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1 念願の 奴隷を 手に入れたぞ!
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その日、俺は興奮通り越して発情していた。手には鎖、傍らには上半身裸の筋骨隆々な二人の男。
…そう、俺はとうとう奴隷を買ったのだっ!!
―――――
「らっしゃいらっしゃい!!今日も活きのいい奴隷が入荷ってるよ!!」
栄えた街には何処だって闇を孕んでいる。そして栄えていればいる程に奴隷がいて、奴隷商人がいる。実に単純だ。重労働の働き手として買うこともあれば、欲望の捌け口としての肉塊として貪る奴もいる。男も女も関係ない。種族もあまり関係ない。要は金さえあれば手駒を増やせるしその分良い暮らしが出来る。中には使い潰して捨てる奴らもいるが…まぁんなことはどうでもいい。
「よぅおっさん。来てやったぜ。景気良さそうだな」
「おかげでな。ほれ見ろよ。い~い子たちだぜ?」
女は労働力よりも慰安を求められる事が多い。寧ろ慰安の中でその人物の本質を知り、質が良ければ職務を与える、という流れで動く。金があれば代え自体は利く、という思考だろう。
一方男は需要と呼べる需要は、発展途上な国ならともかく、こんな都会ではそこまで需要が無い。闘技場で奴隷剣闘士としての見世物ならいいが、いずれにせよ男はこういう場所では出回らない。
…それにしても、不本意にせよ商人が使う魔道具により、腰をくねらせ、震わせながら甘い声を出し、淫らな拷問から逃れたい…いや、それ以上に絶頂を迎えたいという欲望を含んだ眼差しで女たちはこちらを見ているようだ。
どいつもこいつも匂いが甘ったる過ぎて、発情どころか、鼻が痛い。
「ま、あんたにゃ刺激が強いかぁ?」
笑い飛ばす商人に、俺はにやり、と嗤う。
「一人一人種付けして、商品にならなくしてもいいけど?」
「おいおい、そればかりは勘弁してくれよ。…まぁあんたは不味い果実の方が好みだったもんな」
「今もそうだぜ?あの匂いが堪らないんじゃねぇか。…お前には分からねぇか」
「ガキが一丁前に何言ってんだか。ほれ、来な」
呆れるように首を竦める商人が、重そうな体を起こして地下へと俺を誘う。
…
…
そこは、打ち捨てられたかつての古い牢獄を、奴隷収容施設として利用している場所だった。女は一ヶ所に集めていても何も差し支えは無い奴らが多いが…男はそうもいかない。大体は狂暴で、剛力で、捕獲は困難だ。しかし…性欲の強い男ならば、例えどんなに抗おうと捕獲は容易になる。気力を削ぎ、捕え、調教すればいい感じの奴隷の出来上がりだ。幾らかは弱みを握られてとか、例外はいるだろうけれど、それでも調教して売りやすいようにはする筈だ。
「あんたの好みはいるかい?」
「んー…」
格子越しから次々眺める。中には俺より幼く、細い身体の少年もいるが…綺麗なだけの奴は好みに入らない。そんな奴を仕込んでも楽しくない。
…何度か見ていて、二人に候補を絞った。
一人は本当に狂暴そうな、燃えるように危険な瞳を持つ男。
一人は一切微動だにしていない、巌のような男。
あ、やばい。どっちも俺の好み。しかもどちらも、ズボン越しから雄の証を猛々しく誇張している。筋骨隆々で、顔立ちも相当いい。綺麗さよりも精悍さを重視する俺にとっては最高だ。しかも…匂いも素晴らしい。
「おーい。尻尾がすげー揺れてんぞ?」
「…みぃつけた」
「お、買うかい?中々懐かないぞそいつら。どっちも銀貨50枚。どうだ?」
「そうか…なら、金貨10枚で。後は俺の自由でいいな?」
「へへ、金払いのいい奴は好きだぜ?」
毎度あり、と金を受け取った商人は早速牢獄から二人の男を引き出した。
「手放すんじゃねぇぞ?…まぁ、使えなかったら売ればいいけどなっ」
「生憎。俺はそこまで薄情じゃねぇよ」
「はいはい。んじゃ、鎖どうぞ」
「あいよ。…行くぞ」
鎖を引くと、俺の後ろを従順についてくる。…今日から俺が、ご主人様で…
こっから先はお楽しみだ。
―――――
「おかえりなさ…えっ!?」
「ただいまー。奴隷買い取ったから冒険者登録させてくれ」
「あ、え、はい…分かりましたよヴァルカさん」
ギルド嬢に奴隷の証明書と金を手渡し、登録申請して貰う。
…取り敢えずこいつらには新しい服と防具を用立てるか。武器と食糧も必要だし…
「終わりましたよ。最後に確認します。まず、レオルドさん。」
長い赤髪に黒いメッシュの男が傲岸不遜で凶悪な笑みを浮かべた。…こいつがレオルド。紅い瞳は最早猛獣のそれだ。
「次に、ゲオルグさん。」
短い黒髪に黒い瞳、無数の傷のついた顔は何一つ動かさないまま頷いた。…こいつがゲオルグ。非常に物静かだ。
「では、依頼に関しては私達ギルド管理者が受け答えします。どうぞ宜しくお願いします」
「嗚呼、言っとくが俺の奴隷だからな。手を出すなよ?」
「分かっていますよそれくらい。それで、どうするんですか?彼らと依頼受けに行きますか?」
「こいつらと地道に採取をこなすよ。」
「了解しました。素材についてはいつも通り、品質と量に応じてお支払いします。お気をつけて。」
「あいよ。まぁ先ずは準備するがな。」
そう言って、俺は自分の部屋に奴隷たちを連れて戻る。
…いよいよ、俺は夢の第一歩を踏み出した。
目指せ…雄とのセックス三昧生活!!
…そう、俺はとうとう奴隷を買ったのだっ!!
―――――
「らっしゃいらっしゃい!!今日も活きのいい奴隷が入荷ってるよ!!」
栄えた街には何処だって闇を孕んでいる。そして栄えていればいる程に奴隷がいて、奴隷商人がいる。実に単純だ。重労働の働き手として買うこともあれば、欲望の捌け口としての肉塊として貪る奴もいる。男も女も関係ない。種族もあまり関係ない。要は金さえあれば手駒を増やせるしその分良い暮らしが出来る。中には使い潰して捨てる奴らもいるが…まぁんなことはどうでもいい。
「よぅおっさん。来てやったぜ。景気良さそうだな」
「おかげでな。ほれ見ろよ。い~い子たちだぜ?」
女は労働力よりも慰安を求められる事が多い。寧ろ慰安の中でその人物の本質を知り、質が良ければ職務を与える、という流れで動く。金があれば代え自体は利く、という思考だろう。
一方男は需要と呼べる需要は、発展途上な国ならともかく、こんな都会ではそこまで需要が無い。闘技場で奴隷剣闘士としての見世物ならいいが、いずれにせよ男はこういう場所では出回らない。
…それにしても、不本意にせよ商人が使う魔道具により、腰をくねらせ、震わせながら甘い声を出し、淫らな拷問から逃れたい…いや、それ以上に絶頂を迎えたいという欲望を含んだ眼差しで女たちはこちらを見ているようだ。
どいつもこいつも匂いが甘ったる過ぎて、発情どころか、鼻が痛い。
「ま、あんたにゃ刺激が強いかぁ?」
笑い飛ばす商人に、俺はにやり、と嗤う。
「一人一人種付けして、商品にならなくしてもいいけど?」
「おいおい、そればかりは勘弁してくれよ。…まぁあんたは不味い果実の方が好みだったもんな」
「今もそうだぜ?あの匂いが堪らないんじゃねぇか。…お前には分からねぇか」
「ガキが一丁前に何言ってんだか。ほれ、来な」
呆れるように首を竦める商人が、重そうな体を起こして地下へと俺を誘う。
…
…
そこは、打ち捨てられたかつての古い牢獄を、奴隷収容施設として利用している場所だった。女は一ヶ所に集めていても何も差し支えは無い奴らが多いが…男はそうもいかない。大体は狂暴で、剛力で、捕獲は困難だ。しかし…性欲の強い男ならば、例えどんなに抗おうと捕獲は容易になる。気力を削ぎ、捕え、調教すればいい感じの奴隷の出来上がりだ。幾らかは弱みを握られてとか、例外はいるだろうけれど、それでも調教して売りやすいようにはする筈だ。
「あんたの好みはいるかい?」
「んー…」
格子越しから次々眺める。中には俺より幼く、細い身体の少年もいるが…綺麗なだけの奴は好みに入らない。そんな奴を仕込んでも楽しくない。
…何度か見ていて、二人に候補を絞った。
一人は本当に狂暴そうな、燃えるように危険な瞳を持つ男。
一人は一切微動だにしていない、巌のような男。
あ、やばい。どっちも俺の好み。しかもどちらも、ズボン越しから雄の証を猛々しく誇張している。筋骨隆々で、顔立ちも相当いい。綺麗さよりも精悍さを重視する俺にとっては最高だ。しかも…匂いも素晴らしい。
「おーい。尻尾がすげー揺れてんぞ?」
「…みぃつけた」
「お、買うかい?中々懐かないぞそいつら。どっちも銀貨50枚。どうだ?」
「そうか…なら、金貨10枚で。後は俺の自由でいいな?」
「へへ、金払いのいい奴は好きだぜ?」
毎度あり、と金を受け取った商人は早速牢獄から二人の男を引き出した。
「手放すんじゃねぇぞ?…まぁ、使えなかったら売ればいいけどなっ」
「生憎。俺はそこまで薄情じゃねぇよ」
「はいはい。んじゃ、鎖どうぞ」
「あいよ。…行くぞ」
鎖を引くと、俺の後ろを従順についてくる。…今日から俺が、ご主人様で…
こっから先はお楽しみだ。
―――――
「おかえりなさ…えっ!?」
「ただいまー。奴隷買い取ったから冒険者登録させてくれ」
「あ、え、はい…分かりましたよヴァルカさん」
ギルド嬢に奴隷の証明書と金を手渡し、登録申請して貰う。
…取り敢えずこいつらには新しい服と防具を用立てるか。武器と食糧も必要だし…
「終わりましたよ。最後に確認します。まず、レオルドさん。」
長い赤髪に黒いメッシュの男が傲岸不遜で凶悪な笑みを浮かべた。…こいつがレオルド。紅い瞳は最早猛獣のそれだ。
「次に、ゲオルグさん。」
短い黒髪に黒い瞳、無数の傷のついた顔は何一つ動かさないまま頷いた。…こいつがゲオルグ。非常に物静かだ。
「では、依頼に関しては私達ギルド管理者が受け答えします。どうぞ宜しくお願いします」
「嗚呼、言っとくが俺の奴隷だからな。手を出すなよ?」
「分かっていますよそれくらい。それで、どうするんですか?彼らと依頼受けに行きますか?」
「こいつらと地道に採取をこなすよ。」
「了解しました。素材についてはいつも通り、品質と量に応じてお支払いします。お気をつけて。」
「あいよ。まぁ先ずは準備するがな。」
そう言って、俺は自分の部屋に奴隷たちを連れて戻る。
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