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「久しぶり。アイちゃん、和田くん」
金曜日に定期テストの日程が終わり、土日をはさんだ月曜の朝。
真中くんは、校門の脇で私たちを待っていた。「結果は一緒に見たいと思って」と、自信に満ちた表情で私たちに合流する。
並木道を並んで登校した時、緊張した面持ちだった蓮太とおかしい程に対照的で、二人の並々ならぬ努力と強い想いをそれぞれに感じた。
答案の返却の前に、今日から成績上位者が掲示板に張り出されている。
校門を進み生徒昇降口の先にある小ホールにそれはあって、ここからでももう中で生徒が一喜一憂している声が聞こえた。
「条件は、憶えてるよね?」
「はい」
「……カエデは手応えありって感じか?」
「そうだね。今までで一番解けた気がするね。和田くんはどうだい?」
「俺だって。負ける気はしてねえ。結果が全てだ」
「だってさ。楽しみだねアイちゃん」
私を間に置いて、蓮太と真中くんが何やら言い合っている。「そうですね」と呟いた私の返事はやはり今日も掻き消された。
ぽつねん。
自分が台風の目のようで、無風のまま内履きに履き替えた。
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