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【7+7−7】
②
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放課後。
今日から部活が再開する蓮太とは下校時間が合わないから、夜に家の近くの公園で待ち合わせをしようと誘った。
蓮太からは「夜になっちゃうと危ないから、どちらかの家で」と提案されたが、それは断った。
親の目も耳も無く、『逃げ場』を残すには外の方がいいと思ったからだ。
学校が終わって、私は公園に直行する。家に帰って着替えてからとも考えたが、何となくそんな気にはなれなかった。
この検証を実行するには、余計な感情やノスタルジーは入れない方がいいと思ったし、極力自分の心の波立ちを鎮める時間が欲しかった。
夕方の公園は空気が生ぬるくて、首筋にしっとり汗をかいた。日中よりも暑いと感じるのは、自分の中からじわっと染み出る葛藤のような気もする。
傾いて隠れようとする太陽を正面に見据え、私は睨んだ。
これ以上、私を照らすな。
透けて見えてしまうと、私はこの検証を完遂できない。
沈め。
隠れろ。
いなくなれ。
怯んだ夕陽は、幾分昨日より早く山陰に沈んだかもしれない。
◇
夜7時。
蓮太が息を切らせて公園に飛び込んできた。
走りながら、ブランコに座る私の姿を捉えたようで、真っすぐにこちらに駆けてくる。
「急がなくていいのに」
「そんな訳には……いかない……だろ。ひとりじゃ危ねえよ」
隣りのブランコをすすめるが、蓮太は軽く首を振って膝に手をつき息を整えた。数十秒で笑顔を見せると、「おまたせ。遅くなった」と私に言った。
「すごい汗だね。何か飲もうか」
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