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4 奴隷の仲は良好なようですよ?
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「ああもう、ほんと何やってんですかヴァルカさん…!!」
「いやほんとごめんて」
「こっちだって仕事溜まってる上に説明を一からするのも大変で寝る暇も惜しいって時に(うんたらかんたら)」
おこられてた。
いやまぁ、二人奴隷買った次の日にまた一人奴隷買うとかどんな馬鹿だよ、という人もいるかもしれない。けど男は安い上に労働力になるし女には無い色気があるから俺にとっては万々歳なんだけどな!!
「はいそこ、物凄い邪念を抱えてないで話をちゃんと聞いて下さい!」
「えー」
「えーもびーもありません!!」
「はーい」
ちぇー。と呟きながら取り敢えずカイウスの登録申請は受理された。後は二人と同じように色々揃えるだけだ。その分のお金は一応俺の稼ぎの中で賄えてるからいいけどね。取り敢えずご飯食べに行こうかな。海老食べたい。
「御主人。おはようございます」
「起きたぜ、御主人。飯はどうする?」
「お、二人共おはよー。取り敢えず今日も採取と狩りな。あとはゴブリン討伐。10体は必要かな」
「分かったぜ」
「御意。…そちらは?」
「新しい仲間だぞー」
「カイウスです。宜しくお願いします。」
「レオルドだ。奴隷同士よろしくな」
「ゲオルグ。…今後とも宜しく頼む」
うん、三人共相性は良さそうだ。これなら喧嘩の心配は殆ど無いかな。…いや、完全に無いと言い切れないから何とも言えない。喧嘩したらお仕置きは確実かな。
「よし、ご飯食べたら仕事行くぞ」
「「「了解(しました)」」」
心の中で俺は獣のような笑みを浮かべる。
ちゃーんと鍛えて仕込んで最高の奴隷にしてやる。誰にも自慢できる、最高の奴隷に。
…いや、心の中で別の言葉が浮かびかけたけど、それは消しておこう。
―――――
「ゴブリン見つけた」
「ざっと15体…目標オーバーしてるけど魔物はわんさか湧くからいいよな」
「御主人。指示を」
「俺が弓撃って先手を打つ。その後の処理はお前らがやれ。撃ち漏らしと横槍は俺が片付けるからゴブリンに集中しろ」
「「「了解(しました)」」」
「じゃ、始めるぜ」
組み立て式の弓でゴブリンの一体の首を狙い撃つ。するとギャアギャアというゴブリンの騒がしい声が響き渡る。そこにレオルド、ゲオルグ、カイウスが突撃していく。俺は周囲の警戒に回る。
すると、喧ましい咆哮が響き渡る。どうやら戦闘と血の気配を嗅ぎつけたブラッドベアが来たようだ。数は…3体。一気にやらないと力勝負では絶望的だ。遠くから貫いた方が賢明だ。こうなれば出し惜しみはせずに貫通性能の高い矢を使おう。素材と魔術により貫通力を高めた矢は値段こそ目が飛び出る程高いが、悠長なことは言ってられない。兎に角倒すのが先決だ。
一体ごとに矢を放つ。まず一体目は足に当たった。これで動きは封じた。二体目は…腹部に直撃したが、動きは止まらない。三体目は腕に当たったようだ。しかしどいつも仕留め損ねた。一旦下がらないと危険だ。
「御主人!助太刀するぞ!」
ゲオルグが駆けつけて来たようだ。
「出来る限り手早く仕留めろ!!」
「応!!」
ゲオルグは刀、と呼ばれる薄く、刃の曲がった、片刃の剣を用いている。本人曰く耐久力ではここいらの剣には劣るが、切れ味は優れているのだとか。事実彼の斬った獲物はほぼ真っ二つ、綺麗に裂かれていた。そして、一体目のブラッドベアが彼の一撃で倒れた。
「おらよ、喰らいなぁ!!」
背後からレオルドの声が聞こえたと思ったら、二体目のブラッドベアの頭に斧が見事に突き刺さった。これは哀れとしか思えない。
「せやぁっ!!」
今度はカイウスの投げ槍が三体目の腹部を貫いた。
…これは、戦闘じゃない。蹂躙だ。獣を狩る獣の蹂躙だ。
「ゴブリンの次は熊肉たぁ今日はついてるな、御主人!」
「おぅ、そうだな」
「よし、解体して持ち帰るか」
「じゃぁ、俺も捌きますよ!」
全員でゴブリンとブラッドベアの解体をする。4人だと早い。凄く早い。あっという間に皮に肉に肝に骨に…と分けて有用なものをある程度持ち帰られるようにできた。
「よし、皆お疲れ様。帰って休むぞ」
「「「了解」」」
…うん、喧嘩とか起こると思ったけど凄く平和だ。良かった良かった。
「御主人って可愛いよな」
「嗚呼」
「御主人様の尻尾…」
「む」
「あれ?ゲオルグさん尻尾気になります?」
「…尻尾のもふもふさと、あのフェロモンは俺達を魅了していると思わないか?」
「「思う(思います)」」
「いやほんとごめんて」
「こっちだって仕事溜まってる上に説明を一からするのも大変で寝る暇も惜しいって時に(うんたらかんたら)」
おこられてた。
いやまぁ、二人奴隷買った次の日にまた一人奴隷買うとかどんな馬鹿だよ、という人もいるかもしれない。けど男は安い上に労働力になるし女には無い色気があるから俺にとっては万々歳なんだけどな!!
「はいそこ、物凄い邪念を抱えてないで話をちゃんと聞いて下さい!」
「えー」
「えーもびーもありません!!」
「はーい」
ちぇー。と呟きながら取り敢えずカイウスの登録申請は受理された。後は二人と同じように色々揃えるだけだ。その分のお金は一応俺の稼ぎの中で賄えてるからいいけどね。取り敢えずご飯食べに行こうかな。海老食べたい。
「御主人。おはようございます」
「起きたぜ、御主人。飯はどうする?」
「お、二人共おはよー。取り敢えず今日も採取と狩りな。あとはゴブリン討伐。10体は必要かな」
「分かったぜ」
「御意。…そちらは?」
「新しい仲間だぞー」
「カイウスです。宜しくお願いします。」
「レオルドだ。奴隷同士よろしくな」
「ゲオルグ。…今後とも宜しく頼む」
うん、三人共相性は良さそうだ。これなら喧嘩の心配は殆ど無いかな。…いや、完全に無いと言い切れないから何とも言えない。喧嘩したらお仕置きは確実かな。
「よし、ご飯食べたら仕事行くぞ」
「「「了解(しました)」」」
心の中で俺は獣のような笑みを浮かべる。
ちゃーんと鍛えて仕込んで最高の奴隷にしてやる。誰にも自慢できる、最高の奴隷に。
…いや、心の中で別の言葉が浮かびかけたけど、それは消しておこう。
―――――
「ゴブリン見つけた」
「ざっと15体…目標オーバーしてるけど魔物はわんさか湧くからいいよな」
「御主人。指示を」
「俺が弓撃って先手を打つ。その後の処理はお前らがやれ。撃ち漏らしと横槍は俺が片付けるからゴブリンに集中しろ」
「「「了解(しました)」」」
「じゃ、始めるぜ」
組み立て式の弓でゴブリンの一体の首を狙い撃つ。するとギャアギャアというゴブリンの騒がしい声が響き渡る。そこにレオルド、ゲオルグ、カイウスが突撃していく。俺は周囲の警戒に回る。
すると、喧ましい咆哮が響き渡る。どうやら戦闘と血の気配を嗅ぎつけたブラッドベアが来たようだ。数は…3体。一気にやらないと力勝負では絶望的だ。遠くから貫いた方が賢明だ。こうなれば出し惜しみはせずに貫通性能の高い矢を使おう。素材と魔術により貫通力を高めた矢は値段こそ目が飛び出る程高いが、悠長なことは言ってられない。兎に角倒すのが先決だ。
一体ごとに矢を放つ。まず一体目は足に当たった。これで動きは封じた。二体目は…腹部に直撃したが、動きは止まらない。三体目は腕に当たったようだ。しかしどいつも仕留め損ねた。一旦下がらないと危険だ。
「御主人!助太刀するぞ!」
ゲオルグが駆けつけて来たようだ。
「出来る限り手早く仕留めろ!!」
「応!!」
ゲオルグは刀、と呼ばれる薄く、刃の曲がった、片刃の剣を用いている。本人曰く耐久力ではここいらの剣には劣るが、切れ味は優れているのだとか。事実彼の斬った獲物はほぼ真っ二つ、綺麗に裂かれていた。そして、一体目のブラッドベアが彼の一撃で倒れた。
「おらよ、喰らいなぁ!!」
背後からレオルドの声が聞こえたと思ったら、二体目のブラッドベアの頭に斧が見事に突き刺さった。これは哀れとしか思えない。
「せやぁっ!!」
今度はカイウスの投げ槍が三体目の腹部を貫いた。
…これは、戦闘じゃない。蹂躙だ。獣を狩る獣の蹂躙だ。
「ゴブリンの次は熊肉たぁ今日はついてるな、御主人!」
「おぅ、そうだな」
「よし、解体して持ち帰るか」
「じゃぁ、俺も捌きますよ!」
全員でゴブリンとブラッドベアの解体をする。4人だと早い。凄く早い。あっという間に皮に肉に肝に骨に…と分けて有用なものをある程度持ち帰られるようにできた。
「よし、皆お疲れ様。帰って休むぞ」
「「「了解」」」
…うん、喧嘩とか起こると思ったけど凄く平和だ。良かった良かった。
「御主人って可愛いよな」
「嗚呼」
「御主人様の尻尾…」
「む」
「あれ?ゲオルグさん尻尾気になります?」
「…尻尾のもふもふさと、あのフェロモンは俺達を魅了していると思わないか?」
「「思う(思います)」」
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