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第4部 新たな展開

第97話 決心

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 ポポン?!
 私はポポンの名を呼び駆け寄る。

 ぐったりとした体からは、鍵爪で引き裂かれた傷ができ血が出て肉が抉れている。
「ポポン大丈夫よ、待っていて」
 私はストレージからハイポーションを取り出す。
 お願い治って。

 私はそう願いながらハイポーションをポポンの体にかけていく。
 ぽと、ぽと、ぽと、ぽと、
 すると傷が巻き戻しを見ているかのように再生していく。

 良かったわポポン、間に合って…。
 せっかく仲間になったばかりなのに。
 そう思いながら私はポポンの頭を撫でる。

 ガンッ!!ガシッ!!
 ガンッ!!ガシッ!!

あねさん、大丈夫ですか?』
 シルバーが真祖オルソと戦っている。

 よくもポポンを…。
 こんな可愛い子をこんな目に合わせて。
 死んでたらどうするのよ。

 私はポポンを物陰に置き立ち上がった。

「なんだ、この人間の女は。そこの白い猫と同じようにしてやろうか?」
 なんですって?!
 私は思わず怒りで頭に血が上った。
 今まで生きてきて、これほど怒りを感じたことはなかった。

 ビィー、ビィー、ビィー、ビィー、
 頭の中で警告音が響く。

〈〈〈〈〈 危険、危険、怒りにより平常心を保てません。貯えておいた力を解放し、所得済みの経験値をアビリティに振り分けます 〉〉〉〉〉
 私の中で『ヘルプ』機能が淡々と語りかけてくる。

〈〈〈〈〈 スタイルを選択してください。物理攻撃特化。魔法攻撃特化のどちらにしますか? 〉〉〉〉〉

「人間の女よ!!今夜の食事はお前の赤い血だ」

 あの蝙蝠野郎!!
 もちろん物理攻撃特化よ!!
〈〈〈 かしこまりました。能力、技量、力量、才能を振り分けます 〉〉〉

 カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、
  カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、
 カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、
 カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、
  カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、
 カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、
            カチ、カチ、カチ、カチ、
               カチ、カチ、
                カチ、
                カチ、
                カチ、
                カチ、
 私の中でたくさんのキーボードを叩くような音が聞こえる。
 そして頭の中を駆け抜ける。
 力が湧いてくる。
 暴力なんて嫌いなのに…。

「あぁ、だが若い女ではないことが残念だ。まあ、こんな迷宮にくること自体、碌な女ではないがな。どうした?もう諦めたのか女よ」

 でも力がないと守れないことがあると知った。
 だから私は立ち上がる。

 フルボッコよ!!

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