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第3部 日常

第82話 自己紹介

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『おい、こいつらは再生するから、首チョンパすればさすがに再生しないぞ』
『わかった!!』
『おう!!』

 ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、
  ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、
   ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、

   ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、
 ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、
  ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、

  ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、
 ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、
  ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、

 ドサッ!!ドサッ!!ドサッ!!

『ふぅ~、人族より先に倒してやったぜ』
『これでこの肉は俺達のものだ、わはははは!!』



 トロールは4体共に倒された。
 しかし後はこのシルバーウルフを俺達が倒せるかだ。
 いや、無理だろう。
 付き添って来た騎士の大半は怪我を負い起き上がれないでいる。
 ポーションを使う間があるのかさえ分からない。
 シルバーウルフはこちらを見つめている。
 攻めるべきか、それとも様子を見るべきなのか。
 どうしたらいいんだ。


「ニックス、どうしたの?静かになったけどトロールは倒せたの?」
「はい、パオラお嬢様。トロールは倒されました、しかし…「「まあ、凄いわ。さすがは騎士団ね」
「お嬢様、まだ出てはいけません」
 何も知らないお嬢様は馬車のドアを開け降りてきてしまった。
「えっ?」
 シルバーウルフを見て固まってしまう。
 それはそうだろう。
 自国領で生活していて魔物に出会うことはまずは無い。
 まして2m近くあるシルバーウルフに出会うことなど…。

「これは…」
「お嬢様、危険です。馬車にお戻りください」
「パオラ、戻るんだ」
 ガスパロ侯爵が馬車から顔を出し、お嬢様に戻るように声を掛ける。
 声に驚いたのかシルバーウルフ3体がこちらに近づいて来た。

 すると匂いを嗅ぎだした。
 クン、クン、クン、

「あっ、そこは…」
「お嬢様、どうかそのままに」

 クン、クン、クン、クン、クン、クン、クン、クン、クン、
   クン、クン、クン、クン、クン、クン、クン、クン、クン、
  クン、クン、クン、クン、クン、クン、クン、クン、クン、

 3体がかりで前後から匂いを嗅ぎ始めた。


『あれ?スズカのあねさんか?』
『違うよ、よく見ろよ』
『いや~、だって人族の顔なんてわからないし』
『だから嗅ぐしかないんだよ。匂いを嗅ぐのは、お互いを確認し合う自己紹介だからね』

 前後から3体に臭いを嗅がれ、お嬢様は戸惑っている。
 耐えてください。
 彼等と戦う力は我らにはありません。
 だから彼等に逆らわないでください。

「いや~ん!!」

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