39 / 96
廃村の鬼人編 シーズン1
21話 犬神
しおりを挟む
廃村から単独で戻った修羅。
異変に気づき、バールで雨戸をこじ開けた。
座敷の中は真っ暗だが人の気配はある。
室内の蛍光灯のスイッチを入れると
ジレンマ達が倒れていた。
「ジレンマ起きろ‼️何があった」
気絶していたのか微かだが反応はある。
「ジレンマ‼️」
修羅は大声でジレンマを起こす。
「しゅらくん。。。どうしてここに」
寝起きのような喋り口調でジレンマが答える。
「おい、誠、凛子はどこだ?」
周りを見渡しながら修羅が問う。
「凛子さん?」
周りの騒がしさで平田さんも目覚める。
「貞治‼️貞治が。。。」
座敷から凛子と貞治が消えた。
平田さんは座敷を飛び出して周囲を見渡す。
修羅と誠も加勢する。
だが視界の限界地には2人の姿はなく
声がけにも反応がなかった。
「どういう事だ、なんで2人がいない、何も覚えてないか⁉️」
修羅は皆に問う。
「ひと騒ぎあったあと、ここで皆んなでひと段落してて。。。」
「なんて事だ、さだはるやぁ~」
平田さんはショックを隠せず、ただ何処を探せばいいのかも見当もつかない。
何もかに攫われたのか、それとも神隠しあったのか。
聖なる泉が流れる河口近くの村の通り
「お姉ちゃん、本当にここにとうちゃんがいるの?」
「。。。」
「勝手に出てきてじぃちゃんに怒れるょ。。。」
車の後部座席、凛子と貞治の姿はここにあった。
街灯もほぼない、一本道、ガタガタと音を立てて車は進んでゆく。
「修羅くん、京子ちゃんは?」
「。。。実は京子さんと2人であの村に行ったんだ。でもう少し探るから先に戻れと言われ戻ったらこんな状態」
「ジレンマさん、凛子さんの携帯はコールはするですが出ないです。」
誠がジレンマに伝える。
「。。。てか、誠くん頭」
「頭?」
「凛子さんと離れてるのに痛みはないの?」
誠もジレンマに言われ、思い出す。
「そういえば。。痛くないです。」
「どういう事だ。。。」
ジレンマは首を傾げる。
「あまり頼りたくないが、仕方ない、修羅くん‼️誠くんを霊視してみてくれないか」
「一言余計なんだょ、普通に頼めないかなぁ」
修羅は不貞腐れた態度で霊視を始める。
手首にしていた漆黒の魔が玉のブレスレットを外し、両手で挟み、ブツブツと念じ始める。
ジレンマはジャケットの内ポケットから
丸メガネとりだしそしてかけた。
「久しぶりに犬神みたよ、このメガネで見ると迫力あるな」
誠にはうっすら半透明だが修羅の背後に黒い着物を身に纏った、巨大な黒犬が見える。
「誠くんもこのメガネで見てみる?」
ジレンマがメガネを外し、誠に手渡す。
「なんなんですが、このメガネ」
ジレンマから手渡されたメガネをかけると
より一層はっきりとその姿が見えた。
鋭い牙や輪郭そのものは犬だ、違う所と言えば人間と同じように背筋が垂直になっていて
顔の部分だけが犬の顔になってる。
「そのメガネ呪物だからあまりかけてると目が潰れるから気をつけてね」
このメガネの由来
事故により臨死体験をした少年がいた。
死の狭間に足を踏み入れてから少年は霊能力がつき、いつしかそれは莫大な力になっていった。
あまりの霊力で日中夜関係なく霊を見、そして囁かれる。常に霊の存在を感じるようになった。
あらゆる物の魂や訴えまでが頭の中に入ってくるようになり。常にノイズが鳴り響いている状態。
そんな環境で日に日に少年の精神は破壊されて、自らの手で眼球を潰して鼓膜を破った。
だがそれは意味をなさない行為であった。
解決策ではなかったのだ。
目がなくとも、耳がなくとも。
脳には映写され、囁かれる。
そして少年は苦しみから逃れるため自ら命をたってしまった。
遺品のこのメガネは少年の苦しみを追体験できる呪物となった。
「ジレンマ、おかしい事になってる」
修羅が焦る口調でジレンマに伝える。
今回は犬神の力を借りて霊視してる為間違いはないだろう。
修羅の見たものとは。。。
異変に気づき、バールで雨戸をこじ開けた。
座敷の中は真っ暗だが人の気配はある。
室内の蛍光灯のスイッチを入れると
ジレンマ達が倒れていた。
「ジレンマ起きろ‼️何があった」
気絶していたのか微かだが反応はある。
「ジレンマ‼️」
修羅は大声でジレンマを起こす。
「しゅらくん。。。どうしてここに」
寝起きのような喋り口調でジレンマが答える。
「おい、誠、凛子はどこだ?」
周りを見渡しながら修羅が問う。
「凛子さん?」
周りの騒がしさで平田さんも目覚める。
「貞治‼️貞治が。。。」
座敷から凛子と貞治が消えた。
平田さんは座敷を飛び出して周囲を見渡す。
修羅と誠も加勢する。
だが視界の限界地には2人の姿はなく
声がけにも反応がなかった。
「どういう事だ、なんで2人がいない、何も覚えてないか⁉️」
修羅は皆に問う。
「ひと騒ぎあったあと、ここで皆んなでひと段落してて。。。」
「なんて事だ、さだはるやぁ~」
平田さんはショックを隠せず、ただ何処を探せばいいのかも見当もつかない。
何もかに攫われたのか、それとも神隠しあったのか。
聖なる泉が流れる河口近くの村の通り
「お姉ちゃん、本当にここにとうちゃんがいるの?」
「。。。」
「勝手に出てきてじぃちゃんに怒れるょ。。。」
車の後部座席、凛子と貞治の姿はここにあった。
街灯もほぼない、一本道、ガタガタと音を立てて車は進んでゆく。
「修羅くん、京子ちゃんは?」
「。。。実は京子さんと2人であの村に行ったんだ。でもう少し探るから先に戻れと言われ戻ったらこんな状態」
「ジレンマさん、凛子さんの携帯はコールはするですが出ないです。」
誠がジレンマに伝える。
「。。。てか、誠くん頭」
「頭?」
「凛子さんと離れてるのに痛みはないの?」
誠もジレンマに言われ、思い出す。
「そういえば。。痛くないです。」
「どういう事だ。。。」
ジレンマは首を傾げる。
「あまり頼りたくないが、仕方ない、修羅くん‼️誠くんを霊視してみてくれないか」
「一言余計なんだょ、普通に頼めないかなぁ」
修羅は不貞腐れた態度で霊視を始める。
手首にしていた漆黒の魔が玉のブレスレットを外し、両手で挟み、ブツブツと念じ始める。
ジレンマはジャケットの内ポケットから
丸メガネとりだしそしてかけた。
「久しぶりに犬神みたよ、このメガネで見ると迫力あるな」
誠にはうっすら半透明だが修羅の背後に黒い着物を身に纏った、巨大な黒犬が見える。
「誠くんもこのメガネで見てみる?」
ジレンマがメガネを外し、誠に手渡す。
「なんなんですが、このメガネ」
ジレンマから手渡されたメガネをかけると
より一層はっきりとその姿が見えた。
鋭い牙や輪郭そのものは犬だ、違う所と言えば人間と同じように背筋が垂直になっていて
顔の部分だけが犬の顔になってる。
「そのメガネ呪物だからあまりかけてると目が潰れるから気をつけてね」
このメガネの由来
事故により臨死体験をした少年がいた。
死の狭間に足を踏み入れてから少年は霊能力がつき、いつしかそれは莫大な力になっていった。
あまりの霊力で日中夜関係なく霊を見、そして囁かれる。常に霊の存在を感じるようになった。
あらゆる物の魂や訴えまでが頭の中に入ってくるようになり。常にノイズが鳴り響いている状態。
そんな環境で日に日に少年の精神は破壊されて、自らの手で眼球を潰して鼓膜を破った。
だがそれは意味をなさない行為であった。
解決策ではなかったのだ。
目がなくとも、耳がなくとも。
脳には映写され、囁かれる。
そして少年は苦しみから逃れるため自ら命をたってしまった。
遺品のこのメガネは少年の苦しみを追体験できる呪物となった。
「ジレンマ、おかしい事になってる」
修羅が焦る口調でジレンマに伝える。
今回は犬神の力を借りて霊視してる為間違いはないだろう。
修羅の見たものとは。。。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
#この『村』を探して下さい
案内人
ホラー
『この村を探して下さい』。これは、とある某匿名掲示板で見つけた書き込みです。全ては、ここから始まりました。
この物語は私の手によって脚色されています。読んでも発狂しません。
貴方は『■■■』の正体が見破れますか?
変貌忌譚―変態さんは路地裏喫茶にお越し―
i'm who?
ホラー
まことしやかに囁かれる噂……。
寂れた田舎町の路地裏迷路の何処かに、人ならざる異形の存在達が営む喫茶店が在るという。
店の入口は心の隙間。人の弱さを喰らう店。
そこへ招かれてしまう難儀な定めを持った彼ら彼女ら。
様々な事情から世の道理を逸しかけた人々。
それまでとは異なるものに成りたい人々。
人間であることを止めようとする人々。
曰く、その喫茶店では【特別メニュー】として御客様のあらゆる全てを対価に、今とは別の生き方を提供してくれると噂される。それはもしも、あるいは、たとえばと。誰しもが持つ理想願望の禊。人が人であるがゆえに必要とされる祓。
自分自身を省みて現下で踏み止まるのか、何かを願いメニューを頼んでしまうのか、全て御客様本人しだい。それ故に、よくよく吟味し、見定めてくださいませ。結果の救済破滅は御客しだい。旨いも不味いも存じ上げませぬ。
それでも『良い』と嘯くならば……。
さぁ今宵、是非ともお越し下さいませ。
※注意点として、メニューの返品や交換はお受けしておりませんので悪しからず。
※この作品は【小説家になろう】さん【カクヨム】さんにも同時投稿しております。 ©️2022 I'm who?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
すべて実話
さつきのいろどり
ホラー
タイトル通り全て実話のホラー体験です。
友人から聞いたものや著者本人の実体験を書かせていただきます。
長編として登録していますが、短編をいつくか載せていこうと思っていますので、追加配信しましたら覗きに来て下さいね^^*
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる