上 下
4 / 22

4話 警告

しおりを挟む
鳴海の過去の体質というかそんな話を聞いて少しこいつを見る目が少し変わった。

「そんな体質なら今回の案件がお前にぴったりだな、また見えるようになるかも(笑)」

「エイトさん、笑い事じゃないですよ、ぶり返さないように心スポは避けてきた人生なので今回も仕事じゃなければ絶対パスしてます。」

またまた、鳴海の怒りスイッチを押してしまった💦。

そう言ったものに縁のない俺には鳴海のような体質がどれだけ苦痛なものなのか、その時はまだわからなかった。
その時までは。。。

車は高速を降りて山間の一般道へ入っていく、片側一車線のスラローム、それを沿うように川が流れている。
都会では感じられない自然を僅かながら味わって3人は車に揺られていた。

道中に道の駅がありそこで3人はしばし休憩することにした。

観光名所なのか、こんな山奥にある道の駅だがかなりの賑わいがあり、ホラー映画のロケハンに行くということすら忘れそうな雰囲気だった。

テーブル席を陣取り、この後の打ち合わせを始めた。

「順番はトンネル、ダム湖、廃村という流れで行こうと思いますが良いですか?」

鳴海が現地めぐりのスケジュール確認をする。
道順は鳴海が言ったように廃村が一番奥にあり、手前からロケハンを行うような順番になっている。

すると3人の話を聞いていたのか、となりのテーブルにいた老夫婦が話に割って入ってきた。

「あんた達、ダムの先の村にいくのかい?」

その言葉に鳴海は「そうですが何か?」と返事した。

老夫婦は「観光ならあの村にはいかないほうがいい」といい。

鳴海は「観光ではなく、取材というか。。仕事で行くんです」と丁寧に回答した。

面倒な人に捕まったなと内心俺はそう思っていた。

「仕事でいくなら無理に止めはしないが、悪いことは言わん、日が落ちる前に村を出た方がいい」
と真剣な眼差しで俺らに忠告した。


「ごめんなさいね、あなた!見ず知らずの方に余計なこと言わないでちょうだい」
奥さんと思われる女性は男性の腕をつかみ自らのテーブル引き戻し、苦笑いを浮かべながら俺たちに軽い会釈をした。


俺はノートパソコンを開き、改めて目的地の村を検索した。
検索画面には廃村になった時の記事などが上位に出てきて、下へスクロールしていくと

「心霊スポット、自殺の名所、殺人事件、死体遺棄」とこれまたオカルト系のワードが出てきた。

周囲の山などは東京から近く自然を堪能できるハイキング、登山コース、キャンプ場などに囲まれているようだ。
きっとこの老夫婦もそんな自然を堪能しに来たのだろう。

「この村は周囲は観光業など盛んで何が原因で廃村になったのか謎なんですよね」
鳴海が俺のパソコンの画面をのぞき込みそういった。

「この道の駅を見ても大勢の人でにぎわっているし、経済的な理由ではないんだろうな」
田中さんがそう答える。

少し長めの休憩になったしまったが俺たちはバンに乗り込み目的地を目指すのであった。





















しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ツギハギドール

広茂実理
ホラー
※グロ系統描写あります。苦手な方はご注意を 憧れてやまない同級生の死―― 目の前で大事な友人を失った少女、斉藤初は、希望のない日々を過ごしていた。 彼女の心の拠り所はたった一つ……可愛らしい姿のプリンセスドールで。そのドールは、失われた同級生にそっくりだった。 そんなある日、友人の死に関わった人物が、無残な姿で命を落とす。一見事故かと思われた遺体のそばには、謎のドールが発見され、世間では亡くなった少女の呪いとして騒がれる始末。 命を落として尚も引き合いに出され、侮辱されるのか――我慢がならなかった斉藤初は、独自に事件を調査することを決意するが―― 事故か自殺か他殺か。ドールの目撃情報とはいったい。本当に呪いが存在するのか。 ミステリーxサイコxサスペンスxホラーストーリー。

1分で読める!ビックリもゾクっも味わえるショートショートシリーズ

安恒 亮
ホラー
ゾクっもあり、ちょっとびっくりな風刺的なオチあり、奇抜なショートショート集です。思いつき次第更新していきます。(少しでもいいなと思っていただければ、お気に入り登録.感想お願いします。)

ぐちょべちょラ/惨酷の定義

握夢(グーム)
ホラー
意識が戻った時に記憶が無かった。動けない。目も見えない。 ただいえることは、おれは、……喰われていた!? なぜこんなことになったのか。―――そしておれは一体何者なんだ!? 15分で読める、ミステリーテイストの強い、怖さ&残酷描写が軽めのライトホラーです。

緑夢幻想 リ・バースデイ

ホラー
不良の高校生・大樹が最悪な状況下で出会ったのは、最近流行りの占いグッズ専門店『緑夢(グリム)』の自称占い師・雪(せつ)という不思議な少年だった。 人間と悪魔との仲介が本業だと語る雪のおかげで事なきを得た大樹だったが――。 今日も『緑夢』には依頼人がやって来る。 占い師・雪、そして悪魔に、救いを求める愚かな者たちが。

感染。

さとくん
ホラー
なんの変哲も無いコンビニアルバイトの主人公(里宮竜久)【さとみやたつひさ】の平凡な毎日が徐々に失われていく。 仲間・そして家族といった切なく感動的な人間ドラマ

閲覧禁止

ホラー
”それ”を送られたら終わり。 呪われたそれにより次々と人間が殺されていく。それは何なのか、何のために――。 村木は知り合いの女子高生である相園が殺されたことから事件に巻き込まれる。彼女はある写真を送られたことで殺されたらしい。その事件を皮切りに、次々と写真を送られた人間が殺されることとなる。二人目の現場で写真を託された村木は、事件を解決することを決意する。

掌編集

ginsui
ホラー
一話完結。短い物語のまとめです。

【完結済】夜にも奇妙な怖い話を語ろう

テキトーセイバー
ホラー
作者が体験(?)した怖い話や聞いた噂話を語ります。 一部創作も含まれますのでご了承ください。 表紙は生成AI

処理中です...