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強いなんて言われたこと無い、飛羽(とばね)は弱くて可愛いから俺が守ってあげるねって、だいたいのアルファはそう言うし。でもまって、僕、そういえばさっき、学園の頂点みたいだったアルファを、ちびらせて、別れを告げてこなかった?
《あれ?僕、本当に弱い?晴海先輩に、ダサとか捨て台詞吐いてこなかったっけ、弱いヤツにそんなことできる?》
「アーーーうん、ま、まぁ、僕、強いかもね、さっきも、実はさ、バスケ部のエースだった人にダサいとか言っちゃったし?よ、弱くはないか、可愛げもないけど」
「飛羽は可愛いよ」
しれっとした顔で、昴は人に可愛いなんて言うんだから。
「ファッ!?可愛いと強いは同居しないだろ、反対語だろ」
「反対語って……ふふっ、可愛い」
「なっ、なん、なにを」
真っ赤になってしまって、悔しくて昴を睨むけど、ちっとも怯まないじゃないか。なんなんだよ、こいつ。
「お前、あんまり、いくら僕が可愛いからって、その気も無いのに言ったらだめなんだぞ」
「その気か、うーん、なんか喋ってるうちに段々、飛羽のこと愛着沸いてきたな、妙に可愛いいし、困ったね、どうしようか」
どうしようかって、何だよ、どうするんだよ、はっきりしろよ、アルファだろ。ここは、年上の僕が決めないとか!?
「よし、解った、昴は僕と付き合おう、悪いようにはしない、もし本当に他に好きな人ができたら、後腐れなく別れてやるし、、、でも、そういう時は、ちゃんと、その、二股とかかけるまえに言わないとだめだかんな、昴は大丈夫だと思うけど、ほら、心が違う人を求めても、僕が美少年だからもったいなくてずるずるしちゃうって有りがちというか、でもさ、そういうの、僕に対して失礼だろ、失礼だと思わない?そんなことも配慮できない、くら、い、僕が、嫌いだったの、かな、好きって、あっちが先に言ったのに」
あ、やばい、何か変なこと喋ってる、ちがう、昴に晴海先輩の愚痴を言いたいんじゃなくて、僕が付き合ったらどんなに有意義かを言いたいのに。
「ちがっ、ごめ、ウッ、ウァ」
どうして涙なんか出てくるんだ、そんな場面じゃなかったのに、違うぞ、昴、ちょっと待ってくれ、いま、気持ちを整理するから。
涙を必死でふいてたら、昴がそっと、その長い指で僕の涙をすくいとってくれた。昴の指に水滴がつく。
「あ、ごめ、汚な…」
「汚なくないよ、綺麗な涙、飛羽の瞳から出た涙だから」
昴はそういうと、ペロッと指先についた水滴をなめた。
「あっ、なっ、なにして」
「おいし」
こいつ、俺の涙を舐めた!!あまりの衝撃でうごけなくなる。顔に血がたまっていく。怒りとも恥ずかしさとも違う、本当にただ、驚いてしまって。咄嗟にその指を掴んだ。
「ばかっ、なめるな」
「だって、綺麗だったから、おいしいかなって、飛羽の味」
「ファぁっ!?」
え、何こいつ、エロくない!?は?味とか、なに!?掴んでる指がくいっと動いて、逆に昴に手を掴まれた。しまった、動けない。急に空気が切り替わったような気がした。ぞわぞわと、背筋が波立つような、そんな空気。こいつは、危険だと、本能が叫び出す。
「あの、昴、は、離そうか」
「なんで?飛羽、僕と付き合ってくれるんでしょ?」
「そうなんだ……けどさ、え?付き合うの?」
ぎょっとして、昴を見ると、昴は少しだけ意外そうな顔をした。
「飛羽が言ったんじゃないか、ダメなの?」
「ダメじゃないよ、全然、ダメじゃない、えっと、あの、でも、さっき」
お前、さっき、僕には性的興奮しないって言わなかったっけ?おどおどと、キョドった態度を取ってしまう自分に腹が立つ。
《あれ?僕、本当に弱い?晴海先輩に、ダサとか捨て台詞吐いてこなかったっけ、弱いヤツにそんなことできる?》
「アーーーうん、ま、まぁ、僕、強いかもね、さっきも、実はさ、バスケ部のエースだった人にダサいとか言っちゃったし?よ、弱くはないか、可愛げもないけど」
「飛羽は可愛いよ」
しれっとした顔で、昴は人に可愛いなんて言うんだから。
「ファッ!?可愛いと強いは同居しないだろ、反対語だろ」
「反対語って……ふふっ、可愛い」
「なっ、なん、なにを」
真っ赤になってしまって、悔しくて昴を睨むけど、ちっとも怯まないじゃないか。なんなんだよ、こいつ。
「お前、あんまり、いくら僕が可愛いからって、その気も無いのに言ったらだめなんだぞ」
「その気か、うーん、なんか喋ってるうちに段々、飛羽のこと愛着沸いてきたな、妙に可愛いいし、困ったね、どうしようか」
どうしようかって、何だよ、どうするんだよ、はっきりしろよ、アルファだろ。ここは、年上の僕が決めないとか!?
「よし、解った、昴は僕と付き合おう、悪いようにはしない、もし本当に他に好きな人ができたら、後腐れなく別れてやるし、、、でも、そういう時は、ちゃんと、その、二股とかかけるまえに言わないとだめだかんな、昴は大丈夫だと思うけど、ほら、心が違う人を求めても、僕が美少年だからもったいなくてずるずるしちゃうって有りがちというか、でもさ、そういうの、僕に対して失礼だろ、失礼だと思わない?そんなことも配慮できない、くら、い、僕が、嫌いだったの、かな、好きって、あっちが先に言ったのに」
あ、やばい、何か変なこと喋ってる、ちがう、昴に晴海先輩の愚痴を言いたいんじゃなくて、僕が付き合ったらどんなに有意義かを言いたいのに。
「ちがっ、ごめ、ウッ、ウァ」
どうして涙なんか出てくるんだ、そんな場面じゃなかったのに、違うぞ、昴、ちょっと待ってくれ、いま、気持ちを整理するから。
涙を必死でふいてたら、昴がそっと、その長い指で僕の涙をすくいとってくれた。昴の指に水滴がつく。
「あ、ごめ、汚な…」
「汚なくないよ、綺麗な涙、飛羽の瞳から出た涙だから」
昴はそういうと、ペロッと指先についた水滴をなめた。
「あっ、なっ、なにして」
「おいし」
こいつ、俺の涙を舐めた!!あまりの衝撃でうごけなくなる。顔に血がたまっていく。怒りとも恥ずかしさとも違う、本当にただ、驚いてしまって。咄嗟にその指を掴んだ。
「ばかっ、なめるな」
「だって、綺麗だったから、おいしいかなって、飛羽の味」
「ファぁっ!?」
え、何こいつ、エロくない!?は?味とか、なに!?掴んでる指がくいっと動いて、逆に昴に手を掴まれた。しまった、動けない。急に空気が切り替わったような気がした。ぞわぞわと、背筋が波立つような、そんな空気。こいつは、危険だと、本能が叫び出す。
「あの、昴、は、離そうか」
「なんで?飛羽、僕と付き合ってくれるんでしょ?」
「そうなんだ……けどさ、え?付き合うの?」
ぎょっとして、昴を見ると、昴は少しだけ意外そうな顔をした。
「飛羽が言ったんじゃないか、ダメなの?」
「ダメじゃないよ、全然、ダメじゃない、えっと、あの、でも、さっき」
お前、さっき、僕には性的興奮しないって言わなかったっけ?おどおどと、キョドった態度を取ってしまう自分に腹が立つ。
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