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16 番った理由
しおりを挟む「お前に拒絶されなくてよかったよ。……嫌がったところで、お前は俺から逃げられないんだからな」
それは、脅すような声だった。
胸がズキリと痛んだ。
一瞬身体が強ばったのを、ガウスがどう受け取ったのかは分からない。それに気付いた彼は、挑発するように笑っていた。そのくせ、どこか苦しそうにも見えた。
言ってることも表情も声色も、こめられてる感情がバラバラで、ガウスの気持ちがわからない。
それがこわくて、しがみついていた身体をほんの少し離して、その瞳をのぞき込む。でも離れるのも怖くて、ガウスのシャツの胸元を両手で握りしめた。
うれしいって話をさっきまでしてたのに。やっと両思いになれたって思ったのに。なんでそんな言い方をするの? なんでそんな顔をするの?
「……お前の意思を無視して、俺が決めた。……怖いか」
私は泣きたい気持ちで首を横に振る。なのにガウスは、そんな私の気持ちを信じていないみたいな顔して笑っている。こわくはないのは本当だ。ただ、ガウスの気持ちがわからないのが怖い。
「……ガウスは、なんで私を番にしたの?」
なんで嫌そうな顔をして、そんなことを言うの? 私が番なのが本当はいやだったの? なら、どうして番になんてしたの?
不安でいっぱいの私を、ガウスが嘲笑った。
「やっぱり、怖くなったか? けどな、変えられねぇよ。お前が俺の番だって言う事実は。……知らないままのほうが、よかったかもな」
「そんなこと、聞いてない」
「お前は、ずっと俺に囲われていたんだよ。これから先も自由はない。……それが、俺の番ってことだ。……今までは知らせてなかったから俺も自制できた。だが、これからはお前が嫌がったとしても、お前を俺の番として扱っていく」
違う、そんなことを聞きたかったわけじゃない。ガウスの番ってわかったことは、私にとって嬉しいことなのに、なんでそんな言い方をするの?
訳が分からないまま、私は首を横に振る。
何かが食い違っていることが分かる。でもそれがなんなのかよく分からない。
ただ、そんな顔をされたくなかったのは確かだ。
笑って「当然だ」って言って欲しかっただけだった。それだけだった。
ガウスのバカ。なにが「怖くなったか」よ。
シャツを握りしめたこぶしが震えた。考えれば考えるほど、惨めになってくる。
なにが「お前が嫌がったとしても」よ。私よりよっぽどガウスの方が……!
「ガウスの方が嫌そうな顔をしてる!! ガウスの方が、番を変えたそうな顔をしてる!! ホントは、ガウスの方がいやだったんじゃないの?!」
「……は?」
たまらず叫んだ私を、ぽかんとした顔でガウスが見た。その様子が、なんか余計に腹立たしい。
「私が番なのいやなくせに、番にして困ってるのは、ガウスの方じゃないの?!」
やっと番になったって安心したばっかりなのに、また気持ちは突き落とされて、涙が込み上げてきた。
睨みつける先で、ガウスが思いもよらないみたいな顔して私の方を見たけど、思いもよらないことを言われてるのは、私の方だ。
「なんで、そうなる」
「なんでって……あからさまに嫌そうな顔してるの、ガウスの方だよ……!」
声が震えて、ちゃんと喋ろうとするのに、喉が痛くて、引きつりそうだ。
「嫌なわけ、ないだろ」
「でもしてる!」
「……してねぇって……」
「うそ。私、ガウスの番でうれしいのに、いやだったみたいな言い方した!」
またボロボロとこぼれだした涙に、ガウスが戸惑っている。
ざまあみろって思う。
ガウスなんて、困っちゃえばいい。全部全部、ガウスのせいなのに。
「……狼の、動物の番だぞ」
「だからなに」
「人間なら、いやだろう」
「……なに言ってるの? 気にしてないって、言った」
睨みつける私と、探るような目で見てくるガウスと。しばらく見つめ合って、ガウスが溜息をついた。
「いや、そうだが、……違うんだ。本能だぞ、理屈は通用しない。本当にわかっているのか?」
「嬉しいって言ってる! そうなれたら良いなって思ってた! 知ってるでしょ? 私がガウスをずっと好きだったの、分かってたよね? 番って言ったくせに、なんでそんなこと言うの……!」
「……そうじゃない!」
責め立てる私の言葉に、一瞬ガウスが顔をゆがめた。そして一瞬の逡巡の後、堪えきれなくなったかのように吐き捨てた。
「お前が、人間だからだ……!!」
「……私が、獣人じゃないから……?」
ガウスの言葉に衝撃を受けて、絞り出した声は思った以上に、か細く震えた。
「違う、そういう事じゃないっ」
「じゃあ、どうして人間だとダメなの!」
「そういう問題じゃないんだ……!」
「ガウスの言ってること、意味わかんない!」
「ミーナ……。俺は……」
言いかけて、ガウスは口をつぐんだ。
「俺は、狼だぞ」
「だから、分かったって言ってる!」
「そうじゃねぇ。……お前を、苦しめたくねぇんだよ。……人間と違って、狼の番は唯一無二だ。お前が離れたくなっても離してやれねぇんだよ……。俺の本能は、お前を束縛する。お前は人間で、俺は獣だ。本能が、根本的に違うんだよ……」
唯一無二。……ガウスが、生涯で、伴侶にするのは私だけ。
その言葉で、ようやくガウスの言いたいことがわかった。
ガウスは本能で私だけを選んで、でも私は伴侶を何度でも変えられる人間で……。
わかってしまって、……悔しい、と思った。
「……それの、どこがダメなの」
確かに前の世界だったら口で「お前だけ」なんて言われても、絶対はない。
でもガウスの言う「お前だけ」は、絶対だ。
今、私は、ガウスから本能という絶対の安心感を与えられていた。でも私は、ガウスにはそれを与えることが出来ない。
その違いは、とてつもなく恐ろしいことだ。ガウスにとっても、私にとっても。
私の気持ちがガウスから離れたとしても、ガウスは私を手放すことが出来ないのだ。ガウスの口ぶりからすると、そうなったときのガウスは私を傷つけてしまうほど束縛してしまうのだろう。
にもかかわらず、勝手に番と決めてしまった罪悪感が、ガウスにはあるのだろう。だから、露悪的にこんな事を言うのかもしれない。
だから、なんだって言うの。
悔しい。だって私の気持ちは、その程度と思われてしまったということだ。
「……ガウスのばかっ」
震える声を、必死で絞り出してガウスを詰った。
「私が! ガウス以外選べるわけないじゃない! 本能なんかより、ずっとずっと切実なんだからね! だいたいなにその理由! 私ガウスの番なんだよね? 今更変えられないんだよね?! だったらそんなこと今更うだうだ言ったって意味ないよね?! 私が唯一無二なんて、大歓迎だよ! 私は! ガウスだけで良いの!! 先の事なんて知らない! でも私はガウスしかいないし、ガウス以外いらない! 今まで通り囲っといてくれたら良いじゃない! 私は安心するだけでしょ! なにが問題だって言うの!」
頭に浮かんだことを、ただ怒鳴りつけていく。
叫び終わって、私は肩で息をしながらガウスを睨む。
この世界の強者であるガウスは、分かってない。
私は、確かに絶対の安心を与えてあげるのは無理だろう。でも散々囲い込んでおいて、ガウスから離れられないようにしておいて、今更そんなことを言うなんてずるい。
ガウスが本能で私だけに定めてしまったというのなら、私だって本能だ。生きるための本能で、ガウスしかいないと選んでいる。
そうさせたのは、ガウスだ。
ガウスがいないと、この世界で生きていけないようにしたくせに。
ガウス以上の護りがないと死んでしまうようなこの世界で、中途半端なことされて、困るのは私の方なのに。
ガウスが私に、そう選ばせたくせに。
そのくせして、こんな風に今更変えられないことを暴露して。
睨みつける私の視線を受けて、ガウスが苦しげに顔をゆがませた。
「囲われていると自覚するのは、息苦しいだろう? 俺はお前の自由を、奪ってい……」
「囲われてない方がこわい!! この世界ってだけで十分息苦しい!! 囲われてる方が断然楽!! ガウスの考えは、強者の考え!!」
ガウスの言葉を遮って怒鳴れば、大きいガウスの身体が、仰け反るように引いて固まった。
「……そ、そうか」
「そうだよ。囲われてなかったら、死ぬって言ったのは、ガウスだよね」
「……悪かった」
「謝って欲しいわけじゃない」
「……」
「私は!!」
怒鳴りながら、声が切れた。涙が出てきて喉がつまる。
「わた、しは……っ、が、ガウスのっ番だってっ、胸を、はって、言いたいだけっ、なの、にっ。ガウスにもっ、そう言ってほしかった、だけっなのに!!」
「……」
「ばか!!!!」
「悪かった」
「ホントだよ!! ガウスが、悪い!! なんでっ、わけわか、ない、脅しなんかっ、して、くるの!!」
勝手なことを言う私の甘えを、ガウスはとても困った顔をして聞いていた。心配してくれてるって、わかってる。でも、それでも腹立たしかった。
「ガウスが狼だとかっ、未来がどうなるか、わからない、とかっ、そんなこと、今はっどうだっていいの! 私の聞きたいことをっ、ちゃんと、答えて! 私は、ガウスの番になれて、うれしい! ……ガウスは?! ……うれしくないの?!」
「……うれしいに、決まっている」
「最初っから! そう言えばいいんだよ!!」
怒鳴る私を、ガウスは呆然とした顔で見下ろしていた。
「……そうか。……そうだな」
そして初めて気付いたみたいに呟いてから、クシャリと顔を歪ませて、笑った。
泣きそうな顔に見えた。でも、やっとガウスがちゃんと笑っていた。
私もほっとして笑って、なのに、またボロボロ涙がこぼれた。
昨日から涙腺がおかしくなってる。情緒不安定すぎる。涙が止まらない私をガウスが抱き寄せた。
胸元に顔を埋めながら、ガウスの鼓動を感じる。それは、私と同じぐらい、はやい音を立てていた。
後になって気付いたけど、これは、ガウスが初めて吐いた、弱音だったのだと思う。
私の気持ちひとつに怯えるほど、ガウスに想われていた。私にとってくだらないことでも、ガウスにとっては、私の気持ちを失うかどうか怯えるほどのことだったってことだ。
「お前が、俺をどういうつもりで慕ってくれているのか、わからなかったんだよ」
ぽつりと頭の上からふってきた呟きに、私は顔を上げた。
なにそれ。
「うそ。私、あからさまだったと思うけど。ガウスの方が、私のこと遠ざけてたくせに!」
「襲ったら困るだろうが」
「困らないよ!」
そうだよ。いっそ襲ってくれてたら、問題なく私は番になれてたんだよね? 私が成人してるのに寄生してる……なんて悩まずにすんで、ガウスと離れなきゃなんて考えずにすんだんだよね?!
成人してるんだから、正式に番にしてくれてたらよかったんだよ!!
怒鳴り返した私に、ガウスが、衝撃を受けていた。
「……なん、だと?」
「なにその反応!! なんで困ると思うの!」
「いや、だって、お前……」
ガウスが口をつぐんだ。そして、ほんの少し上半身を離して、じっくりと私を上から下まで眺めて、無言のままに考え込んだ。
なに、その反応……。
「……成人、してたな」
挙げ句、この言葉。
「ひどい!! ガウスまで、私のこと見た目で判断して……!!!!」
今、確認したよね?! その目は「これ、成人してたか?」みたいな目だよね?! 獣人の、というか、そもそも周りの獣人達と人種違うから、見た目からして子供っぽく見えるのは分かってるけど、でも私が成人してるの、一緒に暮らしてたガウスは、分かってるよね?! それを忘れてたって事だよね?!
めちゃくちゃ子供扱いしてたって事だよね?! ひどくない?!!!!
気にしていることを、一番気にしている原因に指摘されて、ムカッとする。なのに、ガウスは突然楽しそうに笑い出した。
「そうか、身体が成人してても、まだ子供だと思っていたんだがなぁ……。はっきりさせることから逃げる為の、言い訳だったのかもな」
クックと楽しそうな笑い声が頭の上から落ちてきて、優しく笑うガウスの目が、私の視線をとらえた。
むっとしていた私だけど、思いがけない柔らかなガウスの笑みに、思わずひるむ。
ガウスは、シャツを握りしめた私の手を、両手でそっと包み込んでから、コツンと額を合わせてきた。
包み込まれた手がスリスリと親指で撫でられて、額をくっつけていたガウスの頭がするりと下がって、互いの頬をすり寄せるように頬ずりをしてくる。伸びた無精ヒゲが、ジョリジョリと頬を刺激して、耳元をガウスの吐息がくすぐる。
くすぐったい。でも、すごく安心する。
ガウスに手を握られたまま、シャツを握りしめて耐えていると、笑う吐息が私の耳元をくすぐった。そしてもう一度額を合わせてくる。
「ミナコ。お前が、お前だけが、俺の番だ」
ミナコ。実奈子。それは、私の本当の名前だ。発音をしにくいから、聞き取れないからと、普段呼ばれることのない名前だ。
自分以外の口から出てくる「実奈子」の音は、ひどく懐かしくて、愛おしい響きがした。
ガウスが、それを今この瞬間呼んでくれたことが、とてもうれしかった。
固まってしまった私に、ガウスが小さく笑って跪く。
私の手を包み込んだまま見上げてきて、まぶしそうに目を細めて微笑んだ。
「養い子はやめて、俺の番になるか?」
声が出なくて、何度も頷いた。涙が出そうで必死に堪えながら、何度も頷いた。手が解かれて、下からすくい上げるように抱きしめられて、私も覆い被さるようにガウスにしがみついた。
ようやく、本当の居場所ができたんだって、思えた。
これからも、ずっとずっと、ガウスが、私の帰る場所なんだ。ガウスの腕の中が、私がいてもいい場所なんだ。
堪えきれず泣き出した私をガウスが強く抱きしめる。低いガウスの声が、かすかに聞こえた。
「俺はこの世でお前が一番恐ろしい。俺を拒絶するな。俺だけを見ろ。ミナコ……俺の番」
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