10 / 10
10
しおりを挟む
俺はいま、説教をしている。目の前には項垂れた獣(狐)。
「いいか、ヨルベール、おれが寝てる時に勝手になめちゃだめ、わかる?」
「キュウ」
可愛らしい声で、でもちょっと不服そうに鳴いたヨルベールに。めっと叱る。
「ヨルベール、喋れるでしょ、昨日、喋ってたでしょ、ちゃんと返事しなさい」
「だってぇ、テオドールさまの精気がとっても美味しそうだったんだもん」
「美味しそうだったんだもんじゃありません、くっそ、可愛いな、負けるな俺、もうしないって約束しなさい」
「だってぇ、僕たちにとって、テオドールさまの精液はご馳走なんだよ、毎日飲みたいくらいに美味しいの」
魔界の概念がオカシイ。なんで、精液がそんなに旨いんだよ。頭が痛くなる。
「美味しくても我慢しなきゃ、もう一緒に寝ない」
「そんなぁ、ひどいよ、テオドールさまぁ」
尻尾がきゅるんと、垂れ下がって、ドタッと、ベットの上に倒れたヨルベールの前足を、握る。ついでにちょっと肉球をニギニギする。うわぁ、ふわふわもちもちだ。
「俺もヨルベールと一緒に寝たいから、我慢できるよね」
「少しもだめなの?」
「少し……も、だめです」
少しならいっかと思いかけて、首をふる。だめだ、絆されたら、絶対こいつ少しで止まらないし。ここは、心を鬼にしないと。
ヨルベールは、しゅんとして、うるうるとした瞳で頷いた。
「わかったよぅ、はぁ、目の前にご馳走があるのに我慢なんて、テオドールさまの鬼畜」
「なんだって!?」
「わかったって、言ったんだよぅ」
「う、ん、解ったなら宜しい」
本当に解ったんだろうか、寝るときは、カインも一緒に寝てもらうか、何か対策をしないと、こいつが甘えてきたら、俺もちょっとグラグラしてしまうかもしれない。なんせ、俺は犬が大好きなんだ、ヨルベールは犬じゃなくて、狐だけど。カワイもんは、可愛い。
「でもね、テオドールさま、ぼく、テオドール様の事だいすきだから、精液が美味しいの、好きじゃなかったら美味しくないんだからね」
「へぇ、そうなんだ、嬉しいんだか悲しいんだか解らんが、まぁ、好きでいてくれてありがとな」
「うん、テオドールさま、だいすき」
「はーー可愛い、可愛いだけなら癒しなのに」
惜しまれるのは、こいつらの食欲というか、性欲だ。どうしてこんなに俺の精液に執着するんだか。そもそも、精液なんか、飲んだことないけど、美味しいの?美味しいわけないよね。
悪魔の味覚と、常識を持ち合わせないで人間界で生活してきたし、これからも慣れることはなさそう。
「魔王って、大変だわ」
もっと、こう、権力とか武力とか、魔法とか、妖力とかで、支配するものだと思ってたから、まさかの種付けと言うなのセックスがメインの仕事とか、なんでだよってなる、これ、俺が革命とか起こしちゃいけないのかな。
これからは13王家の中から、伴侶を1人選ぶとか、いやでも、カインだけでいいんだけど、カインは13王家じゃないから伴侶にもなれないのかな?
そもそも、伴侶って概念がないのか。
しもべが、伴侶みたいなものなのかな、第一しもべって、言ったら、さっきのムキムキの竜王みたいな人引き下がったし。
じゃぁ、しもべを1人しか持たないって言ったら、それなら、ずっとカインだけとここで暮らせるんじゃ。
「ねぇ、ヨルベール、しもべを1人しか持たないって言ったら、だめだと思う?」
「エッ!!ひ、1人しか!?そんなの、だめだよ、最低でも13王家の13人は持たなきゃ」
「でも俺がそうしたいって、決めたら、何とかならないの?」
「そんな、テオドール様が決めたらそりゃ、そうなるかもしれないけど、テオドールさまをめぐって、大戦争になっちゃうよ、テオドール様は争いを好まれるの?」
「いやいや、争いたくないよ」
「じゃぁ、どうやって、1人にするの?1人だけしか契約しなかったら、他の王家の魔族をどうやって支配するの?13王家の其々が強いから皆、牽制しあって、魔界は近郊を保ってるのに」
「はぁ、そんなに、危ういの、なんか、軽い気持ちじゃだめね、もっとよく知ってからじゃないと、そもそも俺、ほんとに魔界のこと何にも解ってないのに、セックスばっかりってのがおかしいんだよな」
カインにいって、とにかく勉強を優先させることにしよう。
「いいか、ヨルベール、おれが寝てる時に勝手になめちゃだめ、わかる?」
「キュウ」
可愛らしい声で、でもちょっと不服そうに鳴いたヨルベールに。めっと叱る。
「ヨルベール、喋れるでしょ、昨日、喋ってたでしょ、ちゃんと返事しなさい」
「だってぇ、テオドールさまの精気がとっても美味しそうだったんだもん」
「美味しそうだったんだもんじゃありません、くっそ、可愛いな、負けるな俺、もうしないって約束しなさい」
「だってぇ、僕たちにとって、テオドールさまの精液はご馳走なんだよ、毎日飲みたいくらいに美味しいの」
魔界の概念がオカシイ。なんで、精液がそんなに旨いんだよ。頭が痛くなる。
「美味しくても我慢しなきゃ、もう一緒に寝ない」
「そんなぁ、ひどいよ、テオドールさまぁ」
尻尾がきゅるんと、垂れ下がって、ドタッと、ベットの上に倒れたヨルベールの前足を、握る。ついでにちょっと肉球をニギニギする。うわぁ、ふわふわもちもちだ。
「俺もヨルベールと一緒に寝たいから、我慢できるよね」
「少しもだめなの?」
「少し……も、だめです」
少しならいっかと思いかけて、首をふる。だめだ、絆されたら、絶対こいつ少しで止まらないし。ここは、心を鬼にしないと。
ヨルベールは、しゅんとして、うるうるとした瞳で頷いた。
「わかったよぅ、はぁ、目の前にご馳走があるのに我慢なんて、テオドールさまの鬼畜」
「なんだって!?」
「わかったって、言ったんだよぅ」
「う、ん、解ったなら宜しい」
本当に解ったんだろうか、寝るときは、カインも一緒に寝てもらうか、何か対策をしないと、こいつが甘えてきたら、俺もちょっとグラグラしてしまうかもしれない。なんせ、俺は犬が大好きなんだ、ヨルベールは犬じゃなくて、狐だけど。カワイもんは、可愛い。
「でもね、テオドールさま、ぼく、テオドール様の事だいすきだから、精液が美味しいの、好きじゃなかったら美味しくないんだからね」
「へぇ、そうなんだ、嬉しいんだか悲しいんだか解らんが、まぁ、好きでいてくれてありがとな」
「うん、テオドールさま、だいすき」
「はーー可愛い、可愛いだけなら癒しなのに」
惜しまれるのは、こいつらの食欲というか、性欲だ。どうしてこんなに俺の精液に執着するんだか。そもそも、精液なんか、飲んだことないけど、美味しいの?美味しいわけないよね。
悪魔の味覚と、常識を持ち合わせないで人間界で生活してきたし、これからも慣れることはなさそう。
「魔王って、大変だわ」
もっと、こう、権力とか武力とか、魔法とか、妖力とかで、支配するものだと思ってたから、まさかの種付けと言うなのセックスがメインの仕事とか、なんでだよってなる、これ、俺が革命とか起こしちゃいけないのかな。
これからは13王家の中から、伴侶を1人選ぶとか、いやでも、カインだけでいいんだけど、カインは13王家じゃないから伴侶にもなれないのかな?
そもそも、伴侶って概念がないのか。
しもべが、伴侶みたいなものなのかな、第一しもべって、言ったら、さっきのムキムキの竜王みたいな人引き下がったし。
じゃぁ、しもべを1人しか持たないって言ったら、それなら、ずっとカインだけとここで暮らせるんじゃ。
「ねぇ、ヨルベール、しもべを1人しか持たないって言ったら、だめだと思う?」
「エッ!!ひ、1人しか!?そんなの、だめだよ、最低でも13王家の13人は持たなきゃ」
「でも俺がそうしたいって、決めたら、何とかならないの?」
「そんな、テオドール様が決めたらそりゃ、そうなるかもしれないけど、テオドールさまをめぐって、大戦争になっちゃうよ、テオドール様は争いを好まれるの?」
「いやいや、争いたくないよ」
「じゃぁ、どうやって、1人にするの?1人だけしか契約しなかったら、他の王家の魔族をどうやって支配するの?13王家の其々が強いから皆、牽制しあって、魔界は近郊を保ってるのに」
「はぁ、そんなに、危ういの、なんか、軽い気持ちじゃだめね、もっとよく知ってからじゃないと、そもそも俺、ほんとに魔界のこと何にも解ってないのに、セックスばっかりってのがおかしいんだよな」
カインにいって、とにかく勉強を優先させることにしよう。
23
お気に入りに追加
64
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
平凡でモブな僕が鬼将軍の番になるまで
月影美空
BL
平凡で人より出来が悪い僕、アリアは病弱で薬代や治療費がかかるため
奴隷商に売られてしまった。奴隷商の檻の中で衰弱していた時御伽噺の中だけだと思っていた、
伝説の存在『精霊』を見ることができるようになる。
精霊の助けを借りて何とか脱出できたアリアは森でスローライフを送り始める。
のはずが、気が付いたら「ガーザスリアン帝国」の鬼将軍と恐れられている
ルーカス・リアンティスの番になっていた話。
運命を変えるために良い子を目指したら、ハイスペ従者に溺愛されました
十夜 篁
BL
初めて会った家族や使用人に『バケモノ』として扱われ、傷ついたユーリ(5歳)は、階段から落ちたことがきっかけで神様に出会った。
そして、神様から教えてもらった未来はとんでもないものだった…。
「えぇ!僕、16歳で死んじゃうの!?
しかも、死ぬまでずっと1人ぼっちだなんて…」
ユーリは神様からもらったチートスキルを活かして未来を変えることを決意!
「いい子になってみんなに愛してもらえるように頑張ります!」
まずユーリは、1番近くにいてくれる従者のアルバートと仲良くなろうとするが…?
「ユーリ様を害する者は、すべて私が排除しましょう」
「うぇ!?は、排除はしなくていいよ!!」
健気に頑張るご主人様に、ハイスペ従者の溺愛が急成長中!?
そんなユーリの周りにはいつの間にか人が集まり…。
《これは、1人ぼっちになった少年が、温かい居場所を見つけ、運命を変えるまでの物語》
もしかして俺の主人は悪役令息?
一花みえる
BL
「ぼく、いいこになるからね!」
10歳の誕生日、いきなりそう言い出した主人、ノア・セシル・キャンベル王子は言葉通りまるで別人に生まれ変わったような「いい子」になった。従者のジョシュアはその変化に喜びつつも、どこか違和感を抱く。
これって最近よく聞く「転生者」?
一方ノアは「ジョシュアと仲良し大作戦」を考えていた。
主人と従者がおかしな方向にそれぞれ頑張る、異世界ほのぼのファンタジーです。
双子攻略が難解すぎてもうやりたくない
はー
BL
※監禁、調教、ストーカーなどの表現があります。
22歳で死んでしまった俺はどうやら乙女ゲームの世界にストーカーとして転生したらしい。
脱ストーカーして少し遠くから傍観していたはずなのにこの双子は何で絡んでくるんだ!!
ストーカーされてた双子×ストーカー辞めたストーカー(転生者)の話
⭐︎登場人物⭐︎
元ストーカーくん(転生者)佐藤翔
主人公 一宮桜
攻略対象1 東雲春馬
攻略対象2 早乙女夏樹
攻略対象3 如月雪成(双子兄)
攻略対象4 如月雪 (双子弟)
元ストーカーくんの兄 佐藤明
悪役の俺だけど性的な目で見られています…(震)
彩ノ華
BL
悪役に転生した主人公が周りから性的な(エロい)目で見られる話
*ゆるゆる更新
*素人作品
*頭空っぽにして楽しんでください
⚠︎︎エロにもちょいエロでも→*をつけます!
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
無効の契約は継続中
おはぎ
BL
魔力を無効化し、魔法が効かないリラ。その特性を買われて、公爵家の三男であり騎士のクラウドのために王都へ。クラウドは気難しい質なのか親しくなろうとしても素っ気ない。まぁいいか、どうせなら王都を楽しもう!細かいことは気にしない、誰とでも気さくに仲良くなれるリラが、知らない内に色んな人を振り回しながら王都での生活を楽しみます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる