プレゼント・タイム

床田とこ

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【7+7−7】

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 二人で公園の入り口まで戻り、自動販売機で飲み物を買った。
 先に私が缶入りの麦茶を買い、続いて蓮太がスポーツドリンクのボタンを押した時、電光掲示のスロットくじが「777」を示し、能天気な音楽とともに『あたり』を表した。

「わ! 当たっちまった! どうしよう!」

 取り乱した蓮太は、焦って同じスポーツドリングのボタンを押してしまう。
 
「焦っちまった……同じもの買ってどうすんだよ、俺」
 
 苦笑いもそんなに悔やんでは見えない。
 蓮太は昔からこういうところがあると思う。勉強も運動も出来て、とっても優しいけれど、どこか抜けてる。

 前に自分のことを「俺はナチュラルに天然な男」と言っていて、平気でこんな二重表現を使っちゃうような、そんな奴。

「これから運が向いてくる前触れかもな。スリーセブンなんて、何万分の一の確率なんだって話だよなマジで」
「そんなわけないじゃん」
「え? 何が? だって数字まわってたぞ?」

 真顔で私に聞いてくる。学年3位の秀才の顔には見えない。

「蓮太、あれデジタル数字だよ? 内部の機械が数字を表示してるから、業者が確率を自由に決められるから……」
「そうなの?」
「そうなの。大体自販機で当たる確率って2%くらいって言われてるから、50回に1回くらいは当たるんだよ」
「知らなかった……俺、人生で初めて当たったかも。何百本も買ってて初めてだったのになあ」

 途方に暮れる蓮太もかわいいが、私はそれを置き去りにしてブランコに先に戻った。



 ◇



「とりあえず、テストお疲れ」
「蓮太も、お疲れさまでした」

 ブランコに並んで座って、缶飲料で乾杯する。蓮太が半分くらいゴクゴクと喉を鳴らすのを見てから、私はひと口お茶を含む。

 少し口に入れて、缶を離してからちょっと上を向いて唇を開けた。
 深呼吸みたいな、そんな軽いものではダメだ。私は決意を液体に混ぜ、そのまま体内に流し込んだ。魂が胸を通り、お腹まで落ちてきた。

 私はこれから、検証を始める。
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