噛み痕をフライパンで焼いてツガイと別れてやりました

夜鳥すぱり

文字の大きさ
上 下
19 / 30

19

しおりを挟む
 僕は今、目の前のアルファに恋をして、ツガイにしてくれ、なんて決死の愛の告白をしたわけだけど、、、びっくりしないで欲しい、僕たち出会ってまだ2日なんだよ。18年も生きてきて、たった2日でこれからの人生の伴侶を決めようってんだ、やけくそじゃないよ。

芸能人とかで、突然結婚する人いるよね、あれだよあれ、僕と昴には出会った瞬間にビビッと来たなんてドラマ性は無かったけれど、話してる内に怒涛の荒波に押し流された感じは正直否めないけど、ただ、何故だろうか、もうこいつ以上のアルファには出会えないんだろなって、直感はあるのよ。上手く説明できないけど、こんなインパクトあるヤツに出会ったの初めてで、なんかもう、これも本能の内なのか、解らないけど……昴のこと、大事にしたい、大事にしなきゃって心がバッタバタ騒ぐんだよ。どう考えても早すぎるよな。先輩への返事でさえ3日後まで焦らしたんだ、2日で告白とかどうかしてるって解ってる、解ってるけど昴の事、なんでかな、すごく好きになってるんだよ。僕って惚れやすいんだろうかね。でも、嘘ついたって意味ないじゃん、はっきり言うよ。

「僕は昴にツガイになって欲しい」

 
掴んでた昴の長い指が、きゅっと丸まって、僕の手を包み込みんで、少し癖っ毛の、ウェーブがかかった前髪がサラッて落ちて、昴は、僕を見詰めるためにうつ向く。身長差あるからね、昴は背が高いんだよ、僕からしたら昴はもはや壁だよ。目の前に胸だもんね。その胸に抱き込まれる、温かい。だから、お前は何でこんなに体温高いんだろね。昴は、僕を抱き締めて、ふふってまた独特の籠った笑いかたするんだ。

「嬉しい、飛羽と、ツガって永遠に一緒に居られるんだね」
「う、うん……永遠は、急に重い、まぁ」
「何でちょっと嫌そうなの?」

「いや、嫌じゃないけど、先の約束ってこえぇじゃん、どんなに約束してもさ、絶対守るヤツなんか」
「僕は絶対守るよ」

昴のこういう、きっぱりハッキリ言うとこ、たまんないな、くっそ、ゾワッとする。そういうとこ好きなんだよ。はは、本当は僕もハッキリ言いたいんだよ、絶対守るよって。約束って守らなきゃ意味ないじゃん。うん、、僕達は似てるのかも。

「僕も」

プルルルル、あぁ、良いところで昴の電話が鳴って。えーーっと、こういう場合、聞こえないふりをして、だな。あ、昴くん、出ようとしてるね。あは、おま、そういうとこやぞ!恋愛初心者めぇーー。大企業の受付じゃないんだから、3ベル以内に取らなくても良いと思うんだ。今、優先度高いのは僕じゃない?まぁ、反射神経良すぎてつい出ちゃったのかな?だとしたら、仕方あるまい。いいよ、待つよ。てか、その着信音、変えない?逆に悪目立ちするよね、こんなイケメンがその着信音は。固定電話ですら今は色んな音楽あるんだぞ。

昴は、パッとスマホを掴み受話器ボタンを押す。この間ホンの3秒くらいだね。スマホの中から女性の声が聞こえる。流石に聞いてはいけないかなと、離れようとしたら、あの、昴くん?なんで僕の腕をそんなガッチリ掴んでるのかな?は、離してくれないと聞こえちゃうんだけど。聞こえて大丈夫な内容?告白して両想いになっていきなり修羅場は勘弁なんだが。ねぇ、全然離してくれないよこの人。意外と力強いな。そういや、意識のない僕を部屋までどうやって連れてきたんだろ?お姫様抱っこだった?ヒーローアルファじゃん。僕の僕だけのヒーロー、頭のなかに好きな歌が流れる僕の着信音も変えようかな。














しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

愛などもう求めない

白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。 「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」 「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」 目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。 本当に自分を愛してくれる人と生きたい。 ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。  ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。 最後まで読んでいただけると嬉しいです。

キミと2回目の恋をしよう

なの
BL
ある日、誤解から恋人とすれ違ってしまった。 彼は俺がいない間に荷物をまとめて出てってしまっていたが、俺はそれに気づかずにいつも通り家に帰ると彼はもうすでにいなかった。どこに行ったのか連絡をしたが連絡が取れなかった。 彼のお母さんから彼が病院に運ばれたと連絡があった。 「どこかに旅行だったの?」 傷だらけのスーツケースが彼の寝ている病室の隅に置いてあって俺はお母さんにその場しのぎの嘘をついた。 彼との誤解を解こうと思っていたのに目が覚めたら彼は今までの全ての記憶を失っていた。これは神さまがくれたチャンスだと思った。 彼の荷物を元通りにして共同生活を再開させたが… 彼の記憶は戻るのか?2人の共同生活の行方は?

からかわれていると思ってたら本気だった?!

雨宮里玖
BL
御曹司カリスマ冷静沈着クール美形高校生×貧乏で平凡な高校生 《あらすじ》 ヒカルに告白をされ、まさか俺なんかを好きになるはずないだろと疑いながらも付き合うことにした。 ある日、「あいつ間に受けてやんの」「身の程知らずだな」とヒカルが友人と話しているところを聞いてしまい、やっぱりからかわれていただけだったと知り、ショックを受ける弦。騙された怒りをヒカルにぶつけて、ヒカルに別れを告げる——。 葛葉ヒカル(18)高校三年生。財閥次男。完璧。カリスマ。 弦(18)高校三年生。父子家庭。貧乏。 葛葉一真(20)財閥長男。爽やかイケメン。

愛しいアルファが擬態をやめたら。

フジミサヤ
BL
「樹を傷物にしたの俺だし。責任とらせて」 「その言い方ヤメロ」  黒川樹の幼馴染みである九條蓮は、『運命の番』に憧れるハイスペック完璧人間のアルファである。蓮の元恋人が原因の事故で、樹は蓮に項を噛まれてしまう。樹は「番になっていないので責任をとる必要はない」と告げるが蓮は納得しない。しかし、樹は蓮に伝えていない秘密を抱えていた。 ◇同級生の幼馴染みがお互いの本性曝すまでの話です。小学生→中学生→高校生→大学生までサクサク進みます。ハッピーエンド。 ◇オメガバースの設定を一応借りてますが、あまりそれっぽい描写はありません。ムーンライトノベルズにも投稿しています。

俺の彼氏は俺の親友の事が好きらしい

15
BL
「だから、もういいよ」 俺とお前の約束。

告白ゲームの攻略対象にされたので面倒くさい奴になって嫌われることにした

雨宮里玖
BL
《あらすじ》 昼休みに乃木は、イケメン三人の話に聞き耳を立てていた。そこで「それぞれが最初にぶつかった奴を口説いて告白する。それで一番早く告白オッケーもらえた奴が勝ち」という告白ゲームをする話を聞いた。 その直後、乃木は三人のうちで一番のモテ男・早坂とぶつかってしまった。 その日の放課後から早坂は乃木にぐいぐい近づいてきて——。 早坂(18)モッテモテのイケメン帰国子女。勉強運動なんでもできる。物静か。 乃木(18)普通の高校三年生。 波田野(17)早坂の友人。 蓑島(17)早坂の友人。 石井(18)乃木の友人。

偽物の僕は本物にはなれない。

15
BL
「僕は君を好きだけど、君は僕じゃない人が好きなんだね」 ネガティブ主人公。最後は分岐ルート有りのハピエン。

処理中です...