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第1話 いつもの日常は唐突に壊れ
4 夜と紫煙
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「へっくし!」
大きなくしゃみとともに目が覚めた。掛け布団も掛けずに眠ってしまったせいだ。少し寒い……。
時計を見ると、3:00時過ぎだ。
クリムベールちゃんから借りたパジャマに着替え、改めてベッドに潜り込んだ。
………………
…………眠れない……。
静かだなぁ。コチコチと時計が秒針を刻む音と、フクロウらしき鳥の鳴き声が時折、かすかに届くだけだ。
もう眠れそうにないや。そうだ、中庭に出て外の空気でも吸ってこようかな。
廊下に出ると、中庭を目指して歩を進める。
本当に広い屋敷だなぁ。アレックスって実は貴族か何か?
迷わないように注意しながら移動したので、無事に中庭にたどり着くことができた。
中央に噴水があり、そこから出ている水しぶきが夜の闇にキラキラと光る。その周りには花壇が作られ、鮮やかな花を咲かせている。クリムベールちゃんがお世話をしてるのかな?
ひょこひょこと噴水に近づく。
「どうした? 眠れないのか?」
突然背後から声を掛けられ、驚いて飛び跳ねた。
「うわ、ビックリしたあ……!」
アレックスだった。
壁を背にして煙草を吸っている。ワイシャツみたいな真っ白なシャツと、黒いズボンという、随分と身軽な格好だ。初対面の時に着ていた、かっちりとした黒装束に比べるとかなり印象が変わる。
にしても、あん時は怖かったよ……。だって大鎌まで持ってたもんね。マジで死神がお迎えに来たかと思った。
「何してんの?」
アレックスに近づいて訊ねた。
「見てわからんか? 煙草を吸っている」
アレックスは私に視線を向けず、空を見ながら答えた。私もつられて空を見上げる。
空には多くの星が瞬いている。その光景は圧巻の一言が相応しい。
「凄っ! 何この星の群れ! 手ぇ伸ばせば掴めそう!」
思わず手を伸ばす。しかし次の瞬間ハッと我に返り、アレックスの方へ視線を向けてみた。ばっちりと目が合う。あちゃー、しっかり見られてたか……。
「その発想、実に子供らしいな。面白いことだ」
アレックスはちっとも面白くなさそうに呟き、再び空を見上げ煙草を吹かす。
「い、いいでしょ別に。だってこんなの見たことないんだもん!」
「お前の住む世界には、星はないのか?」
「あるけど、こんな風に綺麗には見られないよ。まあ、私が住んでたとこではね。だからこんな凄い星空、プラネタリウムでしか見たことないの」
「ぷらねたりうむ?」
「星空や天体の動きを見るための施設だよ」
「ほう、お前の居たチキュウとやらには、そんな場所があるのか」
「っていうかさ、この世界って、本当に月が二つあるんだねぇ。ビックリした!」
そう、このティル・リ・ローナには月が二つある。実際に見るまではちょっと信じられなかったけどね。だけど、本当に空には白い月と黒い月浮かんでいる。
「月が二つあるのは当然だと思うが……」
「それはアレックスがこの世界の住人だからじゃない? 逆にアレックスが地球にきたら、色々驚くと思うよ?」
「ああ、そうかもな」
それきり会話が途切れ、しばらく沈黙が続く。
ちらりとアレックスを見る。空を見上げているアレックスの顔は、相変わらず無表情で何を考えているかわかららない。端正な顔立ちだから、みとれてしまうくらい綺麗だけど、まるで仮面みたいだ。
アレックスは煙草の箱から一本取り出した。その際、私に一瞥をくれ、
「なんだ?」
「あ、いや、アレックスって煙草吸うんだなぁ、と思って……」
「意外だったか?」
「まあね。ほら、話し合いの時とかは、吸ってなかったし」
「私は人前では煙草を控えているからな」
「へえ、なんか意外。あんたそういうことに無頓着そうなのに。でもさ、今、私居るけど?」
「それは、私が煙草を吸っている時に、のこのこやって来たお前が悪いんだ」
「何その理屈……」
アレックスは煙草をくわえると、親指を隠すように握り、しゅっと親指を引き抜いた。すると、親指の先端に火が灯る。それで煙草に火を付け吸い始めた。
「ちょッ! 何々今の!? 魔法? もしかして魔法なのっ!? もっかい! もっかい見せて、お願いッ!」
不思議な現象を目の当たりにし、私は思わずアレックスに飛びつく。
「何をする。危ないではないか。わかったわかった。見せてやるからいい加減離れろ」
アレックスは再びさっきのように火を点けてみせた。
「すご~い! ねえ、これってやっぱ魔法?」
興奮して思わず手を叩く。
「まあ初歩中の初歩といった感じの術だ。この程度の術がそんなに珍しいのか?」
「そりゃもう! 地球では魔法なんて存在しないからね」
「そうか。それは……なんというか信じ難い世界だ。だが、お前からはまったく魔力を感じられんからな。そういう世界もあるということか」
「この世界の人ってみんな魔法が使えるの?」
「まあ、生まれ持った資質によるところが大きいが、初歩の術なら大抵の者が使えると思うぞ」
アレックスは淡々とそう答え煙草を吸う。そして吸い殻を掌サイズの銀色のケースに入れた。
「それ、携帯灰皿ってやつ?」
「そうだ」
「ふ~ん、その辺にポイ捨てしそうな感じなのに。人前で喫煙しないこともそうだけど、何気に喫煙マナーだけはいいんだね。ちょっと見直した」
「……誉められている気がせんな。大体その辺に無造作に捨ててみろ。火事になるかもしれんだろう」
「あ、それもそうだね」
「この屋敷は深い森の中にあるんだ。火事になるということは、この森に生息する多くの動植物達の命を奪うことと同義だ。そんな惨事を招くような軽率な行動は慎まねばならない。命の重さは、人も動植物も全て等しい存在だと私は思うのでな」
意外過ぎる言葉だった。正直、こいつは第一印象もその後の印象も最悪だったから見直した。ただの自己チュー男じゃなかったんだね。
「……そっか。うん、そうだね」
何だか少し嬉しくなった。
「そういえば、、ここで研究者みたいなことをしてるって言ってたけど、どんな研究してんの?」
「なんだ突然……」
「だって気になるでしょ? これから一緒に暮らす人が、何をしてる人なのか」
「お前には関係のないことだ」
「うわ、絶対そう言うと思った。……あ、まさか、人に言えないような、後ろ暗いヤバげな研究してるんじゃないでしょうね?」
「そんなことをしていたら、今頃私は牢獄に繋がれているぞ。安心しろ。法に触れるようなことは何もしていない」
「そっか、それならいいんだけど。……あ~あ、気になるなぁ」
少し不満げに呟いた。アレックスは何も言わない。
しかし、微妙な間が開いたその時、
「……一族を救済する方法を探している」
細い声でアレックスは呟いた。
「え……? それって、エルセノアのこと?」
「ああ」
アレックスは短く答えると、それ以上は何も言おうとしない。
私もその先は何も訊かなかった。というより訊けなかった。私達は出会って間もない間柄なのだ。あまり踏み込んだ話は控えた方がいいに決まっている。
あくびが一つこぼれた。心なしか睡魔が襲ってきている。
「さてと、私、そろそろ寝るね」
「ああ」
「じゃあ、おやすみ……」
中庭を出ようとした時だった。
「ユウコ」
不意に呼び止められた。
「何?」
私は振り返る。
「夜間着に着替えても下着は着けていた方がいい。透けて丸見えな上に、早くから下垂するようになるぞ」
アレックスは無表情に淡々と、余計なお世話的セクハラ発言を炸裂させた。
「こっ……、こ、このスケベッ! あと、垂れるって大きなお世話だよっ!」
反射的に胸を隠す。恥ずかしさで火の玉になったように顔が熱い。恥辱と屈辱のあまり駆け出した。
部屋に戻るなり私は、ベッドに潜り込み、枕に顔を埋める。
ホンット、最低ッ! 何?何なの、あいつ!? なんでそういうこと言っちゃうワケ!? まっ、丸見えって……私、カンペキ見られてんじゃん! もう、サ・イ・ア・ク! っつーか、最後垂れるとか言ってたよね!? 何ソレ!? 大きなお世話だし! 普通女子に面と向かって言う!? 言わねーよッ! もし言ったとしても、そんなん脂ぎったエロおやじだけだよっ! 澄ました顔してあの男、とんだセクハラ野郎だよ!
屈辱で頭がカッカして仕方ない。
しかし、しばらくすると睡魔がうまい具合に私を眠りにつかせてくれた。
☆★☆
こうして私は唐突に、異世界・ティル・リ・ローナで生活をする羽目になってしまったのだ。
大きなくしゃみとともに目が覚めた。掛け布団も掛けずに眠ってしまったせいだ。少し寒い……。
時計を見ると、3:00時過ぎだ。
クリムベールちゃんから借りたパジャマに着替え、改めてベッドに潜り込んだ。
………………
…………眠れない……。
静かだなぁ。コチコチと時計が秒針を刻む音と、フクロウらしき鳥の鳴き声が時折、かすかに届くだけだ。
もう眠れそうにないや。そうだ、中庭に出て外の空気でも吸ってこようかな。
廊下に出ると、中庭を目指して歩を進める。
本当に広い屋敷だなぁ。アレックスって実は貴族か何か?
迷わないように注意しながら移動したので、無事に中庭にたどり着くことができた。
中央に噴水があり、そこから出ている水しぶきが夜の闇にキラキラと光る。その周りには花壇が作られ、鮮やかな花を咲かせている。クリムベールちゃんがお世話をしてるのかな?
ひょこひょこと噴水に近づく。
「どうした? 眠れないのか?」
突然背後から声を掛けられ、驚いて飛び跳ねた。
「うわ、ビックリしたあ……!」
アレックスだった。
壁を背にして煙草を吸っている。ワイシャツみたいな真っ白なシャツと、黒いズボンという、随分と身軽な格好だ。初対面の時に着ていた、かっちりとした黒装束に比べるとかなり印象が変わる。
にしても、あん時は怖かったよ……。だって大鎌まで持ってたもんね。マジで死神がお迎えに来たかと思った。
「何してんの?」
アレックスに近づいて訊ねた。
「見てわからんか? 煙草を吸っている」
アレックスは私に視線を向けず、空を見ながら答えた。私もつられて空を見上げる。
空には多くの星が瞬いている。その光景は圧巻の一言が相応しい。
「凄っ! 何この星の群れ! 手ぇ伸ばせば掴めそう!」
思わず手を伸ばす。しかし次の瞬間ハッと我に返り、アレックスの方へ視線を向けてみた。ばっちりと目が合う。あちゃー、しっかり見られてたか……。
「その発想、実に子供らしいな。面白いことだ」
アレックスはちっとも面白くなさそうに呟き、再び空を見上げ煙草を吹かす。
「い、いいでしょ別に。だってこんなの見たことないんだもん!」
「お前の住む世界には、星はないのか?」
「あるけど、こんな風に綺麗には見られないよ。まあ、私が住んでたとこではね。だからこんな凄い星空、プラネタリウムでしか見たことないの」
「ぷらねたりうむ?」
「星空や天体の動きを見るための施設だよ」
「ほう、お前の居たチキュウとやらには、そんな場所があるのか」
「っていうかさ、この世界って、本当に月が二つあるんだねぇ。ビックリした!」
そう、このティル・リ・ローナには月が二つある。実際に見るまではちょっと信じられなかったけどね。だけど、本当に空には白い月と黒い月浮かんでいる。
「月が二つあるのは当然だと思うが……」
「それはアレックスがこの世界の住人だからじゃない? 逆にアレックスが地球にきたら、色々驚くと思うよ?」
「ああ、そうかもな」
それきり会話が途切れ、しばらく沈黙が続く。
ちらりとアレックスを見る。空を見上げているアレックスの顔は、相変わらず無表情で何を考えているかわかららない。端正な顔立ちだから、みとれてしまうくらい綺麗だけど、まるで仮面みたいだ。
アレックスは煙草の箱から一本取り出した。その際、私に一瞥をくれ、
「なんだ?」
「あ、いや、アレックスって煙草吸うんだなぁ、と思って……」
「意外だったか?」
「まあね。ほら、話し合いの時とかは、吸ってなかったし」
「私は人前では煙草を控えているからな」
「へえ、なんか意外。あんたそういうことに無頓着そうなのに。でもさ、今、私居るけど?」
「それは、私が煙草を吸っている時に、のこのこやって来たお前が悪いんだ」
「何その理屈……」
アレックスは煙草をくわえると、親指を隠すように握り、しゅっと親指を引き抜いた。すると、親指の先端に火が灯る。それで煙草に火を付け吸い始めた。
「ちょッ! 何々今の!? 魔法? もしかして魔法なのっ!? もっかい! もっかい見せて、お願いッ!」
不思議な現象を目の当たりにし、私は思わずアレックスに飛びつく。
「何をする。危ないではないか。わかったわかった。見せてやるからいい加減離れろ」
アレックスは再びさっきのように火を点けてみせた。
「すご~い! ねえ、これってやっぱ魔法?」
興奮して思わず手を叩く。
「まあ初歩中の初歩といった感じの術だ。この程度の術がそんなに珍しいのか?」
「そりゃもう! 地球では魔法なんて存在しないからね」
「そうか。それは……なんというか信じ難い世界だ。だが、お前からはまったく魔力を感じられんからな。そういう世界もあるということか」
「この世界の人ってみんな魔法が使えるの?」
「まあ、生まれ持った資質によるところが大きいが、初歩の術なら大抵の者が使えると思うぞ」
アレックスは淡々とそう答え煙草を吸う。そして吸い殻を掌サイズの銀色のケースに入れた。
「それ、携帯灰皿ってやつ?」
「そうだ」
「ふ~ん、その辺にポイ捨てしそうな感じなのに。人前で喫煙しないこともそうだけど、何気に喫煙マナーだけはいいんだね。ちょっと見直した」
「……誉められている気がせんな。大体その辺に無造作に捨ててみろ。火事になるかもしれんだろう」
「あ、それもそうだね」
「この屋敷は深い森の中にあるんだ。火事になるということは、この森に生息する多くの動植物達の命を奪うことと同義だ。そんな惨事を招くような軽率な行動は慎まねばならない。命の重さは、人も動植物も全て等しい存在だと私は思うのでな」
意外過ぎる言葉だった。正直、こいつは第一印象もその後の印象も最悪だったから見直した。ただの自己チュー男じゃなかったんだね。
「……そっか。うん、そうだね」
何だか少し嬉しくなった。
「そういえば、、ここで研究者みたいなことをしてるって言ってたけど、どんな研究してんの?」
「なんだ突然……」
「だって気になるでしょ? これから一緒に暮らす人が、何をしてる人なのか」
「お前には関係のないことだ」
「うわ、絶対そう言うと思った。……あ、まさか、人に言えないような、後ろ暗いヤバげな研究してるんじゃないでしょうね?」
「そんなことをしていたら、今頃私は牢獄に繋がれているぞ。安心しろ。法に触れるようなことは何もしていない」
「そっか、それならいいんだけど。……あ~あ、気になるなぁ」
少し不満げに呟いた。アレックスは何も言わない。
しかし、微妙な間が開いたその時、
「……一族を救済する方法を探している」
細い声でアレックスは呟いた。
「え……? それって、エルセノアのこと?」
「ああ」
アレックスは短く答えると、それ以上は何も言おうとしない。
私もその先は何も訊かなかった。というより訊けなかった。私達は出会って間もない間柄なのだ。あまり踏み込んだ話は控えた方がいいに決まっている。
あくびが一つこぼれた。心なしか睡魔が襲ってきている。
「さてと、私、そろそろ寝るね」
「ああ」
「じゃあ、おやすみ……」
中庭を出ようとした時だった。
「ユウコ」
不意に呼び止められた。
「何?」
私は振り返る。
「夜間着に着替えても下着は着けていた方がいい。透けて丸見えな上に、早くから下垂するようになるぞ」
アレックスは無表情に淡々と、余計なお世話的セクハラ発言を炸裂させた。
「こっ……、こ、このスケベッ! あと、垂れるって大きなお世話だよっ!」
反射的に胸を隠す。恥ずかしさで火の玉になったように顔が熱い。恥辱と屈辱のあまり駆け出した。
部屋に戻るなり私は、ベッドに潜り込み、枕に顔を埋める。
ホンット、最低ッ! 何?何なの、あいつ!? なんでそういうこと言っちゃうワケ!? まっ、丸見えって……私、カンペキ見られてんじゃん! もう、サ・イ・ア・ク! っつーか、最後垂れるとか言ってたよね!? 何ソレ!? 大きなお世話だし! 普通女子に面と向かって言う!? 言わねーよッ! もし言ったとしても、そんなん脂ぎったエロおやじだけだよっ! 澄ました顔してあの男、とんだセクハラ野郎だよ!
屈辱で頭がカッカして仕方ない。
しかし、しばらくすると睡魔がうまい具合に私を眠りにつかせてくれた。
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