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呪界団地編 シーズン2
31話
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「おかぁさん、やめて!」
マヤカは全力で母親を羽交締めし静止させようとするが全く動じず、背後にいるマヤカを振り下ろそうとする。
(ぶん、ぶん)
「きゃあ」
マヤカは振り落とされた。
魔物はゆっくりとマヤカに近寄り、若者から奪い取り自らのものにした右腕を高々と上げ篩おろした。
「きゃあ~‼️」
マヤカの額スレスレで魔物の腕が止まる。
止まるというより黒い砂鉄のようなものが霧状に動き回り魔物の腕に巻き付いた。
そしてそのまま、マヤカの周囲を蛇のように動きだした。
まるでマヤカを守るようにウズ状に動き回る。
「何これ、なんなのよ」
(ガシッ ガシッ)
魔物は左腕を振り下ろすが、それも黒い砂鉄のようなものが受け流す。
「ぐぁ、ぐぁ、ぐぁ」
魔物は天を仰ぐような姿勢になり、唸り声を上げる。
(ピキッ ピキッ)
音を立てながら顎の皮が裂けていき、露失している肌も卵の殻のように剥がれていく。
「食い潰しやがった、、、」
意識を戻した風間がそう言った。
「どうなってるのよ、何なのこれ」
マヤカは現状に動揺する。
「生身を食い潰した本体が姿を現す、早く敷地から出ろ‼️」
「この砂が邪魔で前が見えないよ」
すると砂鉄のようなものは、マヤカの背後に周り覆うように固まり出した。
「その砂はお前を守ろうとしてる、早く出るんだ‼️」
(バン‼️)
魔物を中心に大きな爆発音が砂煙を上げる。
「琴美‼️、早く札を剥がせ‼️」
風間は焦った口調で叫ぶ。
「迦楼羅炎‼️くそっまだ解けない」
風間の迦楼羅炎は発動しない。
そして砂煙が収まりかけたころ姿を現したのは。
黒い炎に包まれた人型の者、、、
輪郭はあるが激しく燃える炎のため表情までははっきり見えながいが、明らかにヤバいものであるかは確かである。
(ガタガタガタ)
気絶しているジレンマの体が痙攣し始めた。
ジレンマの腹部から、鋭い爪を纏った腕が這い出てくる。ジレンマに巣食う魔物の腕。
「ジレンマ‼️起きろ‼️」
(グサっ)
鈍い音が、響く。
「キャー!」
琴美の悲鳴が。
マヤカは全力で母親を羽交締めし静止させようとするが全く動じず、背後にいるマヤカを振り下ろそうとする。
(ぶん、ぶん)
「きゃあ」
マヤカは振り落とされた。
魔物はゆっくりとマヤカに近寄り、若者から奪い取り自らのものにした右腕を高々と上げ篩おろした。
「きゃあ~‼️」
マヤカの額スレスレで魔物の腕が止まる。
止まるというより黒い砂鉄のようなものが霧状に動き回り魔物の腕に巻き付いた。
そしてそのまま、マヤカの周囲を蛇のように動きだした。
まるでマヤカを守るようにウズ状に動き回る。
「何これ、なんなのよ」
(ガシッ ガシッ)
魔物は左腕を振り下ろすが、それも黒い砂鉄のようなものが受け流す。
「ぐぁ、ぐぁ、ぐぁ」
魔物は天を仰ぐような姿勢になり、唸り声を上げる。
(ピキッ ピキッ)
音を立てながら顎の皮が裂けていき、露失している肌も卵の殻のように剥がれていく。
「食い潰しやがった、、、」
意識を戻した風間がそう言った。
「どうなってるのよ、何なのこれ」
マヤカは現状に動揺する。
「生身を食い潰した本体が姿を現す、早く敷地から出ろ‼️」
「この砂が邪魔で前が見えないよ」
すると砂鉄のようなものは、マヤカの背後に周り覆うように固まり出した。
「その砂はお前を守ろうとしてる、早く出るんだ‼️」
(バン‼️)
魔物を中心に大きな爆発音が砂煙を上げる。
「琴美‼️、早く札を剥がせ‼️」
風間は焦った口調で叫ぶ。
「迦楼羅炎‼️くそっまだ解けない」
風間の迦楼羅炎は発動しない。
そして砂煙が収まりかけたころ姿を現したのは。
黒い炎に包まれた人型の者、、、
輪郭はあるが激しく燃える炎のため表情までははっきり見えながいが、明らかにヤバいものであるかは確かである。
(ガタガタガタ)
気絶しているジレンマの体が痙攣し始めた。
ジレンマの腹部から、鋭い爪を纏った腕が這い出てくる。ジレンマに巣食う魔物の腕。
「ジレンマ‼️起きろ‼️」
(グサっ)
鈍い音が、響く。
「キャー!」
琴美の悲鳴が。
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