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17話

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クラブルージュの前、風間と羽鳥。

公園の中心辺りジレンマがベンチに座る少女の前で土下座をしている。


「いいおっさんが何してんだ?」

「本当ですね。。。」

風間と羽鳥はジレンマのもとへ向かう、辺りはすっかり暗くなり若者たちは所々、灯の下で屯している。

ジレンマが土下座している少女は何かぬいぐるみのようなものを抱きかかえジレンマの頭を平手打ちしていた。
それにもめげず、何かをお願いするジレンマ。

「おっさん、いい大人がナンパか?」

「あんたたち知り合い?どうにかしてよ、このおっさん」
若い女がすごい剣幕で風間と羽鳥に問う。


「おいジレンマ何やってんだ」

「この子がマリー・クルーズを譲ってくれないだよ」
そういいながらジレンマは財布から4・5万を取り出し少女にそれを譲ってくれとせがむ。

「マリー・クルーズってなんだよ」

ジレンマは札を握りしめた手の人差し指を彼女の持つぬいぐるみに向けた。

「このテディベアーは間違いなく呪物マリー・クルーズだ、ずっと欲しかったものなんだよ」

「気持ち悪いこと言わないでよ」
ジレンマの一言で女の顔はより一層引きつっていた。

ジレンマは女の手にするテディベアは業界では有名な呪物「マリー・クルーズのテディベア」だという。
幼女連続殺害の被害者マリー・クルーズの変わり果てた姿。対面した父親は狂い出し
本人の髪の毛とはらわたを生前いつも持ち歩ていたテディベアの中に入れ、娘マリーのように扱っていた。
事件は未解決のままのようだ。

「ぜひ譲ってくれないか?」
ジレンマはあきらめず、そしてめげずに説得をする。

「これは絶対ゆずれない、私をあの巣窟から解放してくれた人からもらったものだから」

「ジレンマ、そんなことより琴美はどこにいった?」

「あっ、忘れてた!」
ジレンマはカバンからノートパソコンを取り出しだ。

「琴美ちゃんは潜入捜査にいってもらって、そろそろ現地に着くころだと思う。」

「潜入捜査だと?また勝手なことしやがって」

琴美は先ほどの若者たちとすでにこの広場を離れていた、それをモニタリングするのをそっちのけで
この呪物をせがんでいたのであった。




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