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怪談レジェンド

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いつも通り僕は駐車場で昼寝。
電信柱に「ニナ川淳二、お昼の怪談?」
この町にもオカルト会のレジェンドがくることもあるんだな。

ニナ川淳二、彼はオカルト会のレジェンドと
して君臨している、独特な話し方、周りを取り込む恐怖、最高だぜ。

そんなことより、よし寝るぜ。

「ざわざわざわ」うるさいなぁ

「ざわざわざわ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「にながわさん?」スタッフ

「はい?」

「あの、お客様がお待ちです。」スタッフ

市民ホール、満席の客席、眩しすぎるスポットライト。

僕はまさかニナ川淳二に精神転送された。。

そしてレジェンドのヘルプとは。。。

ニナ川淳二

彼のヘルプは一体、、、


「うぉーっあぁぁああ」

僕の体勢は座布団に正座。

そして、どぎつい、腹痛。。。💩

僕は思わず前のめりになった、右手で床に手をつき、左手には扇子が。

今まで体験したことのない、腹痛。

これが淳二のヘルプぅかぁ

あれが、あれがもう、💩ドアをノックしてる。

「コンコン」💩

僕は居留守をした。

また「コンコン」💩

いません

「コンコン」💩

 NHK並みにしつこいやつだ。

「コンコン」💩

僕は思わず左手の扇子の肢の部分をお尻に刺した。

「ゔぁあぁあぁーっ」✖️


2センチ、2センチ後ろに退けた。

1センチ10分 2センチで20分は持つはず。

観客は、演出かと思い静まり返った。

2列目のおばちゃんは、手で顔を覆っている、
恐怖を感じているで間違いない。

演出もスポットライトを消灯し、目の前の蝋燭の灯りのみとなった。

レジェンドの怪談をやるしかない。

ここで扉を開けてしまったら、オマル界のレジェンドになってしまう。

それだけは、避けなければならない。

-怪談開始-

私が小学校4年生の頃だったかなぁ。暑い熱帯夜だった。

盆踊りの準備で両親は公民館にいくといい。僕と5歳上の姉で留守番を頼まれた。

姉も僕も両親が3人目を計画してるのを薄々気付いてたから、何も言わなかった。

なんで勘づいていたかって。盆踊りの準備で公民館で泊まり込みなんで聞いたことがなかった。

両親はリポビタンDを飲み干して楽しそうに出て行った。私が玄関で「行ってらしゃい」といった瞬間

姉は私を突き飛ばしてリビングへと走って行った。当時はですね、テレビは一家に一台しかなかったものですから、チャンネル争いが激しかった。

毎日ように、左にガチャガチャ、右にガチャガチャ。楽しい時代でした。

僕はドリフが見たくて仕方がない。姉は音楽番組が見たくて仕方がない。

(会場がザワメキ始めた。僕は大きなミスに気づいた。時代背景が合わない。。。ニナ川氏とドリフは同年代だ。。。子供の時に、カラーテレビは一家に一台のはずがない。。。
このまま行くしかない!)

一息付き怪談を続けた。

当時、心霊界レジェンドと言われていた宜保さんと織田無道さんのコラボ企画!
これを見るという事で姉との和平条約は結ばれた。

これは分かる人にはわかりますが、決して交わることのない、水と油、新日と全日のような関係でした。

姉は怖がりなので怖いシーンになるとチャンネルをひねって変えてしまう。

たまたま変えたチャンネルが映画のベットシーン、最近じゃ考えられないですけど。
エッチなシーンが全国放送されていたんですよ!あの時代は。

姉も私も、激しい喘ぎ声に開いた口が塞がらない。ヒロインの開いた股も塞がらない。男は歯を食いしばる。

「あぉ、あぁ、いゃ~ん」

姉はチャンネルを回そうとした。事もあろうかスイッチが抜けてしまった。

テレビ画面いっぱいにおっぱいが映される。
激しさが増していく喘ぎ声。アクセル全開に腰を動かす俳優

「えぃどりぁ~ん」

姉はテレビを切ろうとスイッチに手を回した。
当時テレビのスイッチと音量が同じつまみで、押して引くのが電源、左右に回すと音量が変わる。姉はあせって右いっぱいひねってしまい、大音量のベットシーンが響き渡った。
僕は慌てて「スポーン」とケーブルを抜いた。抜いてしまった。。。
会場の前列のおばちゃんたちの唾を飲み込む音が聞こえる。

腹に激痛が走る。

「ゔぁあぁーぁあ」
僕はまた床に右手を突き、叫んだ。
観客は完璧演出だと思い込んでいる。

僕のオープンドアまで1センチなんとかなんとか、この場をもたせのば。


姉も私も一連の騒ぎで息を切らしていた。

両親が家を出る前に出前を頼んでくれてるので、そろそろくるはず。

「ピンポーン」🚪

「出前です」姉と僕は玄関に走って行く。

ガラガラガラ 扉を開ける。

「キツネうどんとタヌキそばで合わせて600円です。」

この真夏の熱帯夜に、熱々のうどん、そばなんて、洒落た真似してくれるじゃないか。
あっつあっつまま、食ってやるよ。

姉が硬直していた。
「一枚」
「二枚」
「三枚」
「四枚」
「五枚」
「一枚たりない。。。」

まるで四谷怪談のお岩さんのように100円玉を数える姉。

姉は繰り返し数えるが「やっぱり一枚たりない。」姉は泣き出した。

僕は姉との共同部屋にはしり、ドラえもんの貯金箱を手にした。

満タンになったら割ろう、そう決めていた貯金箱、今割らないでいつ割るんだ、今でしょう、

僕は誇らしげにドラえもんを抱えて玄関へ
そば屋のあんちゃん、と姉が息を呑む。

僕はドラえもんを頭上にかかげ振り下ろそうとした。

裏に金を取り出せるフタが見えた。。。
わらなくていんじゃない。。

時すでにおそし、ドラえもんは床に叩きつけた。

「ガシャンっ」

中からは1円玉、五円玉が散乱した。

「一枚、二枚、三枚。。。。88枚。。。
98枚、99枚、やっぱり一枚たりない。。。599円しかない。」

ドラえもんは無駄な犠牲だったのか、、、

姉は落胆し、ドラえもんのカケラを拾う、いい加減そばも、うどんも伸びてきた。

姉がドラえもんのポケット部分のカケラを拾うと、硬直した。どうした姉ちゃん。

四次元ポケットの裏に1円玉が挟まっていた!
やっぱりドラえもんのポケットには希望が詰まっていた!

姉は1円玉を誇らしげに高々と掲げる。

まるで東京五輪の聖火台に火を灯すように!

「ありがとうございやす、間違いなく600円いただきました」

そういうとそば屋の兄ちゃんは去っていった。

僕と姉は伸び切ったうどんとそばを流し込んだ。暑い。。。


「ゔぁぁあぁーあぁぁぁぁっ」💩

もう約束の20分に近い。

またあの腕利きの訪問販売員が

ドアをノックしてくる。

観客は、ざわざわしてやがる。

前置きは終わり、これから、幽霊が登場してくる、まってろ。

ババァども、恐怖の世界に陥れてやるぜ。

(お別れの挨拶ですょ)

ん?最前列の男がカンペらしきものを。

お別れの挨拶。。。

まさか、入れ替わった時が最後の挨拶の瞬間。。。

何やってんだ、扇子までぶち込んで20分も稼いだのに。。。

しかし流石レジェンドだ、ニナ川さんだ。

彼はやり切ったんだ、この地獄の腹痛を乗り越えて、怪談をやり切っていたのかぁ。

僕が過小評価してた、試合が始まる前から、リングにタオルを投げていたんじゃないのかって。

こいつは、始める前から勝負を諦めていたって、勝手に想像してた。失礼しました。

あとは僕に任せて、隠居してください。

「レジェンドニナ川淳二」

物語は途中、腕利き訪問販売は直ぐそこまできている。

皆さんいかがでしたか?

会場がざわつく。

この続きは、実はR18指定になってまして
今、会場にいる、お子さんたちの前では
話せないくらい、恐怖へ陥れます。

黒づくめの訪問者、絶え間なく続くノック
物語の続きは
YouTubeプレミアムで放送します。

是非ともチャンネル登録お願いします!

会場はスタンディングオーベーション。
幕が閉じ僕は袖にいるスタッフを手招きし

「このまま、トイレに連れって。」

「ドュルルーシュ、ドュルルーシュ、ゲロゲロピー」


30分トイレから出れず、少し落ち着き、トイレから出ると

「ニナ川さん、まさかチャンネル登録の宣伝するとは思わなかったですよ!」

「怪談がまた始まるからスタッフも慌てて
照明落としたりびっくりしました」

僕の方がびっくりだよ。

取り敢えず、ここからでて自分と対面しなくては。

12時45分まずい、急いで車にいかなくては、距離にして車まで300m

「ちょっとでできます!」

流石に70代の体は重いし息があがる。

「はぁはぁはぁ」

50mくらい進んだところで僕は気づいてしまった。

ファン達の出待ち、そしてまだ有名人であることを。。。

ニナ川さんのスマホで銀行に電話。

「〇〇銀行です」

「すみません、真島支店長お願いします。」

「お電話かわりました、真島です。」

「すまん、真島さん、市民ホールまで、僕の体を」

真島が僕の車で市民ホールに到着。

「あれ、ニナ川さんじゃないですか?」

「わけあって今回はこのレジェンドに」

「車まで護衛してください。」

僕は車で真島と向かい、無事に対面。

僕は車の中、外には、真島さんとニナ川さんが。

ニナ川さんは、トイレにまっしぐら。。。
もう落ち着いてるのに、条件反射か。

「真島さんには、本当に感謝してます。」

「いえいえまた、何かあれば連絡ください。」

僕のなんちゃってホラーショーは幕を閉じた。

後日、ニナ川さんのスマホに銀行の通話履歴があり、なんと、ニナ川さんと電話で話した。

YouTube撮影のために、あの話の続きを聞きたかったようだ。



ご愛読ありがとうございます。

お気に入りコメントも是非頂けたら励みになります。よろしくお願いします🌈













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