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過去編シーズン3

ツグミと再会

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リョウジから電話が。。。

「もしもし、風間さん情報というか、あの。。。ツグミがどこにいるかわかました。」

「そっか、でも俺ツグミには会わないよ、あつもそれを望んでいないと思う」

「そうですか。。。わかました」

「すまん」

「そうだ、明日うちの居酒屋に来てくださいよ、かぁちゃんも、喜びます、嫁にも挨拶させたいし。19時にきてくれませんか?」

「まぁ近所だしなぁ、わかったいくよ」

リョウジのやつリキトとツバキの情報をくれといったんのに、俺と話て昔を思い出してしまったのかもしれないな。

あの頃はみんな、最高だったからな。 

花魁淵から、霊力のコントロールの特訓をした。

炎の色は発動した霊力によって変わることがわかってきた。

何のためにこの能力があるのか、どう使うべきなのか、最近精神的に行き詰まってきてる。

普通の生活から離れすぎてしまった。
このままドク達と共に行動していくべきなのか、、、

普通の生活に戻るべきなのか、何のためにオカルトと向き合ってるか。

確かに友人と呼べる奴らに出会えた。
これは17歳の時以来、誰かに頼られ、誰かの為に生きることができる。

この前まで、街を歩いても霊体なんて見えなかったのに、今は普通に見えてしまう。

そうなるとこの世界から抜け出せないのかって思ってしまう。

ー翌日ー

そろそろ時間か、僕は、、、俺は、、、
僕と呼び始めた17歳の自分。
俺と呼んでいた17歳までの自分

どちらが自分らしいのか。。。
くだらないこと考えちまう、リュウジの店にいくか。

寒いなぁ、雪がちらついてやがる。
師走の夜はあの鎌倉の抗争を思い出す。
全てを上手くやろうとして一番大切な人を失った。自分を神だと勘違いしてたから
あんな結果になっちまった。

東リベみたいにタイムリープできたらなぁ。
どんな選択をしていただろう。

リョウジの居酒屋の暖簾が見えてきた。
忘年会シーズンということもあり、こんな小さな飲み屋街も流石に賑わいがある。

ガラガラガラ、

「いらっしゃいませ、風間さん、いやぁ来てくれたんですね、実際に会うと、お互い年とりましたね」そういえば会うのは13年ぶりか
リョウジが出迎えてくれた。

「奥の部屋開けてあるんで、案内します」

ガラガラ、座敷部屋の襖をリョウジが開ける。

「風間っち久しぶり!」
俺は唖然とした、四天王のアザムとエム、レム、サムそれとそいつらの家族らしき人たちが出迎えた。

「あっ。。。どういうこと」

「俺たちはあのあともづっと連んでいて毎年こうやって忘年会してんだよ、たまに彼女だったり、家族だったり年々増えてきてるけなぁ」アザム

「まぁ座れよ」レム

俺は取り敢えず下座に座った。

「総長は奥でしょ」サム
俺はまた立ち上がり、奥の席へと向かう

「ん?。。。」

「こんばんわ、久しぶりだね風間くん」

「ツグミ。。。」

「総長もきてくれたので、乾杯だ」アザム

アザムが乾杯の音頭をとりだした。

皆俺の右腕をみた、アザムは何かいいたそうしたが、そのまま

「昔の仲間に乾杯!」

そうだった、コイツらは俺の右腕が復活した事は知らない、コイツらの記憶は動かなくなったこの腕のせいで去っていった俺の背中だけだ。

ツグミは隣にいるが、話かけれない、ツグミもきっと同じことを思っている。

アザムとサム以外はもう結婚して家族がいるようだ。子供がいたり、彼女がいたり、あのゴーストのメンバーもすっかり普通の奴らになってた。

2時間くらいだろうか、忘年会というのか同窓会というのか、あっという間に時間は過ぎていった。

皆、雪がちらつく中、リョウジの店の外にでた。

家族がいる奴らは家族と帰り、アザムとサムはキャバくらにいくと言ってタクシーにのりこんでしまった。

「風間さん、ツグミさんを送ってあげてください、積もる話もあると思うし、また連絡します」とリョウジあ仕事に戻っていった。

リョウジの店の前に取り残された、ツグミと俺。。。

リョウジの店の前ツグミと2人きり。。。

「あの。。。今はどちらにお住まいですか?」

なんなんだこのよそよそしい問いかけは。

「今、実家はでて〇〇前に住んでます。。。」

「そうなんだ、、それじゃ行きますか💦」

「うん」

13年ぶりだぞ、ツグミは前よりも大人になっていて、しかも美人になっている。
緊張して、何も言葉が浮かんでこない。。
夜は気温が低く、アスファルトにも少しずつ
雪が積もり始める。❄️

「きゃっ❗️」ツグミが足を滑らせ転びかける。

俺は咄嗟にツグミの腕をとり支えた。

「ごめん、風間くんメガネ転がってない」

「メガネ?」

転んだ拍子にメガネが転がっていた、俺はメガネを拾い上げた。

あの日と同じシチュエーションだ。。。
ツグミと初めてあった、学校の廊下。

俺はメガネをとったまま立ちつくしていた。

「メガネあった?」ツグミ

「。。。」

「風間くん?」

「綺麗だ。。。」
やっぱりメガネを外したツグミは
綺麗だ、薄いブラウンの瞳

「えっ?」

「彼氏は?」

「彼氏?」

「ごめん、なんでもない💦」

つい昔のセリフを言ってしまった。
俺はメガネをツグミに渡しツグミはメガネを
かけた。

「ありがとう」

「コンタクトとかにしないのか?」

「コンタクト慣れなくてずっと今でもメガネなの😅」

「私は彼氏いない、風間くんは?彼女さんとかいる。。。?」

頭によぎるのは藍原や京子しかし、付き合ってはいない。ツグミも彼氏いないのか。

「特には彼女ってのはいません😅」
何故かまた、かしこまってしまう。

「あのひとつくだらないこと聞いていい?」

「あっどうぞ」俺

「あの13年前のイヴの夜、私最後の方記憶がなくて、目覚めたら病院にいて何が起こったのかもアザムくんとかも教えてくれなくて、私、風間くんに何かしたんんじゃないかってずっと悩んでいた」

確かに記憶がないと言うのであれば、何かに取り憑かれたことや、俺に噛み付いたこと、何もしらずに俺が立ち去ったということになっているのか。

俺はなんて言おうか迷った。

「ごめん、昔の事だし言いたくない事もあるよね」ツグミ

「お前はなんでだと思う?」
俺は卑怯な言葉を返した。

「私はあのあとずっと考えて、きっと何かを守るために私の前から消えてしまったと思ってる。仕方ない理由があったと」

「ごめん。。。」
結局、真実も言えず、お互いスッキリしない状態になった。

俺は気付いてしまった。ふと凍てついた風がツグミの髪をふわっと持ち上げた時に耳に付けていたピアス。。。

あれは13年前のイヴの夜にプレゼントした、ピアスだった。

「今日は俺が来る事知っていたのか?」

「リョウジくんから久しぶりに昨日連絡あって、風間くんが来ることは知らなかった、すごいビックリしたよ😅」

たまたま、昔の男からもらったピアスをしてるなんてあり得ますか?まさか今も俺のことを。

俺の緊張はさらに増してしまった。
まてまて、自分の気持ちはどうなんだ。

やり直したいとかいう気持ちはあるのか。
そしてツグミはあれからずっと彼氏いないなんて事ないだろうし。

「風間くん!❗️」

「はい!❗️」

ツグミは声を張り上げ俺の名前を読んだ。

「私、まさか今日再会できるなんて思ってなかった、13年前からいつかまた会える、いつか、また会いにきてくれるってずっと思ってた。でも何年たってもその願いは叶わなくて、、、他の男の人もお付き合いはしたけど、どしても風間くんと比較してしまって本気に慣れなくて」

「ツグミ。。。」

「ごめんね、こんなこと急に言い出してでもずっとずっと、言いたかった。私引っ込み思案な性格だけど、今言わなかったらきっと後悔するとおもって」

その時だった、右腕が痛みだした。

「いたぁあああ」

あまりの激痛でうずくまった。

「風間くんどうしたの大丈夫?」

完全に治っていた傷口から、血が流れ出した。ツグミは巻いていたマフラーで俺の腕を止血し始めた。

「私今、看護師なの、これで止血するから抑えていて」

痛みはやや治まってきた。

「うちに薬と包帯があるから、あとちょっと歩ける?」

「あぁ」

俺は、腕に巻いたマフラーを強く抑えツグミとツグミのマンションに向かった。

ツグミの家に着いた。
女の一人暮らしには少し贅沢なデザインマンションだ。
腕の痛みはある程度引いたがマフラーには血が滲み出してきた。

「風間くん中に入って、救急箱とってくる」
ツグミは救急箱と取り出し、傷口をみた。

「この傷は最近?」

「いやかなり前だ」

改めて見ると完全に閉じていた傷口が開いていた。ツグミは慣れた手付きで消毒し包帯を巻いた。

「ありがとう、慣れたもんだな」

「うん」

ツグミはキッチンにゆき、お湯を沸かす。
部屋は白を基調にした、シンプルで整理されている。突然とはいえ全く散らかってなく普段から整理されているのだろう。ツグミらしい部屋と思った。

ツグミは暖かい紅茶をいれてくれた。

出血騒ぎもあり、ツグミの気持ちに対しての回答はウヤモヤになってしまった。

しかし、マフラーを外したツグミの胸元に輝くネックレス。これは紛れもないあの夜にプレゼントした、ネックレスだ。
その話題に触れてしまえば、ウヤモヤになったことがまた、降り出しにもどってしまう。

気持ちの整理がついていない俺はネックレスの事は気づいてないフリをした。

そんな事ばかり考えるため、静寂な時間が流れた。

「そろそろ、帰るよ」

「あっ。。。うん」

俺は立ち上がり、コートを羽織りマフラーを巻く。

「連絡先、聞いてもいい?」

「。。。」

「傷口が気になるから、うちの病院で
一度診察して」

「あぁ」

俺は何故冷たい印象を与えてしまう、態度をとってしまうのか、ツグミは以前と変わらず綺麗だし、やり直すこともきっとできるはず。

「これが、今の電話番号」

ツグミはワンギリした、このワンギリが途切れた2人の関係に大きな影響を与えるとも知らずに。

玄関の扉を開けようと取っ手に右手をかけたが、以前のように力が入らない。

左手で扉を開けて

「それじゃ、また、包帯ありがとう」

「これ変えのガーゼと包帯持って帰って」

そう言って俺は扉の外にでてツグミの部屋を後にした。

雪は本降りになっていた。マンションの下からツグミの部屋を見上げるとツグミは窓からこちらを見ていた。俺は軽く左手を上げ、降り積もる雪を踏み締めがら家路をたどった。

線路沿いを歩いて駅の方へ向かっていた。
赤いド派手なコートに白いニット帽から金髪の髪を靡かせこちらに向かってくる女性。

「ん?姉御?」

俺は2.0の視力で30m先の女性を立ち止まりジーッと見つめた。

やはり京子だ、同じ駅が最寄りとは言えこんな深夜に鉢合わせるか?

「おぃネギ坊主」姉御が俺の名を叫ぶ。

元に戻ってる。。。花魁淵の時に人格が変わった京子がいつもの姉御に戻っている。

「どうしたんですか。姉御」

姉御は足元が悪い雪道をヒールでこちらに走ってくる。

「走ると転びますよ」

「はぁはぁはぁ」

姉御はそのままの勢いで俺に抱きついてきた。

姉御は突然走り寄り、粉雪が舞う中
俺に抱きついてきた。

「どうしたんすか?」

「お前を脅かす、波調を感じた。いてもたっても入れなくて波調を追ってきた」

「姉御、そんな能力あったんだ。。。」

俺は何故か姉御の背中に腕を回さなかった。
肩にそっと左手を添えた。

「何か霊的なものと接触したか?」

「。。。いや、特には」

姉御は俺の右腕をみた。

「その包帯は?」

「古傷から出血があった」

「見せてみろ?」

姉御は俺の腕を観察する。

陰陽師関係のやつと接触はあったか?

「陰陽師?なんの事だ?」

「お前の腕から感じられるのは、式神の毒気、、、はっきりとはわからないが恐らく白虎だ。」

「式神?白虎」

13年前、鎌倉乱闘事件の時、ツグミは確かに獣のような状態になりこの右腕に噛み付いた。
おそらく電車の中で中島の浄化領域に入った時に毒気というものが浄化され右腕が動くようになった。

「式神っていうのは陰陽師が召喚する鬼神だ、その中でも凶将に属するのが白虎だ」

「腕が動かないんです。。。」

「骨や筋肉、神経は問題ない、式神に支配されてるから式神を祓うか、飼い慣らすしかない。」

「。。。」

急いで何かしても仕方ない、13年動かなかったから、動かない事には慣れている。

「てか、姉御は花魁淵の時の記憶はどうなんですか?」

「川下りした後は覚えてない、学(ドク)から何となくは聞いたが、解決したのなら過程はどうでもいい。」

メイドモードの方が可愛げあってよかったかも。。。

「気が向いたら学に相談しろ」

姉御はそういうと雪降る夜街へホワイトアウトしていった。

何故抱きついてきたのか?
あの人は本当にわからない、不思議な女だ。

























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