呪物ショップの店主ジレンマ 新章『呪連鎖編』スタート！

廃村の鬼人編 シーズン1

2話 誠と凛子

僕の名は「誠」16歳
ニートだ、中学時代は登校拒否
高校には行かず現在は引きこもっている。

引きこもっているというか、親が僕のために離れをつくってくれて、ここが僕の居場所になってる。理由は。。

中学の頃、家族旅行でヨーロッパから帰宅してからの事だ。
クラスメイトが僕に近寄ると体調を崩してしまうようになり。変な病気を持ってきたなど噂は瞬く間に広がった、事実僕の周囲の人は体調を崩したり、発疹が出来たりした。そしてこのような暮らしが始まったんだ。

原因は全くわからない。救いなのは何故か親や兄弟には特に影響はない。
だけど僕が家族に気を使わないようにと、ここを与えてくれたんだ。

そんな外界と寸断された僕の楽しみといえば、個性豊かな「凛子」のインスタをみたりLIVE配信に参加すること。

凛子とは若者から注目を浴びているインフルエンサー。少し奇抜で派手な格好をしているがカリスマ性があり、僕は彼女に夢中だった。

彼女は歌や楽器、バラエティやオカルトのLIVE配信なんでも一人で挑戦し、そんな彼女の行動力や必死さに魅了されていた。

歌のLIVE配信の時は周りの風景で場所を特定して人集りができてしまう。

生で見てみたいという願望はあるけど家の外に出る勇気がない。またイジメられたり、冷たい視線を浴びてしまう。そして悪影響を与えてしまう。


「そろそろ、凛子のLIVE配信の時間だ」

時刻は22時

「皆さん！何処から配信してしてるかわかるかな？ちょっと電波も良くないから、見づらいかも知れないけど。。」

凛子の今日の配信は街中というよりは、森林なのか、あたりは真っ暗で人気もなさそうだ。


-「まさか？心スポ」

-「女の子ひとりじゃ危ないよ」

-「凛子ちゃん頑張って！」

-「まさかのオカルト回？」

-「まさか樹海？」

さっそくリスナーのコメントが殺到する。

「ここは昔、集落があった場所で。。こういうのなんていうだっけ？」

-「凛子、廃村だょ」
-「廃村‼️」

「教えてくれてありがとう。
そうそう廃村に来てます！ここでは神社と古井戸のありその周辺で幽霊の目撃が多数あるみたい。わたくし凛子が嘘か本当か突き止めてみせます！」

-「やめれぇ」
-「ここは、やばい」
-「あたま痛くなってきた」
-「取り憑かれるよ」

リスナーの凛子を心配するコメントが殺到する。

女性一人が山奥を徘徊している映像に誠も釘付けになった。

相変わらず飛び交うコメントの嵐。

凛子が急に立ち止まり、手元のライトをある一点に集中させた。

崩れかけた廃屋は闇の中へと吸い込まれ
スポットライトを浴びたのは幅1メートル高さ50センチくらいのコンクリート塊だ。

凛子は何かの気配を感じているのか、先程までの勢いもなく慎重な足取りでその塊に近づいていく。

「多分、これが噂の井戸かな」

凛子は蜘蛛の巣を潜るように近づく。

「周りに木もないのに何この蜘蛛の巣！」

凛子のスマホを通じてその全貌が明らかになった。

奥行きは1メートルくらいあり、大きな鉄板のような物で蓋されている。

-「蓋を開けてみて」
-「そこからすぐにはなれて」
-「ヤバさしか感じられない」
-「凛子あけたらバズるぞ」

コメント欄は凛子を揺さぶるようなものが飛び交う。

凛子はスタンドにカメラを固定して説明しました。

「ネットの情報によるとね。この井戸なんだけど、この集落に一個しかなかったみたいで、誰かが激ヤバの毒を入れたみたいです。それでみんなこの村からいなくなったみたい」

凛子の言いたかった事を訂正し要略すると
まだ、この集落が活気に満ちていた昭和50年代に世間を騒がす或る事件が起きた。

山神信仰を主としていたこの部落には禁足地と呼ばれる場所が存在していた。
そこは神主が一年に一度だけ入る事を許される場所だ。
神主がそこに訪れ何をするかは神主以外わかない。

禁足地ということで若者や子供のようにこの村しか知らない者にとっては興味をもってもおかしくはない場所。

村の数少ない若者の
神主の娘　A子　そしてBとCの男児
3人は歳にして17歳も禁足地に興味を持っていた。

納涼祭の前日、神社の境内で3人は
禁足地の話をしていた、もちろん神主の娘のA子は反対をしたが、BとCは納涼祭の演舞を行う際、村人が舞台にあつまる時間がある。そのタイミングを利用して禁足地にいこうという。

BはA子に想いを寄せ、村で数少ないスリルというのを味合わせたかったのと逞しい男児としての自分を見てほしいという子供じみた発想で今回の計画を立てたのであった。

CはBの言う事ならいつも文句を言わずについてくる。半ば強引ではあるがA子も誘いに乗ってしまった。

納涼祭当日、小さな村は一年で最高の盛り上がりを見せていた。

そして村の住民の視線が演舞に集中した。
チャンスと言わんばかりに3人は禁足地に向かった。日も沈みあたりは漆黒の闇。

初めて訪れる森で獣道を探す。
「あれでねぇか？」
Cが大木のところに釘付けされた赤い布切を見つけた。

神主以外の住民が通らないためか、茂みになりかけている獣道道を見つけた。

その獣道は少し進むと白い玉砂利が敷き詰めてあり、立派な道に変わって行った3人は奥へと歩いていく。

「ここでまちがいねぇ」
Bは心躍らせながら、怖がるA子の手を取り玉砂利の道を進む。
この時まではBの想定どおりだ。

「禁足地」
その場所はどんなところなのか、何があるのかも3人はしらない。
そこは神主一族しか目にしてないのだ。

禁足地で3人を待ち構えているものとは？
3人の運命はいかに！