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リーンは風呂から出ると、用意されていた、ふわふわのタオルにくるまった、ふんわりと香る石鹸の匂いが心地いい。柔らかなタオルは、水を弾くリーンの素肌から、水滴を吸い取っていく。
「はぁ、質のいいタオルだなぁ、服も絹かな、高そう」
ほくほくと、着替え終わると、またメイドさん達が押し寄せてきた。
「大賢者様、こちらの休憩室へどうぞ」
さぁさぁと、導かれ、藤で編んだ椅子に座らされ、背後から大きな団扇であおがれ、手には酒をいれたグラスが渡される。
「あの、お酒はちょっと」
「純度の低いものでございます、ほぼ果汁でございます」
「そですか、じゃ、まぁ、ごくっ」
喉越し最高かな、シュワっとした刺激に、甘い熟した香りがパァッと口の中広がって、1口で目をむくほど旨い。
「美味しい」
「我が国の特産品果樹酒でございます」
余りに美味しくて、リーンはすぐ飲み干してしまった。そして、メイドさんは、すかさずまた、果樹酒をコップに注いでくれる。
火照った身体を、団扇で扇がれ、そよそよとした風のなか、ふわふわした心地になって、あれ?これ、酔ってないと思ったときには、いつの間にか歩けなくなっていた。
「あ……酔っちゃ、た」
「ご安心下さい、殿下のお部屋まで、このソルジュがお運びします」
ムキムキの筋肉をした大男が、リーンを抱っこし、余りの安定感に、リーンは、まるで揺り篭のなかで揺られる赤子のように、すぅっと意識を失った。
カチャと、ドアが開く音がして、起きなきゃと思うのに、目蓋が開かない。
硬い腕から、ふんわりとしたソファーへ寝かされた時にはもう、かなり深い眠りの中に落ちていた。
「リーン、もう寝るのか、果樹酒を飲んだのか、しかないな、ソルジュ、リーンをあちらの部屋へ」
「殿下、リーン様と同じベットをお使い下さいませ」
熟練メイドのような、老婆は、ソルジュに、王子のベットを指し、ソルジュは無言でリーンをベットへ寝かせた。アルケルト王子は、眉を寄せた。
「なにを?」
「リーン様と番になられては」
「それはリーンの意識がある時にすることだ」
「何を生ぬるい事をおっしゃっているのですか、リーン様が未来の后になるのは国民の総意です」
「だか、今ではない」
「我が主よ、あなたは国の要であり、その子孫もまた要なのです、高い魔力と知能をもったオメガなど、リーン様以外におりません、こんな好機を逃がすおつもりですか」
年老いたメイドは、アルケルト王子に詰めよった。だが、王子は首をふる。
「リーンの心が伴わないのなら、后にしない」
「何をおっしゃっているのです、この方は貴重なオメガなんですよ」
「オメガだろうと何だろうと、私は心を否定するような事はしない、もう下がれ、そなたの忠義は解るが、これはやりすぎだ、不快であるぞ」
「……申し訳ございません」
年老いたメイドは、悔しげに引き下がった。部屋に残されたアルケルト王子は、リーンを自分のベットから、隣の部屋のベットへと運び、そっと布団をかけた。
「すまぬな、リーン……後宮の者は世継ぎが大事なんだ、俺は、義務があるが、そなたには関係のない事、まぁ、本当にそなたが后になってくれたら、、嬉しいがな」
リーンの髪をなぜ、アルケルト王子は、振りきるように、立ち上がると、足早に部屋からでた。ピンクの部屋には、リーンの甘い匂いが漂っていて、心を大切にしたいのに、思わず手を伸ばしてしまいそうになる。
アルファは、オメガにどうしようもなく惹かれる。一目見た時に、リーンを伴侶にと望んだが、リーンは番に、王后に興味はないと言っていた。記憶がないからと、リーンの心を無下にして良いわけがないのだ。
「はぁ、質のいいタオルだなぁ、服も絹かな、高そう」
ほくほくと、着替え終わると、またメイドさん達が押し寄せてきた。
「大賢者様、こちらの休憩室へどうぞ」
さぁさぁと、導かれ、藤で編んだ椅子に座らされ、背後から大きな団扇であおがれ、手には酒をいれたグラスが渡される。
「あの、お酒はちょっと」
「純度の低いものでございます、ほぼ果汁でございます」
「そですか、じゃ、まぁ、ごくっ」
喉越し最高かな、シュワっとした刺激に、甘い熟した香りがパァッと口の中広がって、1口で目をむくほど旨い。
「美味しい」
「我が国の特産品果樹酒でございます」
余りに美味しくて、リーンはすぐ飲み干してしまった。そして、メイドさんは、すかさずまた、果樹酒をコップに注いでくれる。
火照った身体を、団扇で扇がれ、そよそよとした風のなか、ふわふわした心地になって、あれ?これ、酔ってないと思ったときには、いつの間にか歩けなくなっていた。
「あ……酔っちゃ、た」
「ご安心下さい、殿下のお部屋まで、このソルジュがお運びします」
ムキムキの筋肉をした大男が、リーンを抱っこし、余りの安定感に、リーンは、まるで揺り篭のなかで揺られる赤子のように、すぅっと意識を失った。
カチャと、ドアが開く音がして、起きなきゃと思うのに、目蓋が開かない。
硬い腕から、ふんわりとしたソファーへ寝かされた時にはもう、かなり深い眠りの中に落ちていた。
「リーン、もう寝るのか、果樹酒を飲んだのか、しかないな、ソルジュ、リーンをあちらの部屋へ」
「殿下、リーン様と同じベットをお使い下さいませ」
熟練メイドのような、老婆は、ソルジュに、王子のベットを指し、ソルジュは無言でリーンをベットへ寝かせた。アルケルト王子は、眉を寄せた。
「なにを?」
「リーン様と番になられては」
「それはリーンの意識がある時にすることだ」
「何を生ぬるい事をおっしゃっているのですか、リーン様が未来の后になるのは国民の総意です」
「だか、今ではない」
「我が主よ、あなたは国の要であり、その子孫もまた要なのです、高い魔力と知能をもったオメガなど、リーン様以外におりません、こんな好機を逃がすおつもりですか」
年老いたメイドは、アルケルト王子に詰めよった。だが、王子は首をふる。
「リーンの心が伴わないのなら、后にしない」
「何をおっしゃっているのです、この方は貴重なオメガなんですよ」
「オメガだろうと何だろうと、私は心を否定するような事はしない、もう下がれ、そなたの忠義は解るが、これはやりすぎだ、不快であるぞ」
「……申し訳ございません」
年老いたメイドは、悔しげに引き下がった。部屋に残されたアルケルト王子は、リーンを自分のベットから、隣の部屋のベットへと運び、そっと布団をかけた。
「すまぬな、リーン……後宮の者は世継ぎが大事なんだ、俺は、義務があるが、そなたには関係のない事、まぁ、本当にそなたが后になってくれたら、、嬉しいがな」
リーンの髪をなぜ、アルケルト王子は、振りきるように、立ち上がると、足早に部屋からでた。ピンクの部屋には、リーンの甘い匂いが漂っていて、心を大切にしたいのに、思わず手を伸ばしてしまいそうになる。
アルファは、オメガにどうしようもなく惹かれる。一目見た時に、リーンを伴侶にと望んだが、リーンは番に、王后に興味はないと言っていた。記憶がないからと、リーンの心を無下にして良いわけがないのだ。
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