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16. 夢堕ちる女王

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ある日の夜、
お城からあの子の姿が消えた。


お城も町も世界がとても静かになった。


でも王様だけは違った。
部屋に閉じ籠ってシワくちゃな顔を涙で濡らす。


五月蠅い泣き声。
まるでオモチャをとられて泣いている赤ん坊みたい。


だから手に持っていたハサミで王様の首をチョッキンコ。
木から落ちたリンゴみたいにコロコロと転がっていく。


また静かになった世界。
でも五月蠅い声も目障りなあの子ももういない。


さようなら王様。
はじめまして女王様。


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