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第2部 王都ファグネリア
第77話 石鹸
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あれから粉ミルクを購入する女性が、昼間に訪ねてくるようになった。
ネットスーパーで購入すると、粉ミルクと哺乳瓶は思った以上に高い。
そこで儲けを出すのではなく社会貢献だと思い哺乳瓶は無料。
粉ミルクは小分けで販売することにした。
それから粉ミルクや醤油ラーメンを求めてくる人も多くなった。
昼間も忙しくなり私一人では無理になった。
シルバーの散歩や魔物を狩って肉確保もできない。
テーブルが必要になり長テーブルを購入し、店先に置きそこで食べてもらっている。
アモスさん達にお願いして、昼間も出てもらえることになった。
彼等も収入が増え喜んでくれる、そして私も助かる。
この世界に来て良かったと思えるのは、生活費に困らないことだ。
売上もたくさんあり人件費なんて気にしなくても良いし。
まあ、昼間に粉ミルクと醤油ラーメンだけを売っている変な店だけど…。
店の人気が出るに連れて、周りからやっかみも出てくる。
ワイアット公爵の許可をもらって、店の壁に公爵家の紋章を刻んだ看板を出した。
これでこの店は公爵家ゆかりの者だと分かるから、へんな手出しはしてこないはず。
これからは段々と、品数を増やしていこうかしら。
そうだわ、衛生管理や美容品も必要ね。
値段はわからないから都度、ヤルコビッチ商会に相談しに行かないと。
私はアモスさん達に店を任せ出かけることにした。
「こんにちは!ヤルコビッチさんはいますか?」
奥から夫人のリリーさんが出て来た。
「まあ、スズカさん。お待ちください、今呼びますから、応接間でお待ちください」
私は応接間に案内されソファに腰かけ待っている。
「お待たせしました、スズカさん。本日はどうされましたか?」
「実は従業員も増えたので、店の品数を増やそうと思いまして」
「ほう、それは。どんな商品ですか?」
「これです」
そう言うと私は赤い箱の六個入りの石鹸箱を出した。
「これは?」
「石鹸です、衛生面を考えると清潔にすることは大切ですから」
「しかし石鹸は高額になりますよ」
「へっ?そうなのですか」
「えぇ、スズカさんのお店は食堂であって商店ではありません。お客の目的が違うのと、低所得者が多い店では高額なものは売れないと思います」
「そうですか…」
しま〇らで、ヴィトンのバッグを売るようなものか。
「では、どうでしょうか?良い物であれば今まで通り私の店経由で売りましょう」
「わかりました。ではまず試してみてください」
「いいのですか?」
「えぇ、どうぞ」
「では試してきますね」
そう言うとヤルコビッチさんは石鹸を手に部屋を出て行った。
しばらくすると大きな声が外から聞こえた。
おぉ、これは!!
良い匂いがするわ。
汚れがこんなに落ちるとは…。
どうやらリリーさん達と従業員で試しているみたいね。
ネットスーパーで購入すると、粉ミルクと哺乳瓶は思った以上に高い。
そこで儲けを出すのではなく社会貢献だと思い哺乳瓶は無料。
粉ミルクは小分けで販売することにした。
それから粉ミルクや醤油ラーメンを求めてくる人も多くなった。
昼間も忙しくなり私一人では無理になった。
シルバーの散歩や魔物を狩って肉確保もできない。
テーブルが必要になり長テーブルを購入し、店先に置きそこで食べてもらっている。
アモスさん達にお願いして、昼間も出てもらえることになった。
彼等も収入が増え喜んでくれる、そして私も助かる。
この世界に来て良かったと思えるのは、生活費に困らないことだ。
売上もたくさんあり人件費なんて気にしなくても良いし。
まあ、昼間に粉ミルクと醤油ラーメンだけを売っている変な店だけど…。
店の人気が出るに連れて、周りからやっかみも出てくる。
ワイアット公爵の許可をもらって、店の壁に公爵家の紋章を刻んだ看板を出した。
これでこの店は公爵家ゆかりの者だと分かるから、へんな手出しはしてこないはず。
これからは段々と、品数を増やしていこうかしら。
そうだわ、衛生管理や美容品も必要ね。
値段はわからないから都度、ヤルコビッチ商会に相談しに行かないと。
私はアモスさん達に店を任せ出かけることにした。
「こんにちは!ヤルコビッチさんはいますか?」
奥から夫人のリリーさんが出て来た。
「まあ、スズカさん。お待ちください、今呼びますから、応接間でお待ちください」
私は応接間に案内されソファに腰かけ待っている。
「お待たせしました、スズカさん。本日はどうされましたか?」
「実は従業員も増えたので、店の品数を増やそうと思いまして」
「ほう、それは。どんな商品ですか?」
「これです」
そう言うと私は赤い箱の六個入りの石鹸箱を出した。
「これは?」
「石鹸です、衛生面を考えると清潔にすることは大切ですから」
「しかし石鹸は高額になりますよ」
「へっ?そうなのですか」
「えぇ、スズカさんのお店は食堂であって商店ではありません。お客の目的が違うのと、低所得者が多い店では高額なものは売れないと思います」
「そうですか…」
しま〇らで、ヴィトンのバッグを売るようなものか。
「では、どうでしょうか?良い物であれば今まで通り私の店経由で売りましょう」
「わかりました。ではまず試してみてください」
「いいのですか?」
「えぇ、どうぞ」
「では試してきますね」
そう言うとヤルコビッチさんは石鹸を手に部屋を出て行った。
しばらくすると大きな声が外から聞こえた。
おぉ、これは!!
良い匂いがするわ。
汚れがこんなに落ちるとは…。
どうやらリリーさん達と従業員で試しているみたいね。
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