プレゼント・タイム

床田とこ

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【7+7−7】

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 ◇



 放課後。

 今日から部活が再開する蓮太とは下校時間が合わないから、夜に家の近くの公園で待ち合わせをしようと誘った。

 蓮太からは「夜になっちゃうと危ないから、どちらかの家で」と提案されたが、それは断った。
 親の目も耳も無く、『逃げ場』を残すには外の方がいいと思ったからだ。

 学校が終わって、私は公園に直行する。家に帰って着替えてからとも考えたが、何となくそんな気にはなれなかった。

 この検証を実行するには、余計な感情やノスタルジーは入れない方がいいと思ったし、極力自分の心の波立ちを鎮める時間が欲しかった。


 夕方の公園は空気が生ぬるくて、首筋にしっとり汗をかいた。日中よりも暑いと感じるのは、自分の中からじわっと染み出る葛藤のような気もする。

 傾いて隠れようとする太陽を正面に見据え、私は睨んだ。

 これ以上、私を照らすな。
 透けて見えてしまうと、私はこの検証を完遂できない。
 沈め。
 隠れろ。
 いなくなれ。

 怯んだ夕陽は、幾分昨日より早く山陰に沈んだかもしれない。
 


 ◇



 夜7時。
 蓮太が息を切らせて公園に飛び込んできた。

 走りながら、ブランコに座る私の姿を捉えたようで、真っすぐにこちらに駆けてくる。

「急がなくていいのに」
「そんな訳には……いかない……だろ。ひとりじゃ危ねえよ」

 隣りのブランコをすすめるが、蓮太は軽く首を振って膝に手をつき息を整えた。数十秒で笑顔を見せると、「おまたせ。遅くなった」と私に言った。

「すごい汗だね。何か飲もうか」
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