15 / 30
15
しおりを挟む
昴の身体が何らかの遺伝子操作をうけていることを聞いて、僕はそれがどういう事なのかたぶん本当の意味では理解してない。だって、遺伝子ってDNAとかたんぱく質とか、セントラルドグマとか……だめだ、頭痛くなってくる、僕は科学が嫌いなんだよ。うう、こんな大切な話をしてくれてるのに理解してないとかすまん、すばる。
僕はとりあえず、ビビり散らしながら昴の背中を、ぽんぽんし続ける事しかできなかった。自分の悩みがちっぽけに思えて、昴の言うところの、人を好きになったことがないという意味が僕なんかよりも、もっとずっと、苦しい辛い事が根底にあるのではと思って、要するに、頭の中パニック。
「昴……話してくれてありがとな、僕なんかに、その、お前の秘密を、人に言ったりしないから、あの、お前のつらさを、たぶん、僕は全然まだ解ってないんだけど、昴の味方だから!!僕は、昴の味方でいるから、だから、えっと、僕なんかが味方でも意味ないかもしんないけど、ちょっとでも役にたつかもだし、アーーー何を言いたいか、上手く言えない、ごめん、慰めたい、お前のこと」
こんなんじゃ、何も昴の役に立ってない、慰めてやりたくても何にも慰めになってない。ごめんな、僕の時はいっぱい慰めてもらったのに。僕は、自分の無力さがこれ程情けなく思ったことがなかったってくらい、情けなくなった。
「お前、可愛そうだよ、可愛そうなんて言われたくないよな、でも可愛そうで、うぐっ、なんか、すげぇやだ」
泣く訳にはいかない、昴がないてないのに。何で僕の目に涙がたまるんだよ。
昴は、すっと、頭を少し離して僕を真っ正面からじっと見つめた。泣いちゃったから、離れたのか?またお前に気を使わせたか?
「飛羽の涙、美味しそうなんだ」
「へ」
昴は、僕に顔を近づけペロッと、僕の目尻をなめた。あ!!またこいつ、な、なめ!!頭の中パニックになってる上に感情までパニックになってる、僕の身体までパニックにしてパニックフィーバー起こしてる時に何してくれとんのじゃ。
「ちょ、ま、おま、ヒャうっ」
ペロッとまたなめられて、今度は抵抗をもがく僕の口もペロっとされた。
「ぅあ、あ、あ」
昴の舌が僕の唇を何度もなめて、これはキスなのか、食われてるのか、味を確認してるのか、え?味感じるんだっけ?とにかくこれは何に属する行為なんだよ。キスだとしたら、下手くそか!もしくは、マニアック過ぎないか。大丈夫なのかよ、昴。
昴をどうにもできなくて、僕は、もう放棄した。好きにしたまえ。好きになめたいだけなめるがいい。それで、お前の役に立つなら。こちとら、本望じゃ。
僕はとりあえず、ビビり散らしながら昴の背中を、ぽんぽんし続ける事しかできなかった。自分の悩みがちっぽけに思えて、昴の言うところの、人を好きになったことがないという意味が僕なんかよりも、もっとずっと、苦しい辛い事が根底にあるのではと思って、要するに、頭の中パニック。
「昴……話してくれてありがとな、僕なんかに、その、お前の秘密を、人に言ったりしないから、あの、お前のつらさを、たぶん、僕は全然まだ解ってないんだけど、昴の味方だから!!僕は、昴の味方でいるから、だから、えっと、僕なんかが味方でも意味ないかもしんないけど、ちょっとでも役にたつかもだし、アーーー何を言いたいか、上手く言えない、ごめん、慰めたい、お前のこと」
こんなんじゃ、何も昴の役に立ってない、慰めてやりたくても何にも慰めになってない。ごめんな、僕の時はいっぱい慰めてもらったのに。僕は、自分の無力さがこれ程情けなく思ったことがなかったってくらい、情けなくなった。
「お前、可愛そうだよ、可愛そうなんて言われたくないよな、でも可愛そうで、うぐっ、なんか、すげぇやだ」
泣く訳にはいかない、昴がないてないのに。何で僕の目に涙がたまるんだよ。
昴は、すっと、頭を少し離して僕を真っ正面からじっと見つめた。泣いちゃったから、離れたのか?またお前に気を使わせたか?
「飛羽の涙、美味しそうなんだ」
「へ」
昴は、僕に顔を近づけペロッと、僕の目尻をなめた。あ!!またこいつ、な、なめ!!頭の中パニックになってる上に感情までパニックになってる、僕の身体までパニックにしてパニックフィーバー起こしてる時に何してくれとんのじゃ。
「ちょ、ま、おま、ヒャうっ」
ペロッとまたなめられて、今度は抵抗をもがく僕の口もペロっとされた。
「ぅあ、あ、あ」
昴の舌が僕の唇を何度もなめて、これはキスなのか、食われてるのか、味を確認してるのか、え?味感じるんだっけ?とにかくこれは何に属する行為なんだよ。キスだとしたら、下手くそか!もしくは、マニアック過ぎないか。大丈夫なのかよ、昴。
昴をどうにもできなくて、僕は、もう放棄した。好きにしたまえ。好きになめたいだけなめるがいい。それで、お前の役に立つなら。こちとら、本望じゃ。
760
お気に入りに追加
1,352
あなたにおすすめの小説

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。


キミと2回目の恋をしよう
なの
BL
ある日、誤解から恋人とすれ違ってしまった。
彼は俺がいない間に荷物をまとめて出てってしまっていたが、俺はそれに気づかずにいつも通り家に帰ると彼はもうすでにいなかった。どこに行ったのか連絡をしたが連絡が取れなかった。
彼のお母さんから彼が病院に運ばれたと連絡があった。
「どこかに旅行だったの?」
傷だらけのスーツケースが彼の寝ている病室の隅に置いてあって俺はお母さんにその場しのぎの嘘をついた。
彼との誤解を解こうと思っていたのに目が覚めたら彼は今までの全ての記憶を失っていた。これは神さまがくれたチャンスだと思った。
彼の荷物を元通りにして共同生活を再開させたが…
彼の記憶は戻るのか?2人の共同生活の行方は?


婚約破棄?しませんよ、そんなもの
おしゃべりマドレーヌ
BL
王太子の卒業パーティーで、王太子・フェリクスと婚約をしていた、侯爵家のアンリは突然「婚約を破棄する」と言い渡される。どうやら真実の愛を見つけたらしいが、それにアンリは「しませんよ、そんなもの」と返す。
アンリと婚約破棄をしないほうが良い理由は山ほどある。
けれどアンリは段々と、そんなメリット・デメリットを考えるよりも、フェリクスが幸せになるほうが良いと考えるようになり……
「………………それなら、こうしましょう。私が、第一王妃になって仕事をこなします。彼女には、第二王妃になって頂いて、貴方は彼女と暮らすのです」
それでフェリクスが幸せになるなら、それが良い。
<嚙み痕で愛を語るシリーズというシリーズで書いていきます/これはスピンオフのような話です>

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる