25 / 30
25
しおりを挟む
二人の会話の中に自分の名前が出てるの、気になりすぎる。そわそわしてる僕を、昴はじっと見詰めて、手に持っていたスプーンをテーブルに静かに置いた。
「カテリーナが言うには、飛羽の涙の効力が切れたみたい」
「は?なんて?」
「つまり飛羽の涙で一時的に舌が麻痺して味を感じてたみたい」
「なんか僕、毒虫みたいな扱いになってない?え?僕の涙で昴は味が復活するの?なんだそのファンタジーは」
もじっと、昴がなにやら、もじもじして、言いずらそうに、視線を彷徨わせた。
「ど、どうした?」
「飛羽の涙もう1回なめたい」
「は?いやいやいや、そんな急に涙でないよ、無理だ、演技派俳優じゃないんだから」
昴はちょっとがっかりして、いや、がっかりするなよ、無理だろ、急には。カテリーナさんにまたペラペラ喋ってる。
んでまた、意味ありげに僕を見つめるんだよ、だからどうしたって。
「今度はなんだ」
「キスでも良いって」
「ンンンッ、ゲホッゲホッ」
「他の方法もあるけど……」
「いや、今は他の方法聞かなくて良いわ、予想が出来てしまう僕が恐い、まぁ、何にせよ、僕の体液的なのを接種すると味が解るという謎設定なわけだな?」
「謎って程じゃないよ、ツガイの体液は甘く感じるしアルファにとっては麻薬みたいな効果があるんだから」
「えーーっと、敢えて言うが、僕たちはまだツガイじゃないよな?」
「たぶん、架空ツガイかも」
「架空ツガイ!?あ、あれか、架空妊娠みたいな、実際は妊娠してないけど腹が膨らんで来ちゃう的な」
「そういう事だと推測する、そばにずっといた飛羽にどうやら、僕の身体が過剰反応したみたいだ、、他のオメガの人と居てもこんなこと1度も無かったから、心因的な要因が大きいと思う」
「ちょっと昴君、他のオメガの人とってくだり、後で詳しく聞くからな、今はスルーするけど」
若干イラっとしたのは許して欲しい。だって、面白く無いでしょ、他のオメガと一緒に居るってどういう状況だよ。スルーできてないな、ムカムカが止まらなくなってきちゃってるよ。
昴は僕のムカムカを察したのか、真顔でブンブンと頭を振った。
「実験データを取る時に部屋に居るだけだよ、確かに向こうは発情してたかもだけど、僕はフェロモンの影響受けないし」
「ええっ、発情したオメガと部屋に!?襲われまくりじゃねーか」
「いや、流石にこっち来たら、シーツで縛る」
「流石、全国一位だけど、おまえ、それも実験データのためなの?えげつない事されてるなぁ、オメガ恐怖症によくならなかったな」
「一時期なったけど、それももう通り越したから、ただ気の毒に思うだけだよ、仕事とはいえ」
あぁ、まぁ、昴はそういうヤツだよな、発情してるからって誰彼構わずいただきますとはならんか。しかも恋もしたことない、好きにもなったことないのに、いきなり発情オメガと閉じ込められるとか、怖かっただろうに。シーツでくるまれた発情オメガさんには悪いが、シーツがあって良かった。ただ、気になるから一応聞いてみるか。
「仕事……ちなみに、時給は?」
「それ聞いてどうする気?相手が飛羽だったら、僕はラット起こしてるよ、優しくできないよ、止めてよ」
まじであの温厚な昴が、ちょっと怒った口調になってプイッと横を向いてしまった。
「え、おま、ちょっと僕いま、きゅんとしたわ」
「むっ」
昴の顔が多少赤らんでると思うのは、気のせいなのか?あの昴が?いつもシレッと、僕のあれやこれやをペロペロしてもスンて顔してる昴が?ちょっとイケメンの恥ずかし顔かなりのキュンキュンポイントだぞ。あーーからかいたい。しかし、今は大切な話をしてるから我慢しとくか。んとにもう、昴のこと、無性に構い倒したくなる時有るんだよなぁ、なんなのこの感情。はーーむずむずする。
「で、だ、キスしたらまた味が解るかも?と」
「うん」
「そうか、解った……明日にしよう」
「えっ!?今はしないの?」
「今はしません、人前ではしません、僕は逃げないから実験はいつでも出来るけど、人前ではしません」
「カテリーナは、人っていうか……気にしなくても」
ぶつくさ文句を言う昴、ちょっとレアだな。なんだよ、余程僕とキスしたいのか?そんな拗ねた顔されたら絆されちゃうわい。
「よる……しよ」
「うん」
パァァって、聞こえそうなくらい昴の顔が明るくなって、うっ、ま、眩しい。顔良い。たぶん、味がしないであろう、プリンを上機嫌でたべだして、可愛いヤツ。あぁ、僕、もう本当に昴のことかなり好き過ぎて、なんでも可愛く見えちゃうよぉ。
「カテリーナが言うには、飛羽の涙の効力が切れたみたい」
「は?なんて?」
「つまり飛羽の涙で一時的に舌が麻痺して味を感じてたみたい」
「なんか僕、毒虫みたいな扱いになってない?え?僕の涙で昴は味が復活するの?なんだそのファンタジーは」
もじっと、昴がなにやら、もじもじして、言いずらそうに、視線を彷徨わせた。
「ど、どうした?」
「飛羽の涙もう1回なめたい」
「は?いやいやいや、そんな急に涙でないよ、無理だ、演技派俳優じゃないんだから」
昴はちょっとがっかりして、いや、がっかりするなよ、無理だろ、急には。カテリーナさんにまたペラペラ喋ってる。
んでまた、意味ありげに僕を見つめるんだよ、だからどうしたって。
「今度はなんだ」
「キスでも良いって」
「ンンンッ、ゲホッゲホッ」
「他の方法もあるけど……」
「いや、今は他の方法聞かなくて良いわ、予想が出来てしまう僕が恐い、まぁ、何にせよ、僕の体液的なのを接種すると味が解るという謎設定なわけだな?」
「謎って程じゃないよ、ツガイの体液は甘く感じるしアルファにとっては麻薬みたいな効果があるんだから」
「えーーっと、敢えて言うが、僕たちはまだツガイじゃないよな?」
「たぶん、架空ツガイかも」
「架空ツガイ!?あ、あれか、架空妊娠みたいな、実際は妊娠してないけど腹が膨らんで来ちゃう的な」
「そういう事だと推測する、そばにずっといた飛羽にどうやら、僕の身体が過剰反応したみたいだ、、他のオメガの人と居てもこんなこと1度も無かったから、心因的な要因が大きいと思う」
「ちょっと昴君、他のオメガの人とってくだり、後で詳しく聞くからな、今はスルーするけど」
若干イラっとしたのは許して欲しい。だって、面白く無いでしょ、他のオメガと一緒に居るってどういう状況だよ。スルーできてないな、ムカムカが止まらなくなってきちゃってるよ。
昴は僕のムカムカを察したのか、真顔でブンブンと頭を振った。
「実験データを取る時に部屋に居るだけだよ、確かに向こうは発情してたかもだけど、僕はフェロモンの影響受けないし」
「ええっ、発情したオメガと部屋に!?襲われまくりじゃねーか」
「いや、流石にこっち来たら、シーツで縛る」
「流石、全国一位だけど、おまえ、それも実験データのためなの?えげつない事されてるなぁ、オメガ恐怖症によくならなかったな」
「一時期なったけど、それももう通り越したから、ただ気の毒に思うだけだよ、仕事とはいえ」
あぁ、まぁ、昴はそういうヤツだよな、発情してるからって誰彼構わずいただきますとはならんか。しかも恋もしたことない、好きにもなったことないのに、いきなり発情オメガと閉じ込められるとか、怖かっただろうに。シーツでくるまれた発情オメガさんには悪いが、シーツがあって良かった。ただ、気になるから一応聞いてみるか。
「仕事……ちなみに、時給は?」
「それ聞いてどうする気?相手が飛羽だったら、僕はラット起こしてるよ、優しくできないよ、止めてよ」
まじであの温厚な昴が、ちょっと怒った口調になってプイッと横を向いてしまった。
「え、おま、ちょっと僕いま、きゅんとしたわ」
「むっ」
昴の顔が多少赤らんでると思うのは、気のせいなのか?あの昴が?いつもシレッと、僕のあれやこれやをペロペロしてもスンて顔してる昴が?ちょっとイケメンの恥ずかし顔かなりのキュンキュンポイントだぞ。あーーからかいたい。しかし、今は大切な話をしてるから我慢しとくか。んとにもう、昴のこと、無性に構い倒したくなる時有るんだよなぁ、なんなのこの感情。はーーむずむずする。
「で、だ、キスしたらまた味が解るかも?と」
「うん」
「そうか、解った……明日にしよう」
「えっ!?今はしないの?」
「今はしません、人前ではしません、僕は逃げないから実験はいつでも出来るけど、人前ではしません」
「カテリーナは、人っていうか……気にしなくても」
ぶつくさ文句を言う昴、ちょっとレアだな。なんだよ、余程僕とキスしたいのか?そんな拗ねた顔されたら絆されちゃうわい。
「よる……しよ」
「うん」
パァァって、聞こえそうなくらい昴の顔が明るくなって、うっ、ま、眩しい。顔良い。たぶん、味がしないであろう、プリンを上機嫌でたべだして、可愛いヤツ。あぁ、僕、もう本当に昴のことかなり好き過ぎて、なんでも可愛く見えちゃうよぉ。
857
お気に入りに追加
1,320
あなたにおすすめの小説
婚約者は愛を見つけたらしいので、不要になった僕は君にあげる
カシナシ
BL
「アシリス、すまない。婚約を解消してくれ」
そう告げられて、僕は固まった。5歳から13年もの間、婚約者であるキール殿下に尽くしてきた努力は一体何だったのか?
殿下の隣には、可愛らしいオメガの男爵令息がいて……。
サクッとエロ&軽めざまぁ。
全10話+番外編(別視点)数話
本編約二万文字、完結しました。
※HOTランキング最高位6位、頂きました。たくさんの閲覧、ありがとうございます!
※本作の数年後のココルとキールを描いた、
『訳ありオメガは罪の証を愛している』
も公開始めました。読む際は注意書きを良く読んで下さると幸いです!
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
婚約者に会いに行ったらば
龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。
そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。
ショックでその場を逃げ出したミシェルは――
何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。
そこには何やら事件も絡んできて?
傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。
僕はただの平民なのに、やたら敵視されています
カシナシ
BL
僕はド田舎出身の定食屋の息子。貴族の学園に特待生枠で通っている。ちょっと光属性の魔法が使えるだけの平凡で善良な平民だ。
平民の肩身は狭いけれど、だんだん周りにも馴染んできた所。
真面目に勉強をしているだけなのに、何故か公爵令嬢に目をつけられてしまったようでーー?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる