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11話 蓮見明
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橘エイトは気を失い、私と田中さんは僧や赤子、子供の霊体のようなものに囲まれていた。
その時、私のスマホが鳴り出して田中さんにすごい怒られました。
しかしそれが救いの電話だったんです。
電話の相手は私の母でした。
「奏!あなたどこにいるの?ご先祖様たちが騒ぎ出してあなたが危険だって訴えかけてきてるわ」
叱りの電話だが母の声を聞いて安堵したのか涙が自然に流れた。
「お母さん!今仕事でロケに来ていて大変なことに」
「なんとなく状況はわかってるから、母さんが渡した形代(人型に形どった和紙)はもっているかい?たしか6枚ほど渡したと思うけど」
「確かカバンの中に。。。。あった!」
母は一呼吸あけ落ち着いて
言われたとおりするように鳴海に伝えた。
「今いる人の名前を書き、形代に髪か爪を挟みなさい、終わったら教えてちょうだい」
田中さんに説明しエイトの髪を抜いてもらい母言うとおりにしました。
「お母さん髪の毛を形代に包んで、名前を書いた」
「そうしたら、塩、酒はある?」
「お母さんに言われてから常備してる」
鳴海の母は形代をその場に置き、塩と酒を口に含んだままその場を立ち去るよう指示をした。
「1人気を失ってる人がいるの」
「塩と酒を口に含め全身を覆うように吹きつけてあげなさい」
私と田中さんは母の指示通り行いました。
ゆっくりとエイトさんを抱え形代から離れましたが、霊体達は私たちでなく形代の方へ迫っていったんです。
形代を私達と認識したんだと思います。
その隙に恐怖を押し殺しエイトさんをバンに積み込みその場を後にしました。
気のせいかもしれないですが容体を確認する為に後部座席のエイトさんを見ていたら
にじみ出る憎悪のようなものを感じたんです。
バンの中が圧迫され息苦しい感じでした。
霊体に取りつかれたのかと思い、突き止めようとしましたが、霊感が完全に戻ったわけではないので分かりませんでした。
背中に走る寒気。
その後に感じたのは全身に走る鳥肌。
結局トンネルの手前あたりで症状は治って
エイトさんから出ていた威圧感も消えたんです。
トンネルを抜け落ち着いたところで私も田中さんも口に含んでいた酒を吐き出して
そして私はすぐに母親に連絡をした。
「もしもし、あ母さん?村からなんとか抜け出した、何も見えなしもう気配もない。たぶん何もついてきてないと思う」
「奏、私あなたが心配だから東京にいる親戚のアッくんにそこでお祓いしてもらうようお願いしといたからね」
母も少し安堵したのか柔らかな口調になっていた。
アッくんとは母親の姉の息子で蓮見アキラ、副業で霊媒の仕事をしている。
メインで霊能者を職にしているわけではないが家系の血を継ぎそれなりに力はあると母から聞いている。
エイトは意識を失ったまま、取り急ぎ道の駅にバンを走らせた。
「エイトさん聞いてますか?エイトさんが気を失ってる間た大変だったんですよ」
少し朦朧としながらもエイトは腕を組んで鳴海が説明したことを理解しようとしていた。
--------
「村ではほとんど気を失っていた。。。
で親戚の霊能者はきてくれたのかい?」
「この村の事は序章に過ぎない、ヤバいのはこの先、鳴海の親戚がきて、それから東京に戻ってからだ」
ジレンマの質問にエイトはそう答えた。
その時、私のスマホが鳴り出して田中さんにすごい怒られました。
しかしそれが救いの電話だったんです。
電話の相手は私の母でした。
「奏!あなたどこにいるの?ご先祖様たちが騒ぎ出してあなたが危険だって訴えかけてきてるわ」
叱りの電話だが母の声を聞いて安堵したのか涙が自然に流れた。
「お母さん!今仕事でロケに来ていて大変なことに」
「なんとなく状況はわかってるから、母さんが渡した形代(人型に形どった和紙)はもっているかい?たしか6枚ほど渡したと思うけど」
「確かカバンの中に。。。。あった!」
母は一呼吸あけ落ち着いて
言われたとおりするように鳴海に伝えた。
「今いる人の名前を書き、形代に髪か爪を挟みなさい、終わったら教えてちょうだい」
田中さんに説明しエイトの髪を抜いてもらい母言うとおりにしました。
「お母さん髪の毛を形代に包んで、名前を書いた」
「そうしたら、塩、酒はある?」
「お母さんに言われてから常備してる」
鳴海の母は形代をその場に置き、塩と酒を口に含んだままその場を立ち去るよう指示をした。
「1人気を失ってる人がいるの」
「塩と酒を口に含め全身を覆うように吹きつけてあげなさい」
私と田中さんは母の指示通り行いました。
ゆっくりとエイトさんを抱え形代から離れましたが、霊体達は私たちでなく形代の方へ迫っていったんです。
形代を私達と認識したんだと思います。
その隙に恐怖を押し殺しエイトさんをバンに積み込みその場を後にしました。
気のせいかもしれないですが容体を確認する為に後部座席のエイトさんを見ていたら
にじみ出る憎悪のようなものを感じたんです。
バンの中が圧迫され息苦しい感じでした。
霊体に取りつかれたのかと思い、突き止めようとしましたが、霊感が完全に戻ったわけではないので分かりませんでした。
背中に走る寒気。
その後に感じたのは全身に走る鳥肌。
結局トンネルの手前あたりで症状は治って
エイトさんから出ていた威圧感も消えたんです。
トンネルを抜け落ち着いたところで私も田中さんも口に含んでいた酒を吐き出して
そして私はすぐに母親に連絡をした。
「もしもし、あ母さん?村からなんとか抜け出した、何も見えなしもう気配もない。たぶん何もついてきてないと思う」
「奏、私あなたが心配だから東京にいる親戚のアッくんにそこでお祓いしてもらうようお願いしといたからね」
母も少し安堵したのか柔らかな口調になっていた。
アッくんとは母親の姉の息子で蓮見アキラ、副業で霊媒の仕事をしている。
メインで霊能者を職にしているわけではないが家系の血を継ぎそれなりに力はあると母から聞いている。
エイトは意識を失ったまま、取り急ぎ道の駅にバンを走らせた。
「エイトさん聞いてますか?エイトさんが気を失ってる間た大変だったんですよ」
少し朦朧としながらもエイトは腕を組んで鳴海が説明したことを理解しようとしていた。
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「村ではほとんど気を失っていた。。。
で親戚の霊能者はきてくれたのかい?」
「この村の事は序章に過ぎない、ヤバいのはこの先、鳴海の親戚がきて、それから東京に戻ってからだ」
ジレンマの質問にエイトはそう答えた。
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