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第2部 王都ファグネリア

第48話 客層を幅広く

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 私とシルバーは王都に向って走っている。
 しかし公爵と関わり合うなんて、面倒なことにならなければ良いけど。
 そんな事を思いながら王都に着き店に到着!!

 大聖堂の鐘が鳴り響く。
 時刻はまだお昼みたいね。
 あ~、やっぱり時計が無いと感覚的に不便ね。

 でもネットスーパーでは売っていないしー。
 なんだか使えない物ばかり売っているしー。
 揚げ出あげだしー、ほんだしー、かつおだしだしー、なんて!!
 ぎゃふん、ぎゃふん、ぎゃふん、
 1人芝居をしているとシルバーが首を傾げて私を見ている。

 そうだよね。
 側に誰かいたら絶対、おかしいと思われるよ。
 おかしい、胃下垂いかすい三角錐さんかくすいなんて。
 きゃははは!!

あねさんー』
「わかっているわ、シルバー。何も言わないで」
 独り身が長いと自然と独り言が多くなる。
 そして壊れていくのねー。
 なんてね、もう十分だって?
 お後がよろしいようでー、ジャンカ、ジャンカ、ジャンカ、ジャンカ、


 それから店の前を掃き掃除をしていると声を掛けえられた。
「あの~、すみません」
「はい、なんでしょうか?」
 振り返るとそこには5人の男の人がいた。

「ここは獣人専門の食堂でいいのでしょうか?」
「う~ん。専門と言うより犬、猫族用ですね」
「他の種族は扱っていないのでしょうか?例えば狐族とか?」
「狐族ですか?」
「えぇ、そうです。このお店の話を冒険者ギルドで何度も聞きました。獣人専門の食堂ができたと」
「はあ、」
「そこは低価格でお腹が満腹になり、しかも今まで食べたこともない美味しい食事が出来ると。そして貴重な水も飲み放題だと聞きました」
 まあドライフードだから水を飲めば、胃の中で膨張するから満腹感はあるわね。

 狐のご飯?
 身近で飼っている人が居なかったからわからないわ。
「ちょっと待ってくださいね」
 私は左手にタブレットを持っている形を取り『ヘルプ』機能を立ち上げる。
 え~と、狐の食事とー。
 私は『ヘルプ』機能を使い『狐』について調べる。

【狐】生態・・検索開始・・… … 完了!
 イヌ科、食性は肉食に近い雑食性。
 鳥、ウサギなどの小動物や昆虫、くだものなどを食べる。
 餌が少ないと雑食性となり、人間の残飯やニワトリを食べたりする。

「大丈夫よ、ワンコスペシャルで食べられるわ」
「良かった!では狼族、虎族、兎族はどうでしょうか?」
「う~ん、お待ちくださいね」
 私は再び『ヘルプ』機能で調べ始める。
 狼族はイヌ科、虎族はネコ科だから、ワンコスペシャルとニャンコスペシャルで大丈夫ね。

「狼族はワンコスペシャル、虎族はニャンコスペシャルが食べられます」
「では俺は、兎族はどうなのでしょうか?」
「え?」
「見て頂いたらわかると思いますが、俺達5人は狐族2人と狼族、虎族、兎族が1人ずつの5人のパーティなのです」
 そういうと各自が兜を取って頭を見せた。
 いや、わかりませんけどー。

 頭の耳と尻尾で、種族を分かると思うのはあなた達だけだと思う。
 まあわかるのは長い耳を頭に生やしている兎族の人のみね。
 ウサギの餌とー。
 え~と、『おいしい牧草』はさすがに無理ね。
 あっ、あった!!
 ミックスフードと、ウサギのおやつ毛玉ケアのこの2つね。

「兎族の餌…げふん、げふん、食事もできます」
「おぉ~、それは良かった!!では夕方にまた来ます」
「あ、いえ、お出するのは今日、初めてになるので。もしお時間があれば試食と言うこと今、お出しできますけど」
「それは助かります」
「さあ、中へどうぞ」
 そう言うと私は店の中に入った。
 すると寝そべっていたシルバーが、なんだ?と言う顔を私に向ける。
「ちょっと早いけどお客様よ、シルバー」
 それを見た獣人5人は固まってしまった。
 特に狼族だと思われる人はワナワナと震え座り込む。

「大丈夫ですよ、この子は私が使役しえきしているシルバーです」
「シルバー様と言うのですか?ご尊顔を拝謁して光栄です」
 狼族の人は膝を付き拝むような仕草をしている。
「我ら狼族にとってシルバー様は上位の存在になります。こんなところでお会いできるとはー」
『うむ、くるしゅうない』
「気にすることはない、と言っているわ」
「シルバー様の言葉がわかるのですか?」
「えぇ、なんとなくですけど」
「おぉ、さすがはー、あの~、もしよければお名前を伺ってもー」
「あ、ごめんなさい。自己紹介がまだでしたね。私はスズカです」
「スズカ様ですか」
「様はいりませんよ」
「わかりました。ではスズカさんということで。俺は『春風の義賊』の兎族のコージモです。そして狐族のマヌエルとヨアキム、狼族のアーベル、虎族のサブリです」

「「よろしく!!」」

『春風の義賊』の人達が挨拶をする。

「こちらこそよろしくお願いします。さあ食事にしましょう!!」

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 物語はまったり、のんびりと進み更新は不定期となります。

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