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第2部 王都ファグネリア

第38話 商業ギルド

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「ようこそ、商業ギルドへ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
 赤髪の受付の女性が聞いてくる。

「ギルドに登録したいのですけど…」
「では、こちらに必要事項をお書きください」
 そう言うと獣紙皮を差し出してきた。
 あぁ、やっぱり紙ではなく獣紙皮なのね。
 私の感覚では紙より獣紙皮の方が、高いと思うけど価値観の違いね。

 名前:スズカ
 種族:人族
 年齢:17歳
 性別:女
 営業形態:店舗営業

 名前は家名を付けると面倒なので、もうスズカでいいわ。

「スズカ様ですね、私はマーシャと申します」
「よろしくお願いいたします」
「では説明させて頂きます」
 そう言いながら女性は説明を始める。

 外商か、露店か、店舗型によって税率が違う。
 組合費は店舗販売が一番高く月単位で1万円。
 初月は組合費無料と登録料5,000円で良いみたい。

 商業ギルドは塩、胡椒、織物や、お店で買い手が付かないものも、金額は安くなるけど買取ってもらえる。
 現金がすぐほしいとか、売りさばけないならいいかも。
 ネットスーパーで塩を購入して、ギルドに高く売ればお金になると言うことね。
 でも目立ちそうだから今のままでいくしかないか。

「わっ?!」
「なんだ、この魔物は?!」

 外が騒がしい。
 あぁ、シルバーのことね。
 冒険者ギルドでも初めての時は驚かれたな。
 商業ギルドなら尚更、調教師テイマーなんていないから驚かれるのを忘れてた。

 私は入り口に向かい声を出す。
「みなさん、安心してください。この子は私が使役しえきしている魔物です」
「な、なんだそうか」
「驚かすなよ」
 シルバーを遠巻きにしながら商人達は商業ギルドに入って来る。
「スズカ様は調教師テイマーでもあるのですね」
 マーシャさんが聞いてくる。
「はい、そうです」
「では、次回から魔物は連れて来ないようにして頂けないでしょうか。ギルドに来る人が怖がってしまいますから」
「わかりました、気を付けます」



 そう言うと私は登録料を支払い、今度は冒険者ギルドに向かうことにした。
 もう解体が終わった頃かしら。
「さあ、シルバー。これからお前のお肉を取りに行こうね」
あねさん、お願いがあります!!』

「なあに、シルバー?」
あねさん、実は肉と一緒に魔石も欲しいのです』
「魔石?そう言えば前に食べていたわね」
『そこそこ強い魔物の魔石を食べると進化が進むみたいです。もっと強くなってあねさんを守りたいので』
「まあ、嬉しいことを言ってくれるのね。でもそんな危険なことはしないから大丈夫よ。シルバーがほしいなら、今回のワイルドボアの魔石はもらっておきましょうか」
『ありがとうございます。あねさん!!』

 そう言うとシルバーは光沢のある、鋼の様な白色の尻尾をフリフリ振って喜んだ。

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 物語はまったり、のんびりと進み更新は不定期となります。

 よろしくお願いいたします。
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