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11. 目障りな笑顔

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ある日の夜、
ワタシは王子様と図書室で本を読んでいた。


2人並んでお気に入りの本を一緒に読む。
それが彼と居られる唯一の時間。


でも今日の彼はどこか上の空。
ぼーっと窓の外ばかり眺めている。
いつもならワタシのことだけを見つめてくれるのに。


つられてワタシも窓の外を見る。
そんなに庭に咲いた薔薇が綺麗?


微笑む彼。
でもその微笑む顔はワタシでも薔薇でもない、
燃えるような赤い髪をなびかせたあの子に。


どうしてだろう。
好きだったその笑顔が目障りに感じた。 


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