26 / 110
第2部 王都ファグネリア
第26話 1日の始まり
しおりを挟む
朝になった。
私は寝間着を着替え、桶に貯めておいた水で顔を洗う。
水道なんて勿論ないから、ネットスーパーで洗面器と水を購入した。
便利な生活に慣れた私には『水道ありません、電気もありません』と、言われても馴染んだ生活からは離れられないものね。
ちなみに購入した水は『六個の天然水』。
1ケース6本入りだから!!
なんちゃって!
きゃはははは!
ふぅ~、朝から一人芝居は疲れるわ。
昨日は冒険者パーティ『燃える闘魂』の人達が、お友達を連れてきてくれて売上は9人で3,600円。
ここの家賃が月10万か~。
目指せ週休二日制なんだけど、やはり所得が低いこの世界ではきついかな。
後は商人のヤルコビッチさんに卸している、ジャムが定期的に売れればいいけど。
聞いた話ではこの世界の1年は360日で1ヵ月は30日。
国王生誕記念のような日以外は、特別な祝日は特にないからカレンダーは30日分が書かれた紙1枚で足りてしまうそうだ。
すると何やらガヤガヤする外から声が聞こえる。
なんだろう?こんな時間に?
私はそう思い家の横引の入口の木のドアを開けた。
「遅いよスズカさん。いったい何時に店を開けるのさ!!」
するとそこには『燃える闘魂』のメンバーと、昨日来てくれた『愛のダリーナ』のメンバー5人の他に20人くらいの獣人が待っていた。
「まあ、こんなにたくさんのお客さんが?!」
「今は冬だから日が短く働く時間が俺達は短いのさ。だから食堂は、もっと早く開けてもらないと困るよ」
ゲオルギーさんが困った顔で私に文句を言う。
「昨日食べたらあまりにも美味しかったから、仲間を連れてきてやったぜ」
そこには昨日の冒険者パーティ『愛のダリーナ』のドミニクさん達もいた。
「ありがとうございます。お待たせいたしました、『屋台の店シルバー』開店です!!」
「 オォ~~~!! 」
お客さんが店の中に殺到する。
「スズカさん、ワンコスペシャルを頼みます!!」
犬族のジョヴァンニさんが叫ぶ!!
「俺はニャンコスペシャルだ~!!」
犬族のジョヴァンニさんが叫べば、猫族のイングヴェさんも負けじと叫ぶ。
いったいこれはなに?
初めてのお客さんはメニューに戸惑っているようだ。
「じゃあ、俺もそれを頼む!!」
「俺も同じものを頼むぜ!」
「かしこまりました~!!スペシャル入ります~!!」
そう言いながら後ろを振り向いて厨房に向い声を出す。
まあ誰もいないけど…。
一人だと思われると怖いから、誰か奥にいると思ってもらえれば…。
メニューを迷う人もほとんどいない。
なぜなら初めての店に来たときは、よくわからないからメニューのおすすめ品を選ぶのが無難だからね。
お店にとってのおすすめ品は、利益率の高いものが『おすすめ品』なんだけどね。
メニューも各2種類だけだから特に問題も、なくどんどんオーダーを出していく。
そして忙しい時間はあっと言う間に過ぎていく…。
「ありがとうございました~!!」
「また夕方にくるから頼むぜ、スズカさん」
そう言いながら『燃える闘魂』のメンバーが店を出ていく。
ドライフードを皿に盛りペースト状の物をかけているだけだから、お客の回転がとても速い。
今朝の売上は21人で8,000円。
夜もこれだけお客が来てくれれば、私の食費を入れても十分にやっていける。
でも問題はその後の洗い物ね。
だって水道がないから。
昨日は汚れたお皿を洗うのに、表通りの井戸まで行き水を汲んでそこで洗った。
やはり水道がないのは不便に感じる。
それにすぐに洗わないと汚れが落ちにくいし…。
どうしよう?
私は寝間着を着替え、桶に貯めておいた水で顔を洗う。
水道なんて勿論ないから、ネットスーパーで洗面器と水を購入した。
便利な生活に慣れた私には『水道ありません、電気もありません』と、言われても馴染んだ生活からは離れられないものね。
ちなみに購入した水は『六個の天然水』。
1ケース6本入りだから!!
なんちゃって!
きゃはははは!
ふぅ~、朝から一人芝居は疲れるわ。
昨日は冒険者パーティ『燃える闘魂』の人達が、お友達を連れてきてくれて売上は9人で3,600円。
ここの家賃が月10万か~。
目指せ週休二日制なんだけど、やはり所得が低いこの世界ではきついかな。
後は商人のヤルコビッチさんに卸している、ジャムが定期的に売れればいいけど。
聞いた話ではこの世界の1年は360日で1ヵ月は30日。
国王生誕記念のような日以外は、特別な祝日は特にないからカレンダーは30日分が書かれた紙1枚で足りてしまうそうだ。
すると何やらガヤガヤする外から声が聞こえる。
なんだろう?こんな時間に?
私はそう思い家の横引の入口の木のドアを開けた。
「遅いよスズカさん。いったい何時に店を開けるのさ!!」
するとそこには『燃える闘魂』のメンバーと、昨日来てくれた『愛のダリーナ』のメンバー5人の他に20人くらいの獣人が待っていた。
「まあ、こんなにたくさんのお客さんが?!」
「今は冬だから日が短く働く時間が俺達は短いのさ。だから食堂は、もっと早く開けてもらないと困るよ」
ゲオルギーさんが困った顔で私に文句を言う。
「昨日食べたらあまりにも美味しかったから、仲間を連れてきてやったぜ」
そこには昨日の冒険者パーティ『愛のダリーナ』のドミニクさん達もいた。
「ありがとうございます。お待たせいたしました、『屋台の店シルバー』開店です!!」
「 オォ~~~!! 」
お客さんが店の中に殺到する。
「スズカさん、ワンコスペシャルを頼みます!!」
犬族のジョヴァンニさんが叫ぶ!!
「俺はニャンコスペシャルだ~!!」
犬族のジョヴァンニさんが叫べば、猫族のイングヴェさんも負けじと叫ぶ。
いったいこれはなに?
初めてのお客さんはメニューに戸惑っているようだ。
「じゃあ、俺もそれを頼む!!」
「俺も同じものを頼むぜ!」
「かしこまりました~!!スペシャル入ります~!!」
そう言いながら後ろを振り向いて厨房に向い声を出す。
まあ誰もいないけど…。
一人だと思われると怖いから、誰か奥にいると思ってもらえれば…。
メニューを迷う人もほとんどいない。
なぜなら初めての店に来たときは、よくわからないからメニューのおすすめ品を選ぶのが無難だからね。
お店にとってのおすすめ品は、利益率の高いものが『おすすめ品』なんだけどね。
メニューも各2種類だけだから特に問題も、なくどんどんオーダーを出していく。
そして忙しい時間はあっと言う間に過ぎていく…。
「ありがとうございました~!!」
「また夕方にくるから頼むぜ、スズカさん」
そう言いながら『燃える闘魂』のメンバーが店を出ていく。
ドライフードを皿に盛りペースト状の物をかけているだけだから、お客の回転がとても速い。
今朝の売上は21人で8,000円。
夜もこれだけお客が来てくれれば、私の食費を入れても十分にやっていける。
でも問題はその後の洗い物ね。
だって水道がないから。
昨日は汚れたお皿を洗うのに、表通りの井戸まで行き水を汲んでそこで洗った。
やはり水道がないのは不便に感じる。
それにすぐに洗わないと汚れが落ちにくいし…。
どうしよう?
24
お気に入りに追加
293
あなたにおすすめの小説
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。
異世界でフローライフを 〜誤って召喚されたんだけど!〜
はくまい
ファンタジー
ひょんなことから異世界へと転生した少女、江西奏は、全く知らない場所で目が覚めた。
目の前には小さなお家と、周囲には森が広がっている。
家の中には一通の手紙。そこにはこの世界を救ってほしいということが書かれていた。
この世界は十人の魔女によって支配されていて、奏は最後に召喚されたのだが、宛先に奏の名前ではなく、別の人の名前が書かれていて……。
「人違いじゃないかー!」
……奏の叫びももう神には届かない。
家の外、柵の向こう側では聞いたこともないような獣の叫ぶ声も響く世界。
戻る手だてもないまま、奏はこの家の中で使えそうなものを探していく。
植物に愛された奏の異世界新生活が、始まろうとしていた。
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる