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なんか暑いな、え?暑い、あついんだが!!パチッと目を覚ますと、目の前が暗い。
あれ?暗いし妙な圧迫感が……あ、抱き締められて寝てたのかぁ。
「せんぱい?」
「違うよ」
「へ?…………あ、ああっ、おま、すばるっ」
何で僕、昴に抱かれて寝てるの、しかも先輩と間違うとか自分を抹殺したい。
「あーーえっと、すまん、どゆ状況これ?」
「とばねが、抱き付いてかたから、抱いてた」
「は?へ、あ、それは、すまん、迷惑、かけて、てかあの、暑いんだが、離し」
「飛羽は好きな人がいるの?」
「は?それは………解んない」
「解らないの?」
「解らなくなって、もう好きって何だったのか解らない、嫌いなら解るのに」
先輩が嫌い、先輩の相手が嫌い、大嫌い。二度と会いたくない、僕に必要ない。でもそれ、反射で僕に返ってくる言葉。僕は嫌われた、大嫌いって思われた、二度と会いたくないって、必要ないって。怖い。僕という人間の何もかもを否定された。
何がいけなかった?全部だめだった?解らない。こんな苦しいなら心なんか無きゃ良いのに。好きになんかならなかったのに。
「好きって何なんだろな」
「それは僕も解らないな」
「あぁ、お前、誰も好きになったことないんだっけ」
「うん」
「そっか、羨ましいって思ったんだよ、いいな、僕もそうなりたい誰のことももう好きになりたくない、怖い、めちゃくちゃ怖い、空っぽになるんだ、今まで一生懸命集めてきたキラキラした思い出が、突然、空っぽに、苦しい、大切にしてたのに、バカみたい、ガラクタだった、全部偽物だった、簡単に捨てられる程度の」
昴がぎゅうと抱き締めてくれた。だから、暑いって言ってるのに。だけど、嬉しい。なぁ、昴、僕のことちょとは大切に思ってくれるのか?こんなツガイに嫌われたオメガなんかに。お前は優しいから、きっと、ずっと優しくしてくれるよな。それだけでいい。他になんもいらないから、優しくしてよ。そばにいてよ。そしたら、僕の持ってるもの全部あげるからさ。どうか嫌わないで。もう、誰にも嫌われたくないんだ。
だってさ、ついさっき、一番好きだった人から嫌われたんだから。
記憶消せたら良いのにね、そういう薬ないのかな、昴が将来お医者さんになるなら、僕にそういう薬ちょうだい。お金払うから。心の中から消してしまいたい人を消せたら良いな。そしたら、皆幸せじゃん、僕も無駄に人を憎まずにすむじゃん。疲れるんだよ、憎むって。悪い気持ちをずっと溜めてるのって、清々しくないじゃん。
清々しく生きたいんだよ。青空の中、顔を上げて、伸びをして、良い1日になりそって思って、鼻歌歌って、困ってる人がいたら助けて、元気がないやつがいたら背中を叩いて、手をひっぱって、明るい所へ連れてく、そういう風に生きたいじゃん。もう、無理なのかな。
あれ?暗いし妙な圧迫感が……あ、抱き締められて寝てたのかぁ。
「せんぱい?」
「違うよ」
「へ?…………あ、ああっ、おま、すばるっ」
何で僕、昴に抱かれて寝てるの、しかも先輩と間違うとか自分を抹殺したい。
「あーーえっと、すまん、どゆ状況これ?」
「とばねが、抱き付いてかたから、抱いてた」
「は?へ、あ、それは、すまん、迷惑、かけて、てかあの、暑いんだが、離し」
「飛羽は好きな人がいるの?」
「は?それは………解んない」
「解らないの?」
「解らなくなって、もう好きって何だったのか解らない、嫌いなら解るのに」
先輩が嫌い、先輩の相手が嫌い、大嫌い。二度と会いたくない、僕に必要ない。でもそれ、反射で僕に返ってくる言葉。僕は嫌われた、大嫌いって思われた、二度と会いたくないって、必要ないって。怖い。僕という人間の何もかもを否定された。
何がいけなかった?全部だめだった?解らない。こんな苦しいなら心なんか無きゃ良いのに。好きになんかならなかったのに。
「好きって何なんだろな」
「それは僕も解らないな」
「あぁ、お前、誰も好きになったことないんだっけ」
「うん」
「そっか、羨ましいって思ったんだよ、いいな、僕もそうなりたい誰のことももう好きになりたくない、怖い、めちゃくちゃ怖い、空っぽになるんだ、今まで一生懸命集めてきたキラキラした思い出が、突然、空っぽに、苦しい、大切にしてたのに、バカみたい、ガラクタだった、全部偽物だった、簡単に捨てられる程度の」
昴がぎゅうと抱き締めてくれた。だから、暑いって言ってるのに。だけど、嬉しい。なぁ、昴、僕のことちょとは大切に思ってくれるのか?こんなツガイに嫌われたオメガなんかに。お前は優しいから、きっと、ずっと優しくしてくれるよな。それだけでいい。他になんもいらないから、優しくしてよ。そばにいてよ。そしたら、僕の持ってるもの全部あげるからさ。どうか嫌わないで。もう、誰にも嫌われたくないんだ。
だってさ、ついさっき、一番好きだった人から嫌われたんだから。
記憶消せたら良いのにね、そういう薬ないのかな、昴が将来お医者さんになるなら、僕にそういう薬ちょうだい。お金払うから。心の中から消してしまいたい人を消せたら良いな。そしたら、皆幸せじゃん、僕も無駄に人を憎まずにすむじゃん。疲れるんだよ、憎むって。悪い気持ちをずっと溜めてるのって、清々しくないじゃん。
清々しく生きたいんだよ。青空の中、顔を上げて、伸びをして、良い1日になりそって思って、鼻歌歌って、困ってる人がいたら助けて、元気がないやつがいたら背中を叩いて、手をひっぱって、明るい所へ連れてく、そういう風に生きたいじゃん。もう、無理なのかな。
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