を持ったそれは、布越しからでもはっきりと分かる。…発情している。
「発情するにゃ早いっての」
「誰のせいだ誰の」
…仕方ない、どっちが上なのかはっきりさせてやろう。
ヴァルカはルプスの首輪を甘噛みする。
すると、ルプスの身体が力を失ったようにがくん、と座り込む。
「て、めっ」
「御主人がなんたるかを教えとかないとな。お前の体にしっかりと。もっちろん、耐えたらご褒美あげるけどな」
「はっ、負ける、かよ」
ぎらり、と光る瞳は、互いの本能を確認するものだった。
―――――
「ぐーっ、ふーっ、んぐーっ」
手を後ろ手に拘束され、口に棒轡を嵌められ、目は帯で隠され、足に枷をつけられ、あられもせぬ裸身を晒されたルプス。
「すげー…腹筋ばきばきだし、胸筋もあるし、つーか、全身無駄な筋肉ないし、チンポデカいし…最高」
左胸にキスを落とされ、強い鼓動と共に跳ねるルプスの身体。しなやかな肉体にキスを落とすヴァルカ。
「俺だって分かるんだぜ?お前が半獣人だって」
「んぐっ!?」
「匂いとお前の行動で分かるんだよ。お前、俺に欲情しただろ」
「んぐぅ…」
否定せず、ただ轡を噛むルプス。とろりと透明な雫を垂らすペニスの先から、納めるべき鞘を求めて仕方のない心情が推し量れる。
「いいんだぜ?正直になっても」
拘束を解こうと、もがくルプス。くねらせる肉体に、ヴァルカも発情していた。
「あー…ほんとはぶち込まれたいって。万年発情期になってとことん子作りしてお前らのザーメンいっぱい飲み込んで、むしろ俺が奴隷になりたい気分だ」
ルプスの胸に顔を埋め、匂いを嗅いでは頬擦り。ヴァルカの悪趣味な行為は、かえってルプスの欲情を昂ぶらせるばかりだった。
「ふーっ、ふーっ」
「…抱いてくれるよな?ルプス」
「ふぐっ!?」
ヴァルカの身体がルプスの胴体に絡まる。尻尾までもがルプスの股間を覆うように、もふりと絡まる。
「俺と、子作りしようぜ?ルプス」
しかし、ルプスは耐えていた。
この誘惑に負ければ、ルプスはヴァルカの番となり、永遠に抜け出せなくなる。
…だが、ルプスは悩んでいた。
あの時の快楽。今の快楽。これが一生手に入る。ヴァルカという主人を下剋上という名目で快楽の下僕にできる。
それだけじゃない。あの三人を自分の好きなようにできる。
五人で、好きなように生きる。…素晴らしい。
「ルプスぅ…我慢できねぇよぉ…」
「ぐっ…」
「なぁ…しようぜ?」
ルプスの理性の糸が、切れた。
絡まるヴァルカの身体。その中の禁忌に、ルプスは野性の楔を打ち込んだ。
「あっ、あぁぁぁぁぁぁんっ!!」
ヴァルカの少女のような嬌声が部屋に満ちる。
同時に、ルプスの拘束が全て解かれた。
「…繋がってんな、俺ら」
「うん、そう、だなっ、あんっ」
ルプスはヴァルカを押し倒し、一気に奥へと侵入する。
「だめぇっ、そこぉっ…め、雌になるぅっ」
「なれ。なっちまえ。俺の雌になれ」
床の上で抱き合い、そして一気に最奥まで進んだルプス。
「あぉぉぉんっ!」
「はっ…すげぇ、純粋な犬狼族のガキってこんなにいいんだな」
「へへ…さいこーだろ?」
「あぁ、最高の御主人だ」
そのまま最奥の扉は抉じ開けられ、最早戻れなくなった。
「あぁぁぁんっ」
「はっ、ほんものの雌犬だなこりゃ。…まぁ、雄だろうが雌だろうが、俺はてめーと番になった、充分だろ?」
「やぁんっ、だめぇっ、そこぉっ、こどもできちゃぅぅっ」
「いいぜ、ガキ作ろうぜ、御主人」
「あぁんっ!!」
先程の形勢は逆転され、最早主人の尊厳を失ったヴァルカ。
…いや、寧ろ本望だったかもしれない。
だって、最高の雄たちと交尾する日々が送れるのだ。
「あぁぁ、くぅぅんっ」
「…どうしたい?」
「…いっぱい、欲しい」
「なら、たっぷりやるよ、御主人」
胎の奥で互いの快楽が爆発した。
溢れる。溢れる。いっぱい溢れる。
獣としての悦びに体が無意識に跳ねるヴァルカ。
戯れに悦ぶ主人を見て悦ぶルプス。
「…最高だぜ、俺らの御主人は。…な?お前ら」
ルプスは扉の向こうにそう投げかける。
…扉からは、犬狼族の淫靡な香気に当てられた三人の雄が現れた。
「あぁ…みんなぁ」
「御主人…待てはできねぇぞ」
「申し訳ありません。…もう、限界です」
「みんなで、御主人をいっぱい、お世話したいですっ」
ヴァルカは、甘い微笑みを浮かべた。
「じゃぁ、みんな、俺と一緒になろーなっ」
無邪気な微笑みは、四人の狼を目覚めさせるに十分だった。
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