プレゼント・タイム

床田とこ

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 定期テストは毎回上位。運動神経も良いし、サッカー部ではエース。正直な話、そんな蓮太のスペックに合うような学校ではない。蓮太ならもっと有名な進学校とかサッカー強豪校に行けたのは間違いないのに。
 
「ん? 俺ここの生徒だし」
「じゃなくて。なんでここを受験しようと思ったの?ってこと。蓮太ならもっと違うとこに……」
「アイは? どうしてこの高校に通ってる?」
「私は……」
 
 質問に質問で答えるのは0点。蓮太はこういうところがある。分かってやってるのかなあ。
 
「私は家からここが一番近いから、だよ」
「うん。俺も一緒」
 
 蓮太はこうしてはぐらかす。いつも。
 だから、まだこの「解決してない疑問」は検証できない。

 私と一緒なんて、そんな筈がないよ。学力も運動神経も、それからお金も。私に在る状況と蓮太は、全然違う。
 
「……もったいないよ、蓮太」
「何が?」
 
 ここで検証は強制的に中断。
 校門を抜けたところで、サッカー部の友達が蓮太に話しかけてきた。

 私みたいなヤバい女は蓮太の陰に入って、彼は日向に戻っていく。
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