僕の神の手(独身アラサーが最強霊能力を開花、オカルトファンタジー.バトル.ラブコメ要素あり)

デジャヴ

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シーズン4

2人のチャイナマフィア2世

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一日中、ユリは俺のそばを離れなくなってきた。1人暮らしなのに、寂しくならないのもコイツがずっとそばにいるからなのか。

風呂の時もトイレの時も外を歩いている時もずっと一緒、見れば見るほど藍原に似てるな。姉妹だから当たり前か。

年齢でいうと25歳くらいか、一番人生で楽しい時を植物状態で魂と肉体が離れ離れとは酷いものだ。

「今日はお前の妹と会うんだけど、いいですか?」

返事をするはずはないが、なんでユリは妹の藍原でなく俺に憑いているのかわからない。

-新宿-

風間は新宿のネコの前で藍原を待つ。

「ごめんなさい🙏」
藍原が息を切らし走ってきた。珍しく遅刻してきた、とはいっても10分程度だ。

「でどこ行く?」

「。。。。」

藍原と出かけるときはいつもお互い無計画、とりあえず目的もなく人混みを歩いていた。
こうやって2人で会うのも久しぶりのせいか
やけに藍原は会話を走らせる。

「ちょっと待て!」
俺は藍原の腕を掴み、引き寄せた。
何か匂う、死臭のようななんとも言えない
臭いだ。あまりの人の多さで感知しづらい。

「藍原スイッチいれてみてくれ、何かただならない気配がする。」

藍原は舌打ちをして、オンした。

「先輩あの人達じゃないですか?」

藍原は小声で囁き、視線を向ける。
ベンチに腰掛ける男性二人組だ。
顔色は悪いし、周囲は浮遊霊が取り囲むよう、這いずりながら2人に迫っては吸収されている。

「あの2人酷い事になってますね。。。」

「あぁ、もう長くないかもな」
風間この違和感の気配の正体がわかるとその場を後にするよう先に進んだ。

「先輩いいんですか?あの人達危険な状態ですよ」

風間は立ち止まり呆れた顔をして藍原を見つめる、藍原はどうにかしろと言わんばかりの顔をして風間を見つめ返す。

「あぁあ、わかった、わかったよ、いきますよ」
風間は根負けして、若者の方に向かう。
偽善事業じゃないんだから勘弁してほしい。

「こんにちは、体調悪そうですが大丈夫ですか?」
藍原は二人組に話かけた。

「。。。」

「救急車呼びます?」

風間はバックからアスカがもらっていた護符を取り出し2人のうなじに貼り付けた。

「ゴホッ、ゴホッ」

2人は咳き込みだし、深呼吸する。

「どうだ少し楽になったか?」

「はい、何をしたんですか?」

「まぁ少し休んでろ。藍原水を買ってきてくれ」

風間は藍原に水を買ってくるよう伝えて
2人が落ち着くのを待った。

護符の文字がゆっくりだが滲み出してきた。
このままだとまずい状況になる。

風間は通りでタクシーを呼び止めた。

「話はあとでゆっくりしよう、時間がないから、今から秋葉にいく」

2人をタクシーに乗せて4人は秋葉を向かった。


青年2人と風間、藍原は秋葉原のジレンマの店のパラドックスにタクシーを横付けさせた。

2人の体を支えつつパラドックスの中に入れる。

「ジレンマ急に押しかけて悪かった」

「今日も賑やかでいいね」

2人を2階に連れていきソファに座らせた。

「ここは?」

「ちょっとは楽になったか?」

2人はうなづき、一息つく。

「先輩、強い結界張ってますが、2人に憑いているものは取れてないですね」藍原

そう、2人に取り憑いているものは強力すぎるため、結界をはっていようが関係ない状態であった。

「これからお互いを知る必要がある、俺は風間、こいつは藍原だ」

若者はミツキとユウマ20代前半との事だ。

話を聞いたところミツキの方は肩に膿んでる傷がありユウマは、脱毛と下痢が酷く常に脱水状態が継続して、15キロくらい体重が減ったらしい、いつくらいからか確認したところ、始まりは2週間前のようだ。

「そんだけ体に代償を受けているんだ、身に覚えがあるだろう、解決の糸口になるかもしれないから言ってみろ。」風間

ユウマの親父は不動産業を営んでおり、業界ではかなり有名父親らしい、ユウマもミツキもルーツは中国らしくチャイナマフィアと言われても過言ではない家系のようだ。

ある宗教団体の土地を半ば強引に買い取り建築したホテルが開業して半年たった時だった、そのホテルというのが、系列している風俗店の利用先でも使われていて、6階建の5階全部屋で不可思議な現象、殺人、自殺が多発して使用ができない状態が続いていた。

ユウマは父親にホテル経営を任されていた為、ミツキに相談、何が原因なのか突き止めさせる為、報奨金と性サービスを約束し5階の部屋を使用させたようだ。

ミツキの話によるとそれは初っ端から起こったようだ。
ミツキは風俗店のミユという女の子と5階の部屋を使用した。

行く前は、お金ももらえて、女も提供してくれるという好条件にウハウハだったようだ。

2人で部屋に入り、早速熱い時間を過ごす、思う存分楽しんだ後だった、2人でベットで横になっていると、ミユが馬乗りになり愛撫を始めたかと思った時、肩に激痛が走った。

ミユはミツキの肩に噛み付いていたのであった、力任せにミユを引き離したが、深い噛み跡からはかなりの出血があり、パニックになりながらもミユに「何してんだ」と話しかけたが、ミユは白目になり、歯を剥き出しにして再度襲い掛かってきた。

なんとか取り押さえユウマに電話して救急車を呼んでもらい、ミツキとミユは病院へ運ばれ、色々な処置をしてもらったが、傷は治らず悪化して続けているとの事だ、その事件のあとユウマの体にも異変が起き出し現在に至るそうだ。

「その後ミユさんはどうなったんですか?」

「ミユは頭がいっちゃって病院で自殺しました。」

「傷口を見せてみろ」

ミツキの肩口は化膿していて、抗生物質も効かないらしい、風間は棚にある瓶を手に取り
ピンセットで何やらつまみ出した。

ウジだ。

「この傷を治せるのはこいつしかいない、我慢しろ」

ウジ治療は壊死した部分を食べ清浄化し肉芽組織を再生を促す方法だ、それに加えてこのウジ達は神の洗礼を受けていて、霊的ダメージも清浄化する力がある。

いきなりの怪事に巻き込まれた風間と藍原、ミツキとユウマを助けることができるのか。。。

風間と藍原はチャイナマフィア2世の
ユウマとその友人ミツキと秋葉原のパラドックスの結界に避難して2人からことの始まりを聞いたところであった。

結界を突き破るほどの強力なものに取り憑かれていた2人だが、なぜ楽になったのか疑問に思った藍原は風間に聞いてみた。

「先輩、ミツキさんとユウマさんに取り憑いているものの状況が変わってないのに何故楽になったんですか?」

「よく気づいたな、2人に憑いているものは結界で祓う事はできなかった、体が楽になったのは、そいつらが他のものに引っ張られているからだ。」

風間はそういうと下を指差した。

「重力ですか。。。?」

「重力ってのは物質に反応するものだ、俺が指差しているは、パラドックスの地下にある物だ」

そういうと風間は手招きをし、3人を地下に連れて行った。

店舗した、狭い階段を降りていくと、南京錠で閉ざされた鉄の扉があった。

風間は南京錠を解除して中に入っていく、1階さがっただけなのに鍾乳洞のような空気の冷たさが広がる。

風間は電気のスイッチを入れ部屋が明るくなった、6畳くらいの部屋の真ん中に煙突のような円柱がある。

「これは井戸だ」

戦時中に地下壕の水源として使われていた井戸と風間はいう。木の蓋にお札が貼られていて、まるで封印しているようだ。

「パラっドクスの結界はここの井戸に宿っているものを外に出さないようにしている結界のもとの理由だ、外部から色んなものを吸収してしまうと結界を破って外にでてしまう可能性があるから、時間をかけ浄化しまた呪物などの霊力を吸収して膨らみ、また浄化を繰り返している。」

「一定の力のバランスを取っているということですか?」

「そういうことだ、この2人の取り憑いていうのは、今この井戸に引き寄せられているが、今のままだと2人も一緒に引きづり混まれる可能性があるから蓋はあけられない。」

4人は2階に戻った。

「なんとなく理解したんですが、しばらくここを出れないということですよな?」ミツキ

「そういうことだ、ただ一生ここに居てもらう訳にはいかないから、何か手を考える、まずは体力を回復させることが先決だ、飯食うぞ。」

2階にジレンマも加わりデリバリーで頼んだものを食べ始めた。

「こんなうまく感じるのは久しぶりっす!」ユウマ

「ジレンマ2人をしばらくみてやってくれ、店の手伝いはさせる、それと絶対に井戸には近づくな、わかったか」

「うぃっす」

風間と藍原はパラドックスをあとにした。

「先輩、なんか急に大人になったっていうか、元々大人ですが、頼りになるというか、とにかくしばらく会わなかったから」

風間はいつから、こうなったのか、元の人格にもどったかは分かっていた、あの雪降る夜にツグミと再会してからだ。

湘南でゴーストを率いていた時の自分に戻った。

「京子さんには口止めされているんですが、姉の事件追ってた時に、ツグミさんに会いました」

風間は足を止め、藍原は振り返り風間をみた。

「ちょっとまて、事件とツグミなんの関係がある」

藍原は言ってしまったあとに言わなければよかったと後悔した。藍原はうつむき、小声で風間に説明した。

「ツグミさんは、ツバキさんとリキトさんの所属する、村上組の組長の娘さんなんです。それで京子さんと会いに言ったんです。」

風間は頭の中が真っ白になり、ちぎれた、記憶の破片を一個一個繋ぎ合わせ、状況を把握しようとした。

「そっか」

思考回路が停止してる風間に対して藍原は話しかけれなかった。

茜色に染まる、秋葉原の街を背にして
2人は地元神奈川へもどるのであった。



















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