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第2部 王都ファグネリア

第62話 レシピ

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 何だか知らないけど話がどんどん進んでいく。
 まだやるとは言っていないのに。

「ではコンロもそうなのだろうか?」
「ええ、そうです。ですがコンロに関しては今の技術では無理だと思います」
「そうなのか、では仕方がない。コンロが大量に作れれば雇用促進に繋がると思ったのだが…。それに関してはあまりおおやけにしない方が良いかもしれんな」
「そう、がっかりしないでください」

 あっ、そうだ。
 そろそろ、プリンが冷めたころかしら?
「ワイアット公爵、ダニロ侯爵。そろそろプリンが冷めたころだと思います。厨房にいってみませんか?」
「もうそんな時間か。では新しいデザートを試食に行こうか」
 私達3人はラヴィーナ夫人やハイラム卿にも声をかけ厨房に向かう。
 厨房の中では料理人のダニエルが仕込みをしている。

「ダニエル、プリンの様子を見に来たぞ」
「どうぞ、公爵様。丁度、良い頃合ころあいだと思います」
 みんなでスプーンを持ち、カップに入ったプリンを食べ始める。

「甘い~!!」
「美味しい!!」
「なんだ?この旨さは」
 みんな、その旨さに驚いている。
 まあ、この世界では甘味があるだけで貴重なんだけど。

 私が作ったプリンは底にカラメルを入れるのではなく、カップから直接食べるので上にかけておくことにした。
 カラメルはプリンを容器から取り出すときにプリンが張り付いてしまうので、事前に入れておくことでプリンと容器に層を作り取り出しやすくしているだけだもの。
 カポッ!と出せないのは残念だけど手間がないのが一番よね。

「きっとこれは晩餐会で話題になるぞ!!」
 ダニエルさんが興奮している。
「それからダニエル。スズカさんがハッシュドビーフと、プリンの作り方を教えてくれるそうだ」
「本当ですか?!スズカさん」
「えぇ、でも全部ではなく一部になりますので、後はダニエルさんの創意工夫となります」
「それは勿論です。調理人にとってレシピは宝です。それを簡単に教えて頂けるとは思っておりません」
「では、まずハッシュドビーフから説明致しますね」
「ありがとうございます」

 私は『ヘルプ』機能を使いハッシュドビーフと、プリンの作り方を説明していく。

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 いつも応援頂いてありがとうございます。
 物語はまったり、のんびりと進み更新は不定期となります。
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