狼は野性を貪りたい

Chronosynthesis

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5 獣欲の愛液と鞭

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 獣人。肉体の一部が獣のそれと化した人間に近しい種族。
 それこそ蹄馬族や人魚族のように上半身が人間という者も居れば、犬狼族のように獣の耳と尻尾がついた以外は人間と変わらない者も居る。
 獣人の一番の特徴は、産まれ付きの雌雄同体。大半の獣人は中性的且つ幼い容姿が多く、外見成長のスピードがやや遅い。そして若い外見で寿命死するケースが多い。
 ヴァルカの見た目は筋肉質な人間の少年そのものの姿だった。それでいて耳はぴんと整った三角をしていて、尻尾もふさふさと滑らかでいて野性的な太さをしたもの。

 そして、現在。

「あぁ、ぁぁああぁぁぁんっ」

 今のヴァルカはベッドの上で三人の奴隷とまぐわう獣。
 ご褒美と称してたっぷりと淫らな桃色の蕾を堪能させていたのだ。

 …まずは獣人…ヴァルカのような犬狼族の肉体構造の一部を説明しよう。
 乳首に関しては簡単。雌のように母乳が分泌されるのだ。これには精力増強並びに病気に対する抵抗力が身につく。
 そして性器。肥大したものから分泌される愛液は服用した者の性的興奮を高め、より行為に没頭させられるような効果を持つ。

 …さて、そんな歩く媚薬とも呼べる獣人の体液をたっぷり楽しんでいる奴隷たちの理性機能は麻痺していた。

「御主人…。お慕い申し上げる」

 ゲオルグはヴァルカの心臓の音を堪能しながら、慈しむように口で愛撫していた。無表情そうなその瞳はぎらついている。

「おい、御主人…早く貞操帯外してくれよ…。もう我慢できねぇよ」

 レオルドはヴァルカの母乳を含んだ口でキスをしつつも、右の胸を指で弄んでいた。貞操帯をつけられた男たちの中で一段とはちきれそうになった雄を解放するよう嘆願する。

「気持ちいいですか?…俺、御主人様が欲しくて堪らないです」

 カイウスは陰茎と化したヴァルカの陰核をしゃぶり、愛液を堪能していた。淫乱な犬と化した男はただ、無心にご奉仕しては淫らに喘ぐ主人の表情に恍惚としていた。

 …そして交互に入れ替わると、更に激しく愛液を貪る奴隷たち。

「んはぅぅぅぅぅっ」

 男たちの肉体と匂いにあてられ、主人である筈のヴァルカは尻尾をふさふさと振りながら、愛撫仕返してはキスの雨を受け入れ、愛撫されてを繰り返し、応えていた。
 時々レオルドがヴァルカの貞操帯に手を掛けようとして、止められる。

「だめー。俺の貞操帯は外させませんー」
「んでだよ。ご褒美もっとくれよ」
「…もっと頑張ったら、いいよ?」
「へへ、後悔すんなよ?」

 獣人用の貞操帯。雌としての機能を持つ獣人は男に襲われやすいため、雌を塞ぐための貞操帯をつけている。

 …ところで、日常生活に支障が出ないのか?と思った者が多いと思うが、獣人は性欲制御に優れる種族で、制御中は歩く媚薬にはならない。…だが、一度セックスをし始めると一週間あっても足りないと言わしめる程に楽しむレベルの性欲が溜まってしまうのが難点である。だからこそ発散の場があることは獣人にとってのステータスとなっている。特に優秀な人材が手元にいることは最大の強者としてのステータスでもある。…それこそ仲間だろうと、奴隷だろうと。

「安心しろって。その時が来たら玉の中空っぽになってもやりまくろうなー」

 体の大きな男たちを大型犬を宥めるようによしよしと背中を撫で、抱き締める。

「あ」

 カイウスが声を漏らす。

「どうした?」
「…どうしよう」

 ふと見ると、どくり、と生温かくてどろっとした白濁がベッドを汚していた。

「…カイウス」
「はい」
「イったからお仕置きな」
「…はい」

 鞭百打ちのお仕置きに、カイウスはひたすら甘い悲鳴をあげながら反省していた…のだろうか。横で見ていた二人は、少しだけ羨ましさを覚えながらその様子を見ていた。

「…生殺しかよ」
「仕方ない。俺達は奴隷。御主人の意向は絶対だ」
「ま、その分俺達が養えばいいよな?」
「働きに応じて褒美が貰えるのだからいいだろう」
「だな」

 その後、二人揃ってわざと射精して鞭に打たれることとなった。
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