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10 尋問のお時間なのですわ!?
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「ふぅん……つまりは我儘が過ぎたから、って僕に気を遣ってくれたってこと?」
「えぇと、まぁ、はい…」
最近お手紙の頻度が減ったのも、お茶会を無くしたのも、それらをオレグ様に強要したせいでわたくしの評判が現在相当悪くなっており、それによってオレグ様にご迷惑がかかってしまうのは申し訳ないという理由で距離を置かせていただいている……と、いうような説明をさせていたたきましたわ。
まさか「将来オレグ様は聖女様と恋仲になり、嫉妬に狂ったわたくしは処刑される予定だからですわ!」とは言えませんものね…。
………あら?思えばこれはチャンスなのでは?この流れならいけるのでは??今こそあの提案を……!
わたくしは隣にいるオレグ様に体ごと向き合い、真っ直ぐに見つめます。
………………あらやだ、イケメン。じゃなかった。しっかりなさい!わたくし!
「オレグ様。わたくし、このように皆様からの評判が芳しくありませんし、見た目もこんなんですから…ガルロノフ公爵家に……いいえ、オレグ様に相応しくありませんわ。オレグ様のお名前に傷がつかないよう、責は全てわたくしが負いますので、この機会に婚約破棄をお考えになった方が………」
「婚約、破棄………………………?」
「ひょわっ!?」
なななななな!?
オレグ様からただならぬ冷気が!?オレグ様は氷ではなく、水魔法の使い手ではございませんでした!?
若干俯いていてお顔が見えませんが、こ、こ、怖い………!なんだか黒いオーラの幻覚が見えますわ!?
なぜオレグ様が魔王のようになっているのかは分かりませんが、とてつもなくマズい状態なのだけは分かりますわ。
王家の広い馬車とはいえ、安全を確保するための距離をとるには狭い密室。
無駄な足掻きとは分かっておりますが、出来るだけオレグ様から距離をとらせていただきますわ!
「ねぇ…僕から逃げるの?」
「ひぃぃぃぃいいい!!?ままままさかそんな!そんなわけございませんわおほほほほほほ!!」
笑顔で腕を掴まれましたわ!!?でも目が!!目が笑ってませんわ!?
こぉーーーーわぁーーーーいぃぃぃぃいぃいぃ!!!
何がオレグ様の逆鱗に触れましたの!?普段穏やかなオレグ様が怒るなんて…相当ですわ!?
やはりプライド!?プライドですの!?
こんなデブスに振られるなんて的な!?
ごめんなさいごめんなさいもうしませんからぁぁぁ!!どうぞオレグ様から振ってくださいませぇぇぇ!!!
「余裕のある大人のフリをしてもっと好きになってもらって追いかけてもらおうと思ってたけど…逃げるんじゃしょうがないよね?逃げたら追いかけなきゃいけないよね?だって僕のだし?逃さないし?誰にも渡さないし?」
「オオオオオレ、オレ、オレグ様!?」
吃り過ぎてオレオレ詐欺状態ですわ!?分かっておりますわ意味分かんないですわよねオホホホホ!!もう、パニックですわ!!!
そしてオレグ様が何やらブツブツとおっしゃっていますが小さ過ぎて聞こえませんわ!?
何…?何なんですの…?
わたくしこれからどうなってしまうんですの!?
「ふゎっ!?」
わたくしがビクビクとしながらオレグ様の次の動きを見守っていると、掴まれていた腕をグイッと引き寄せられ…必然的にオレグ様に抱きつくような形になってしまいましたわ!
ですがわたくし華奢な体ではございませんのでドォーン!とぶつかり稽古状態でしたがさすがオレグ様!受けとめてくださいましたわ!
いや、そんなことより!!どどど、どうしましょう!?お顔が!麗しいご尊顔が!近い近い近い近い!!
「婚約破棄はしないよ?」
「へ?」
「だから、婚約破棄は、し・な・い」
子供に言い聞かせるように、言葉を区切ってご説明くださいましたわありがとうございます!でもわたくしはワンモアプリーズしたわけではございませんわ!?なぜ婚約破棄しないのかが分からないのですわ!
「でもでも…オレグ様もお嫌でしょう?わたくしが婚約者なのは」
「どうして?」
「だ、だって………」
だって……
わたくし、デブでブスでしょう?
わたくし、面倒な女でしょう?
わたくしのこと、好きじゃないでしょう……?
狡くて弱虫なわたくしは答えを聞きたくなくて何も口にすることができず、ただ俯くしかなくて…ただ、いたずらに時間が過ぎて。
暫くして頭上で溜息が聞こえて、ビクリと体が強張ってしまいましたわ。
オレグ様に、呆れられてしまいましたわ………。
恐る恐る顔を上げると…そこには悲しそうなお顔が。
そんなお顔をさせたいわけではございませんのに…。
「ねぇ、レーナ。誰か他に気になる人でもできた?」
「っ!?まさか!そんなはずございませんわ!」
「じゃあ、僕のこと…嫌いになった?」
「いいえ、いいえ!そんなんではございませんのよ。ただ…」
「良かった!」
ぱあっと明るい笑顔になるオレグ様。…あれ?
「じゃあ婚約破棄はしないでいいね?」
「………ほぇっ!?」
「良かった~。もうあんな冗談はやめてね?」
「いえ、あの、冗談ではなく…」
「冗談は、や・め・て……………ね?」
「………………………………ハイ」
「うん、いい子」
蕩けるような笑顔でわたくしの頭を撫でるオレグ様。
………なぜこうなりましたの!?
「えぇと、まぁ、はい…」
最近お手紙の頻度が減ったのも、お茶会を無くしたのも、それらをオレグ様に強要したせいでわたくしの評判が現在相当悪くなっており、それによってオレグ様にご迷惑がかかってしまうのは申し訳ないという理由で距離を置かせていただいている……と、いうような説明をさせていたたきましたわ。
まさか「将来オレグ様は聖女様と恋仲になり、嫉妬に狂ったわたくしは処刑される予定だからですわ!」とは言えませんものね…。
………あら?思えばこれはチャンスなのでは?この流れならいけるのでは??今こそあの提案を……!
わたくしは隣にいるオレグ様に体ごと向き合い、真っ直ぐに見つめます。
………………あらやだ、イケメン。じゃなかった。しっかりなさい!わたくし!
「オレグ様。わたくし、このように皆様からの評判が芳しくありませんし、見た目もこんなんですから…ガルロノフ公爵家に……いいえ、オレグ様に相応しくありませんわ。オレグ様のお名前に傷がつかないよう、責は全てわたくしが負いますので、この機会に婚約破棄をお考えになった方が………」
「婚約、破棄………………………?」
「ひょわっ!?」
なななななな!?
オレグ様からただならぬ冷気が!?オレグ様は氷ではなく、水魔法の使い手ではございませんでした!?
若干俯いていてお顔が見えませんが、こ、こ、怖い………!なんだか黒いオーラの幻覚が見えますわ!?
なぜオレグ様が魔王のようになっているのかは分かりませんが、とてつもなくマズい状態なのだけは分かりますわ。
王家の広い馬車とはいえ、安全を確保するための距離をとるには狭い密室。
無駄な足掻きとは分かっておりますが、出来るだけオレグ様から距離をとらせていただきますわ!
「ねぇ…僕から逃げるの?」
「ひぃぃぃぃいいい!!?ままままさかそんな!そんなわけございませんわおほほほほほほ!!」
笑顔で腕を掴まれましたわ!!?でも目が!!目が笑ってませんわ!?
こぉーーーーわぁーーーーいぃぃぃぃいぃいぃ!!!
何がオレグ様の逆鱗に触れましたの!?普段穏やかなオレグ様が怒るなんて…相当ですわ!?
やはりプライド!?プライドですの!?
こんなデブスに振られるなんて的な!?
ごめんなさいごめんなさいもうしませんからぁぁぁ!!どうぞオレグ様から振ってくださいませぇぇぇ!!!
「余裕のある大人のフリをしてもっと好きになってもらって追いかけてもらおうと思ってたけど…逃げるんじゃしょうがないよね?逃げたら追いかけなきゃいけないよね?だって僕のだし?逃さないし?誰にも渡さないし?」
「オオオオオレ、オレ、オレグ様!?」
吃り過ぎてオレオレ詐欺状態ですわ!?分かっておりますわ意味分かんないですわよねオホホホホ!!もう、パニックですわ!!!
そしてオレグ様が何やらブツブツとおっしゃっていますが小さ過ぎて聞こえませんわ!?
何…?何なんですの…?
わたくしこれからどうなってしまうんですの!?
「ふゎっ!?」
わたくしがビクビクとしながらオレグ様の次の動きを見守っていると、掴まれていた腕をグイッと引き寄せられ…必然的にオレグ様に抱きつくような形になってしまいましたわ!
ですがわたくし華奢な体ではございませんのでドォーン!とぶつかり稽古状態でしたがさすがオレグ様!受けとめてくださいましたわ!
いや、そんなことより!!どどど、どうしましょう!?お顔が!麗しいご尊顔が!近い近い近い近い!!
「婚約破棄はしないよ?」
「へ?」
「だから、婚約破棄は、し・な・い」
子供に言い聞かせるように、言葉を区切ってご説明くださいましたわありがとうございます!でもわたくしはワンモアプリーズしたわけではございませんわ!?なぜ婚約破棄しないのかが分からないのですわ!
「でもでも…オレグ様もお嫌でしょう?わたくしが婚約者なのは」
「どうして?」
「だ、だって………」
だって……
わたくし、デブでブスでしょう?
わたくし、面倒な女でしょう?
わたくしのこと、好きじゃないでしょう……?
狡くて弱虫なわたくしは答えを聞きたくなくて何も口にすることができず、ただ俯くしかなくて…ただ、いたずらに時間が過ぎて。
暫くして頭上で溜息が聞こえて、ビクリと体が強張ってしまいましたわ。
オレグ様に、呆れられてしまいましたわ………。
恐る恐る顔を上げると…そこには悲しそうなお顔が。
そんなお顔をさせたいわけではございませんのに…。
「ねぇ、レーナ。誰か他に気になる人でもできた?」
「っ!?まさか!そんなはずございませんわ!」
「じゃあ、僕のこと…嫌いになった?」
「いいえ、いいえ!そんなんではございませんのよ。ただ…」
「良かった!」
ぱあっと明るい笑顔になるオレグ様。…あれ?
「じゃあ婚約破棄はしないでいいね?」
「………ほぇっ!?」
「良かった~。もうあんな冗談はやめてね?」
「いえ、あの、冗談ではなく…」
「冗談は、や・め・て……………ね?」
「………………………………ハイ」
「うん、いい子」
蕩けるような笑顔でわたくしの頭を撫でるオレグ様。
………なぜこうなりましたの!?
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