プレゼント・タイム

床田とこ

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【5ー1】

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「いや、そんな脅しを飲むつもりはないよ? 売り言葉に買い言葉だったんだけど、僕、じゃあ今度のテストで勝負しようって、和田くんに対決ふっかけちゃったんだよね」
 
 恥ずかしそうに頭を掻いて、真中くんが上目遣いに私を見た。
 学力に余程の自信があるのか。負けん気も強そうで、感情的に動くタイプ? 素直で実直で噓がつけないのは、蓮太に似た感じなのかもしれない。
 
「勝負に負けたら言うこと聞いてやるって。アツくなり過ぎだよね。和田くんも乗ってきてさ、じゃあやろう、勝負しようって。でね、条件として、テスト結果が出るまではアイちゃんに声を掛けるのは禁止って、そう言われてたんだけど。アイちゃんを偶然見掛けて、つい話しちゃった」
 
 舌をペロっと出して笑う。
 なんだろう。全然憎めない人。こんなにも壁を作らない人は、なかなかいない。一緒にいても、割と苦にならない感じ。

 当然もう「知らない仲」じゃないと思う。
 
「テスト勉強、頑張ろうね。お昼にも言ったけど、アイちゃんはひとりで勉強しても点数は上がらないと思うんだけど。僕や和田くんに頼る気は、本当に無いかい?」

「……ごめんなさい。点数を上げる事に興味が無くて」

「アイちゃんは、本当に変わってるよね」
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