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第2部 王都ファグネリア
第30話 セサルの村
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私はミラベルちゃんを村に送って行くことにした。
「シルバーお願い。ミラベルちゃんも背中に乗せてくれる?」
『ワフッ、ウォン!!』
「ミラベルちゃん。シルバーが背中に乗せてくれるって」
「え?乗れるのですか」
「もちろんよ。さあ、どうぞ」
そう私が言うとシルバーは、乗りやすい様に腰を落としてくれた。
「さあ、どうぞ」
私が先に乗りミラベルちゃんは後ろに跨る。
「行くわよ。シルバーゆっくり頼むわね」
『ワフッ!!』
一声吠えるとシルバーは私達を乗せ立ち上がる。
そしてミラベルちゃんに道案内をしてもらいながら村に向かう。
しばらく歩くと2mくらいの木を縄で継ぎ合わせた防護棚が見えて来た。
「スズカお姉ちゃん、村はあそこです」
私達は入口を目指して近づく。
「と、止まれ!!」
見ると門の入口に50歳くらいの、疲れた顔をした男が1人剣を持ち立っていた。
「ゲイリーさん、私です。ミラベルです」
「なんだ、ミラベルちゃんか、脅かすなよ。なんだ、その大きな魔物は?」
「この子は私がティムしている魔物よ」
そう言いながら私達はシルバーの背中から降りる。
「あんたは調教師なのかい?」
「えぇ、そうです」
「森に薬草を摘みに行ったらキラービーに襲われてしまって…。その時にスズカお姉ちゃん達に助けてもらったの」
「キラービーに?!それは大変だったな。ありがとう、この子を助けてくれて」
「たまたま、通りかかっただけですから」
「助けてもらったのにこう言うのもなんだが、この魔物は村に入れても大丈夫なのか?」
「大丈夫です」
多分…。
「暴れるようなことはないよな」
「普段は大人しいので」
シルバーの機嫌は私には分かりません。
道を歩いていて向こうから、可愛いワンコが飼い犬さんとやって来たとする。
「可愛いワンコですね。なにちゃんですか?触っても大丈夫ですか?」
「えぇ、この子は大人しいので」
カフッ!!
大丈夫かどうかは飼い主ではなく犬が決めること。
ワンコにしてみれば、嫌なことや機嫌の悪い時もある…。
シルバーも同じです。
「では、通っていいぞ。ようこそセサルの村へ」
ゲイリーさんと言われた人が歓迎の挨拶をするけど声には覇気が無い。
どうしたのかな?
「さあ、どうぞ。スズカお姉ちゃん、こちらです」
私はミラベルちゃんに案内され門の中に入る。
すると柵の内側には50軒くらいの小さな家が建っていた。
しかし人通りはまばらで、見かけるのは女の人と老人ばかり。
みんな疲れた顔をしており、若い男手が居ないみたい。
どうしたのだろう、この活気のない村は?
「ここが家です」
そう言うミラベルちゃんが指を指したのは、木造の荒れ果てた家だった。
シルバーは入口で待たせて家の中に入る。
「おかあさん、ただいま!!」
中は8~10畳くらいの広さで、板の間と土間に仕切られていた。
「ミラベル、お帰り。どこに行っていたの?それにそちらの方は?」
家の中には27~29歳位の痩せた女の人が居た。
「起きて大丈夫?おかあさん。薬草を採りに行ったの…。そしたら魔物に襲われて」
「まあ?!あれほど森は危険だと言ったでしょう!!」
「でもおかあさんが苦しそうだったから…。その時にスズカお姉ちゃん達に助けられたの」
「そうだったの。ゴホ、ゴホ、私は母のエレーナと言います。本当にありがとうございました。馬鹿ね、この子は…おかあさんなら大丈夫よ。ゴホ、ゴホ、苦労をかけるわね」
「おかあさん、それは言わない約束だよ~」
そう言いながら親子は抱き合った。
昭和の寸劇か?
「シルバーお願い。ミラベルちゃんも背中に乗せてくれる?」
『ワフッ、ウォン!!』
「ミラベルちゃん。シルバーが背中に乗せてくれるって」
「え?乗れるのですか」
「もちろんよ。さあ、どうぞ」
そう私が言うとシルバーは、乗りやすい様に腰を落としてくれた。
「さあ、どうぞ」
私が先に乗りミラベルちゃんは後ろに跨る。
「行くわよ。シルバーゆっくり頼むわね」
『ワフッ!!』
一声吠えるとシルバーは私達を乗せ立ち上がる。
そしてミラベルちゃんに道案内をしてもらいながら村に向かう。
しばらく歩くと2mくらいの木を縄で継ぎ合わせた防護棚が見えて来た。
「スズカお姉ちゃん、村はあそこです」
私達は入口を目指して近づく。
「と、止まれ!!」
見ると門の入口に50歳くらいの、疲れた顔をした男が1人剣を持ち立っていた。
「ゲイリーさん、私です。ミラベルです」
「なんだ、ミラベルちゃんか、脅かすなよ。なんだ、その大きな魔物は?」
「この子は私がティムしている魔物よ」
そう言いながら私達はシルバーの背中から降りる。
「あんたは調教師なのかい?」
「えぇ、そうです」
「森に薬草を摘みに行ったらキラービーに襲われてしまって…。その時にスズカお姉ちゃん達に助けてもらったの」
「キラービーに?!それは大変だったな。ありがとう、この子を助けてくれて」
「たまたま、通りかかっただけですから」
「助けてもらったのにこう言うのもなんだが、この魔物は村に入れても大丈夫なのか?」
「大丈夫です」
多分…。
「暴れるようなことはないよな」
「普段は大人しいので」
シルバーの機嫌は私には分かりません。
道を歩いていて向こうから、可愛いワンコが飼い犬さんとやって来たとする。
「可愛いワンコですね。なにちゃんですか?触っても大丈夫ですか?」
「えぇ、この子は大人しいので」
カフッ!!
大丈夫かどうかは飼い主ではなく犬が決めること。
ワンコにしてみれば、嫌なことや機嫌の悪い時もある…。
シルバーも同じです。
「では、通っていいぞ。ようこそセサルの村へ」
ゲイリーさんと言われた人が歓迎の挨拶をするけど声には覇気が無い。
どうしたのかな?
「さあ、どうぞ。スズカお姉ちゃん、こちらです」
私はミラベルちゃんに案内され門の中に入る。
すると柵の内側には50軒くらいの小さな家が建っていた。
しかし人通りはまばらで、見かけるのは女の人と老人ばかり。
みんな疲れた顔をしており、若い男手が居ないみたい。
どうしたのだろう、この活気のない村は?
「ここが家です」
そう言うミラベルちゃんが指を指したのは、木造の荒れ果てた家だった。
シルバーは入口で待たせて家の中に入る。
「おかあさん、ただいま!!」
中は8~10畳くらいの広さで、板の間と土間に仕切られていた。
「ミラベル、お帰り。どこに行っていたの?それにそちらの方は?」
家の中には27~29歳位の痩せた女の人が居た。
「起きて大丈夫?おかあさん。薬草を採りに行ったの…。そしたら魔物に襲われて」
「まあ?!あれほど森は危険だと言ったでしょう!!」
「でもおかあさんが苦しそうだったから…。その時にスズカお姉ちゃん達に助けられたの」
「そうだったの。ゴホ、ゴホ、私は母のエレーナと言います。本当にありがとうございました。馬鹿ね、この子は…おかあさんなら大丈夫よ。ゴホ、ゴホ、苦労をかけるわね」
「おかあさん、それは言わない約束だよ~」
そう言いながら親子は抱き合った。
昭和の寸劇か?
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