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7 新拠点確保と…?
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「おいヴァルカ」
酒場のマスターに呼び止められ、ヴァルカはマスターの所に行く。
「どーしたよマスター」
「あんた、最近仲間作ってるとか聞いたんだが、新しい拠点あった方がいいんじゃないか?」
「拠点…最近宿だけじゃ手狭になってきてるけど、空いてて良さそうな拠点ってそもそもないんじゃない?」
拠点。それは仕事場でもあり、自宅でもあり、様々な活動の基盤ともなり得る場所。拠点というのは住宅よりも重要性が高い。
…しかし。その分立地が悪いと不都合が出ることもある。特に研究家なら失敗時の爆発や物質漏洩による健康被害を考えると、迂闊に街中には置けない。冒険者の場合、一点に留まる事が少ないせいで、拠点に対して無頓着な場合が多い。
「いや、実はあるお貴族様が一つ拠点になりそうな屋敷を提供するって話が持ち上がってるんだ。勿論ただで、とはならないみたいだが」
「ふーん?…その屋敷を貰う為の条件になる依頼内容って?」
「媚薬」
…沈黙。
「へっ?」
「媚薬だ。最近奥様とご無沙汰らしくてな。是非とも互いによく効く素晴らしい媚薬が欲しいんだとよ」
「…大体そういうのって依存性高くて乱用したらやばいんだけどなぁ」
「いっそお前の乳でももっtへぶっ!?」
ヴァルカはマスターに掌底を食らわしてやった。まぁ、威力控えめだった為に、ちょっと仰け反る程度で済んだ模様。
「馬鹿。確かに獣人の乳には催淫作用あるとはいえ、個人差がデカすぎるし人間相手だと強すぎて廃人になるわ。あと俺は気に入った奴以外には俺の美味しい美味しいミルクはやらないんでね」
「…はいはい。んで、やるのどうするの」
「んー…取り敢えずある程度用意して試して貰いつつ様子見るかね。幸い材料は俺の優秀な飼い犬たちが集めてきてくれてるし。」
「お前が犬じゃないk」
言い切る前に再び掌底。
「お前、学習しねーなほんと。次はお前をこの場で全裸調教すんぞ」
「悪かったって…いくらなんでもそのケはないしな」
「俺にかかれば禁欲的な野郎でもすぐに雄奴隷だけどなっ」
…重要な為に何度でも言おう。
ヴァルカは男遊び大好きな犬狼族である。
気に入った男は手籠めにしたくて堪らない性分なのである。
節度は守るけど。
「ははっ、笑えねぇなぁ」
「ま、そのでっぷりとしたお腹を引き締めたら考えなくもないかなー」
「ならこのままでいいな。お前にやられたら全部失いそうだ」
「お褒めの言葉ありがとう。んじゃ、それ引き受けるけど期限ある?」
「ないな。でも早めにしないと暴走すんじゃね?」
「ありえそー。んじゃ、早速調合して来るわ」
ハニーミルクを飲んで部屋に戻るヴァルカ。
「…ほんっと、あいつは甘党だなぁ…上も下も」
ほんのり香る獣の匂いに思わず全裸で傅きたくなるような興奮を抑えつつ、マスターは着々と注文を捌いていくのだった。
「…あいつ、ほんとただものじゃねーわ」
興奮した表情で呟く客の言葉に心内で同意しつつ。
―――――
「さーてお前ら。今から調合するから手伝え」
「分かった。何すりゃいい」
「レオルドは今からメモ渡すからそれの採取。カイウスも頼むぞ。ゲオルグは綺麗な水をたんまり持って来てくれ。」
「「「了解」」」
こうして新しい拠点を賭けたヴァルカたちの戦いが始まる。
酒場のマスターに呼び止められ、ヴァルカはマスターの所に行く。
「どーしたよマスター」
「あんた、最近仲間作ってるとか聞いたんだが、新しい拠点あった方がいいんじゃないか?」
「拠点…最近宿だけじゃ手狭になってきてるけど、空いてて良さそうな拠点ってそもそもないんじゃない?」
拠点。それは仕事場でもあり、自宅でもあり、様々な活動の基盤ともなり得る場所。拠点というのは住宅よりも重要性が高い。
…しかし。その分立地が悪いと不都合が出ることもある。特に研究家なら失敗時の爆発や物質漏洩による健康被害を考えると、迂闊に街中には置けない。冒険者の場合、一点に留まる事が少ないせいで、拠点に対して無頓着な場合が多い。
「いや、実はあるお貴族様が一つ拠点になりそうな屋敷を提供するって話が持ち上がってるんだ。勿論ただで、とはならないみたいだが」
「ふーん?…その屋敷を貰う為の条件になる依頼内容って?」
「媚薬」
…沈黙。
「へっ?」
「媚薬だ。最近奥様とご無沙汰らしくてな。是非とも互いによく効く素晴らしい媚薬が欲しいんだとよ」
「…大体そういうのって依存性高くて乱用したらやばいんだけどなぁ」
「いっそお前の乳でももっtへぶっ!?」
ヴァルカはマスターに掌底を食らわしてやった。まぁ、威力控えめだった為に、ちょっと仰け反る程度で済んだ模様。
「馬鹿。確かに獣人の乳には催淫作用あるとはいえ、個人差がデカすぎるし人間相手だと強すぎて廃人になるわ。あと俺は気に入った奴以外には俺の美味しい美味しいミルクはやらないんでね」
「…はいはい。んで、やるのどうするの」
「んー…取り敢えずある程度用意して試して貰いつつ様子見るかね。幸い材料は俺の優秀な飼い犬たちが集めてきてくれてるし。」
「お前が犬じゃないk」
言い切る前に再び掌底。
「お前、学習しねーなほんと。次はお前をこの場で全裸調教すんぞ」
「悪かったって…いくらなんでもそのケはないしな」
「俺にかかれば禁欲的な野郎でもすぐに雄奴隷だけどなっ」
…重要な為に何度でも言おう。
ヴァルカは男遊び大好きな犬狼族である。
気に入った男は手籠めにしたくて堪らない性分なのである。
節度は守るけど。
「ははっ、笑えねぇなぁ」
「ま、そのでっぷりとしたお腹を引き締めたら考えなくもないかなー」
「ならこのままでいいな。お前にやられたら全部失いそうだ」
「お褒めの言葉ありがとう。んじゃ、それ引き受けるけど期限ある?」
「ないな。でも早めにしないと暴走すんじゃね?」
「ありえそー。んじゃ、早速調合して来るわ」
ハニーミルクを飲んで部屋に戻るヴァルカ。
「…ほんっと、あいつは甘党だなぁ…上も下も」
ほんのり香る獣の匂いに思わず全裸で傅きたくなるような興奮を抑えつつ、マスターは着々と注文を捌いていくのだった。
「…あいつ、ほんとただものじゃねーわ」
興奮した表情で呟く客の言葉に心内で同意しつつ。
―――――
「さーてお前ら。今から調合するから手伝え」
「分かった。何すりゃいい」
「レオルドは今からメモ渡すからそれの採取。カイウスも頼むぞ。ゲオルグは綺麗な水をたんまり持って来てくれ。」
「「「了解」」」
こうして新しい拠点を賭けたヴァルカたちの戦いが始まる。
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