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番外編
ジレンマ beginningエピソード5
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母親の墓参りに訪れた、ジレンマと遙
「差し支えなけばもう少し華さんの事をおしえていただけますか?」
住職は茶を啜り話し始めた。
「華は孤児なのじゃ、それは本人も知っておる。」
境内を紅葉が赤く染めるころ、乳児である
華が一通の手紙と共にこの寺にやってきた。
名前は「華」です、身勝手で申し訳ない、仏様の側で育てて欲しいと。
その手紙を見て住職は母親の気持ちを悟ったという。手垢のついた一枚の手紙、涙であろうそのシミに母親の切なさを感じたのであった。いつの日か迎えに来る時が来るのであれば、その再会の為に立派に育てようと養子に向かい入れたのであった。
そんな華が一人歩きを覚えたころ華の不思議な力に気づいた。
華が触れた、萎れた花が昨日には元気花を咲かせたり、死にかけていた魚が息を吹き返したりと偶然とは思えない数の奇跡が起こったのである。
華の意図なのか分からないが、今現在も本人も気付いていないのでそっとしているようだ。
「その力があるから、ジレンマくんに触れることができるのですか?」
「そこはワシも追求していないが、それが真実なら唯一ジレンマと人間として触れ合える1人であろう」
住職から華の事を聞いたジレンマと遙
パラドックスに向かう家路の事であった。
ジレンマは華と久しぶりにあって
昔の事を振り返っていた、ジレンマも気付いていなかった。
人の温もりを教えてくれたのは華だった。
「ジレンマくん華ちゃんと付き合うとかどう?」
「えっ⁉️何ですか急に」
「今日、華ちゃんと久しぶりにあってからジレンマくんいつもと雰囲気が変わったから、もしかしたら。。。」
「華ちゃんが迷惑ですよ」
あたふたしながらジレンマが答える。
そこに追い打ちをかけて遙がいう。
「華ちゃんも満更でも無さそうに感じたけどなぁ。。。」
ジレンマは少し早歩きしだした。
ドンっ
「ごめんさい」
ジレンマの額が誰かの胸板に当たる。
肉厚のある硬く分厚い胸板だ。
「大丈夫ですか。すみません、私のせいです。」
遙が謝る。
ジレンマの頭ひとつ背の高い男性にジレンマはぶつかってしまったのだ。
ドンっ
ジレンマが男性に突き飛ばされる。
「ちょとあなた何するのよ」
といいつつも
遙はジレンマを助けるのではなく男性の突き飛ばした。手を取りこういった。
「腕に痛みは?」
「あんた、あいつの心配しないで、何で俺の心配してるの?(笑)」
ジレンマの体に触れたのに男性の腕は無事だった。
「お前、なんか見た事あると思ったら4組の相良ジレンマか?」
倒れたまま、ジレンマは男性を見上げると
ジレンマと同じ制服だった。
「あぁ、ごめん、ごめん、つい突き飛ばしかえしちまったよ」
と謝りながら男性はジレンマに手を差し伸べる。
「ジレンマくんダメ‼️」
遙は2人が手を握るのを静止させる。
男性は遙を見ながらこう言った。
「よくわかんねぇが、まぁいいや、じゃあな」
そう言って男は何事もないように去っていく。
「君は。。。?」
ジレンマが問う。
男は立ち止まり。肩口くらいの黒い長髪を後ろで束ねる。
「同じ高校の3組の八神だ、じゃあな」
そういって再度、去っていった。
ジレンマに触れることのできる人物に1日で2人に遭遇した。
八神と華、この出会いが今後、最悪な事件に発展するとはこの時は思いもしなかったのである。
続く
「差し支えなけばもう少し華さんの事をおしえていただけますか?」
住職は茶を啜り話し始めた。
「華は孤児なのじゃ、それは本人も知っておる。」
境内を紅葉が赤く染めるころ、乳児である
華が一通の手紙と共にこの寺にやってきた。
名前は「華」です、身勝手で申し訳ない、仏様の側で育てて欲しいと。
その手紙を見て住職は母親の気持ちを悟ったという。手垢のついた一枚の手紙、涙であろうそのシミに母親の切なさを感じたのであった。いつの日か迎えに来る時が来るのであれば、その再会の為に立派に育てようと養子に向かい入れたのであった。
そんな華が一人歩きを覚えたころ華の不思議な力に気づいた。
華が触れた、萎れた花が昨日には元気花を咲かせたり、死にかけていた魚が息を吹き返したりと偶然とは思えない数の奇跡が起こったのである。
華の意図なのか分からないが、今現在も本人も気付いていないのでそっとしているようだ。
「その力があるから、ジレンマくんに触れることができるのですか?」
「そこはワシも追求していないが、それが真実なら唯一ジレンマと人間として触れ合える1人であろう」
住職から華の事を聞いたジレンマと遙
パラドックスに向かう家路の事であった。
ジレンマは華と久しぶりにあって
昔の事を振り返っていた、ジレンマも気付いていなかった。
人の温もりを教えてくれたのは華だった。
「ジレンマくん華ちゃんと付き合うとかどう?」
「えっ⁉️何ですか急に」
「今日、華ちゃんと久しぶりにあってからジレンマくんいつもと雰囲気が変わったから、もしかしたら。。。」
「華ちゃんが迷惑ですよ」
あたふたしながらジレンマが答える。
そこに追い打ちをかけて遙がいう。
「華ちゃんも満更でも無さそうに感じたけどなぁ。。。」
ジレンマは少し早歩きしだした。
ドンっ
「ごめんさい」
ジレンマの額が誰かの胸板に当たる。
肉厚のある硬く分厚い胸板だ。
「大丈夫ですか。すみません、私のせいです。」
遙が謝る。
ジレンマの頭ひとつ背の高い男性にジレンマはぶつかってしまったのだ。
ドンっ
ジレンマが男性に突き飛ばされる。
「ちょとあなた何するのよ」
といいつつも
遙はジレンマを助けるのではなく男性の突き飛ばした。手を取りこういった。
「腕に痛みは?」
「あんた、あいつの心配しないで、何で俺の心配してるの?(笑)」
ジレンマの体に触れたのに男性の腕は無事だった。
「お前、なんか見た事あると思ったら4組の相良ジレンマか?」
倒れたまま、ジレンマは男性を見上げると
ジレンマと同じ制服だった。
「あぁ、ごめん、ごめん、つい突き飛ばしかえしちまったよ」
と謝りながら男性はジレンマに手を差し伸べる。
「ジレンマくんダメ‼️」
遙は2人が手を握るのを静止させる。
男性は遙を見ながらこう言った。
「よくわかんねぇが、まぁいいや、じゃあな」
そう言って男は何事もないように去っていく。
「君は。。。?」
ジレンマが問う。
男は立ち止まり。肩口くらいの黒い長髪を後ろで束ねる。
「同じ高校の3組の八神だ、じゃあな」
そういって再度、去っていった。
ジレンマに触れることのできる人物に1日で2人に遭遇した。
八神と華、この出会いが今後、最悪な事件に発展するとはこの時は思いもしなかったのである。
続く
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今回は今までと違うテイストですね。
今のところジレンマ脇役?
更新の通知が来てびっくり!
読ませていただきます