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自領が一気に増えると辛いなぁ・・・

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 躑躅が崎館に帰還した源太郎であったが、処理すべき事は山積みで多忙を極めている。

 源太郎は、処理すべき事の一番目に今川家の処遇を決定する事と決めた。

 武田家の家族・家臣、そして今川家の者達が大広間に集められた。

 「各々方、お集まり下さり感謝致す。お集まり頂いたのは他でもない、今川家との新しき関係を構築する為でござる。そして内容は・・・」

 と以下の事を源太郎が提案した。

 1・恵探は還俗し、源太郎の妹・静と婚姻する。そして、福島一族と共に信濃飯田城へ赴任する。

 2・承芳は還俗し、源太郎の妹・禰々と婚姻する。役目は、侍臣として太原雪斎と共に源太郎に付き従う。

 3・寿桂尼は躑躅が崎館で武田の一門として生活をする。

 「ざっと、この様な内容でござるが、寿桂尼殿・承芳殿・恵探殿、如何?」

 「「「殺されても当然のこの身にお情けを頂き感謝申し上げます。依存はございませぬ」」」

 「さて今一つ・・・北条氏康殿の元へ寿桂尼殿の娘御が嫁いでおられる。また、福島正成(くしままさしげ)殿の子息・綱成殿の元には北条氏綱殿の娘御が嫁いでおられる。何とか北条とも好誼を結びたいものだが、寿桂尼殿、
如何思われるか?」

 「形式的には結べましょう。なれど、関東の他家との柵があります故、信義の伴うモノにはなりますまい」

 「やはり・・・」
 
 「我が一族がこうなった以上は、武田からの好誼の申し入れは降伏勧告に等しき事に受け取られましょう」

 「寿桂尼殿、解り申した・・・さて、武田家譜代の諸将の方々にお願いがあり申す。甲斐・信濃の地を離れる覚悟をして頂きたい。幸か不幸か、今川とはこの様になってしまい、武田家中の責任で駿河・遠江・三河までも統治しなくてはならなくなり申した。今は仮に守りの将を各地に置いて居り申すが、領地替えをせねばなり申さん。我等武家は領民を守るが天より与えられたる役目。お許し頂きたい」

 当主席で源太郎は頭を深々と下げた。 

 「「「「「「「「「「お止めくだされお館様!我等どこへでも参りまする!」」」」」」」」」」

 「では、晴信と駒井殿。駿府館へ行ってくれ。いずれ甲斐の武田本家の家督は、同腹の末の弟に譲る事になると考えておる。ワシとて例外ではない。上に生まれた者は、天下に出て、外から甲斐を守る事が務めと心得よ!」

 「はっ!兄上心得まして御座います」

 「御館様、この駒井に異存はございません。有難き幸せ!」

 「一刻も早う板垣のじぃと代わってやってくれ」

 「「ははっ!承りました」」

 「荻原備中守殿、遠江掛川城へ入って下され」

 「ははっ!一度拾って頂いたこの身、存分にお使い下され」

 「飯富虎昌殿、遠江曳馬(はままつ)城へ入って下され。三河へも駿河へも駆けつけねばならぬ、忙しい役目でござるが、お願い致す」

 「おぅ!お館様嬉しゅうござる!感謝申し上げまする!」

 「甘利虎泰殿、三河岡崎城へ入り、松平広忠殿を助けて頂きたい」

 「承知仕った!」

 「今井信元殿、三河豊橋城へ入り、甘利殿・飯富殿と連携を取って頂きたい」

 「御館様、お任せあれ」

 「真田幸隆殿、主将として那古野城へ入り、統治は長尾為景殿の補佐を受けて、尾張方面の足掛かりを固めて頂きたいが如何?」

 「源太郎様、なぜそれがしで?・・・」

 「人が足りぬ故。更に、そなたはワシの股肱である故な・・・一番難しい地域であるが、やってくれぬか?為景殿も?」

 「「ははっ!そこまで見込んで頂けるは将の誉れ。力の限り務めまする」」

 「先ず第一歩目はこれで行く。各々方、良しなにお頼み申す!」

 甲斐国内の将来的な人材不足の対策を考え始める源太郎であった・・・。





  



 

 

 
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